黒谷友香

黒谷友香

【インタビュー】舞台「あの子より、
私。」黒谷友香、伝えたいのは「人と
比べなくていいんだよということ」

 黒谷友香が主演する舞台「あの子より、私。」が、1月15日から上演される。本作は、人気エリアの“別荘地見学会”を舞台に、こじらせ女子たちが繰り広げる、理想の物件を巡る内見バトルを描く。黒谷のほかに、基俊介(IMPACTors/ジャニーズJr.)、遊井亮子らが出演し、「あの子より、幸せな女に見られたい」と願う大人たちの群像劇を作り上げる。今回は黒谷に本作での役作りや公演への意気込みを聞いた。
-“内見バトル”という面白いシチュエーションをテーマにした作品ですが、出演が決まったときはどんな気持ちでしたか。
 女の人が多い現場なので、楽しみでした。(脚本・演出の)岸本(鮎佳)さんとは初めてご一緒するのですが、女性ならではの目線で作品を作られているので、それもとても面白そうだと思いました。(取材当時)お稽古が始まったばかりですが、すごく楽しい時間が流れているなと思います。
-黒谷さんは今回、絵に描いたような理想的な家族の母親で、カリスマ美容家の兎谷夕美を演じますが、どんな人物だと捉えていますか。
 美容雑誌にも定期的に出ていて、いろいろなメーカーさんとやりとりをして商品開発をしている地位のある女性ですが、意外とおちゃめな部分もあるんです。ファーム事業に興味があるのに、虫に触れなかったり(笑)。女性から憧れられる存在でありながら、天然でかわいらしい面もある女性です。なので、そんなギャップを出せたらいいなと思っています。
-夕美に共感するところは?
 私、虫は触れるんですよ(笑)。なので、そこは全然違いますが、私もハーブを育てたり、2拠点生活をしていたりするので、似ているところは多いと思います。今回、岸本さんがキャストをイメージしてそれぞれの役を書いてくださったので、それぞれのキャストが持っている要素が入ったキャラクターになっていると思います。なので、似ているところがあると思いますし、共感できるところもたくさんあります。
-脚本を読んで、この作品のどんなところに魅力を感じましたか。
 笑えるところもあれば、ホロッとくるところもあって、バランスがすごくいい作品だなと思います。登場する男性キャラも、女の人の理想が入りながらも、現実的なところもあって、女心をくすぐるキャラになっています。こんな世界があったらいいなと、楽しんでもらえる舞台になるんじゃないかなと思いました。
-稽古場の雰囲気はいかがですか。
 すごく和気あいあいとしています。私は、遊井さん以外の方とは初めての共演なんですが、すぐに皆さん、なじめたと思います。それは、岸本さんがそういう空気を作ってくださったから。最初から近い距離でできている気がします。今回は群像劇ということもあり、絡まないキャストがいないということもあって、より一体感があるように思います。
-岸本さんの演出を受けて、どんなことを感じていますか。
 現在(取材当時)、お稽古が始まってまだ3日なのですが、最初に作品の大まかな枠を説明してくださったので、キャスト皆の共通認識が出来上がり、作品を理解するまでのスピードが早まったんじゃないかなと思います。質問やディスカッションにも気軽に応じてくださるので、コミュニケーションも取りやすいです。スタッフさんも含め、一丸となって楽しめる舞台になるなと感じました。
-本作のタイトル「あの子より、私。」にちなんで、黒谷さんは他人と自分を比べてしまうことはありますか。
 それはきっと誰にでもあることだと思いますし、私自身も比べてしまうことはあります。ただ、この作品では、人と比べて「あの子より私の方が…」ということを描きたいわけではないんです。むしろ、「人と比べなくていいんだよ」ということを伝えたいんです。人生の中でたくさんの人と出会って、一緒に過ごしたり、一瞬の時を楽しんだりした経験がその人を作っていく。その時々には、人と比べてしまったり、競走したりすることもあるかもしれませんが、それらを経験したからこそ、自分はいいように変わっていった。そんなことを伝えられたらいいなと思います。
-ところで、本作は黒谷さんにとって新年最初の舞台となりますが、2022年はどんな1年にしたいですか。
 2021年はあっという間に過ぎてしまいましたが、今年もそれ以上のスピードで過ぎていくんだろうなと思います。この舞台でまず、皆さんに作品をお届けすることができますが、その後も、映画でも舞台でもCMでも、いろいろな形で何かをお届けし続けたいと思っています。そして、新しいことにも挑戦できたらと思っています。
-最後に公演を楽しみにしている人たちにメッセージを。
 今回は、東京公演から始まり、2月には大阪でも上演させていただきます。大阪出身ということもあって、大阪の方に会えるのはすごくうれしいです。私が劇中で関西弁を話すシーンもあるので、そこも注目していただきたいです。たくさんの方とお会いできるのを楽しみにしていますので、ぜひ劇場にいらしてください。きっと楽しい時間を過ごせると思います。
(取材・文/嶋田真己)
 舞台「あの子より、私。」は、1月15日〜27日に都内・よみうり大手町ホール、2月5・6日に大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。
公式サイト http://anokoyoriwatashi.com/

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