L→R 桐木岳貢(Ba)、柳田周作(Vo)、黒川亮介(Dr)、吉田喜一(Gu)

L→R 桐木岳貢(Ba)、柳田周作(Vo)、黒川亮介(Dr)、吉田喜一(Gu)

【神はサイコロを振らない
インタビュー】
神サイで描いてきた男女の歪んだ愛情
その新境地に行きたかった

野音のライヴはここから
広がっていくためのキックオフ

バンドの演奏もいろいろ細かいことをやってますね。

そうですね。ベースの音もギター以上に歪ませてみたり。とにかく最初っから自分としては大人なバンド隊でありたくて、この曲に関しては。だから、差し引きというか、出るとこは出るけど、引くとこは引くみたいなところはうまくやってほしいと。それこそ編曲の段階での要望が、ベースはベースで、ギターはギターで、ドラムはドラムで目立つところがあると決めて話を進めていきました。バンドとしての見せ場や、ライヴチューンという立ち位置の楽曲としても、ちゃんと確立させたかったんで。最近ライヴやっていて思うのは、神サイっていうひとつの塊が蓋を開けてみると4人がそれぞれすごく光っているっていう。その集合体みたいなバンドになりたくて。だからこそ、各々のプレーヤーとしての見せ場が、こういう楽曲では特に欲しかったんです。

歌詞はなかなか直接的な感じだと思いました。

今回もまた男性目線で歌ってる箇所と女性目線で歌ってる箇所があって。今までもこういう男女の歪んだ愛情みたいなものを歌にすることが多かったんですけど、それの新境地に行くつもりで書いた曲ですね。サスペンスも絡んでいたし、ドラマとも面白い絡め方をしたいと思った…サビで《葡萄の美酒に溺れ》という一文が出てくるんですけど、それはドラマのある登場人物が実家のワイン農家で働いてたりするので絡めてみたり。まぁ、“嘘”ってワードももちろん入っていますし。

“イリーガル・ゲーム”、つまり“違法なゲーム”というタイトルもドラマの内容を想像させますね。

殺人事件が次々に起こっていくんで、愛とか恋みたいなものをうまく利用して次々と人が死んでいったり、騙されたりしていくようなところはドラマにフォーカスしていますね。そういうところからこのタイトルにしています。

テーマに則して書ききっちゃうのにいい機会だったのかもしれない。

そうですね。こういう男女の愛情みたいなのって、自分自身でも今まであったんで、2番以降、男性目線で歌ってるんですけど、自分のことを歌っていたりして。うまく自分と絡められたと思っていますね。

なるほど。そして、アルバムリリース後には東京と大阪で野音ライヴ『最下層からの観測』が決定していますね。これは“事象の地平線”というアルバムタイトルありきでライヴタイトルも決めたんですか?

アルバムタイトルと同時並行で考えました。いろんな候補はあったんですよ。アルバムは“次元”ってタイトル候補もあって、俺の中では最終まで残ったぐらいお気に入りで。意味が個人的に好きだったんですよね。“次元”って“二次元”とか“三次元”とかあるじゃないですか。一次元から始まって、二次元で点と線が波形になって映像になるっていう。僕らが書く譜面とか文字がレコーディングして音になって、波形になって、そこからMVとかリリックビデオの映像になって、三次元で僕らがそれを歌って演奏して、四次元で時空を超えてずっとずっとこの先も残り続けて、何十年先も何百年先も残る…そういう曲を書いたつもりでアルバムも作っていたし。で、五次元で全ての理屈をぶっ飛ばして、誰かの生きる意味になったらいいなって。なので、最終まで残ってたんですけど、最終的にタイトルは“事象の地平線”になりました。

“事象の地平線”というタイトルだからこそ、その先へ超えていこうとしてる感じが“地平線”という言葉に表れているように思います。ライヴタイトルは“最下層からの観測”なので、よりいっそう分かりやすい。

そうなんですよ。野音よりも先にアルバムが出るんですけども、実際にアルバムが出て、そこからアルバムが広がっていくためにはちょっとずつちょっとずつ時間が必要で。広まっていくために、その野音がキックオフになるというか、神サイにとっての2022年の幕開けになりそうなんで。野外でライヴできたら夜には星とかも見れるだろうし、そこから“事象の地平線”を望遠鏡で覗いてる感じというか。野音から全てが始まっていくような逆算をして、両方のタイトルを作った感じです。

空が見えるライヴだとその意図が伝わりそう。

なので、ほんと雨だけは降らないでほしいんですよ。

コロナ禍でなかなか神サイのライヴを観れなくて、“やっと行けるぞ!”と思っている人も多いかもしれないですね。

はい。またちょっと変な感じになってきてるけど、やる気しかないですね。この東京と大阪で野音ライヴを想像しながらアルバムの新録曲も作っているし、野音でやっている景色が想像できる曲ばっかりできてきているので、ほんと楽しみですね。

取材:石角友香

配信シングル「イリーガル・ゲーム」2022年1月21日配信開始 Virgin Music
    • ※詳細はオフィシャルHPをチェック

ライヴ情報

『東阪野音Live 2022「最下層からの観測」』
3/20(日) 東京・日比谷野外大音楽堂
4/10(日) 大阪・大阪城音楽堂

神はサイコロを振らない プロフィール

カミハサイコロヲフラナイ:福岡発4人組ロックバンド。2015年結成以降、ライヴシーンのど真ん中で経験値を積み上げる中、19年発表の「夜永唄」が20年にバイラルヒットし、同年7月に配信シングル「泡沫花火」でメジャーシーンへ進出。11月には配信 EP『文化的特異点』をリリースし、12月にはSpotify年間バイラルチャートのTOP10入りを果たす。そして、21年3月にメジャー1st シングル「エーテルの正体」をリリースし、オリコン&ビルボード、ウィークリーチャートでTOP10入りをするなど、シーンでの存在感を目覚ましい勢いで高め続けている。22年3月にはメジャー1stフルアルバム『事象の地平線』を、23年9月には2ndフルアルバム『心海』リリースし、国内有数のフェスラインナップにも名を連ねる。神はサイコロを振らない オフィシャルHP

「イリーガル・ゲーム」
【Official Audio】

OKMusic編集部

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