【水瀬いのり インタビュー】
Dメロからラスサビにかけての
“さらに前を向く感”がポイント
ツアー『We Are Now』の
リベンジを果たした横アリ公演
2月には横浜アリーナでのライヴを収録したBlu-rayがリリースされますね。横浜アリーナでの初の有観客だったわけですがいかがでしたか?
ツアーを通して有観客で行なえることのありがたさを再確認することができました。ファンのみなさんにとっても、同じ空間にいることの意味の大きさを改めて感じていただけるようなツアーになったんじゃないかと思います。“待っていたよ!”という気持ちや“会いたかったよ”という気持ちが、視線やペンライトの光から感じられて、言葉がなくても伝わるものがあることを各会場で実感しました。
初披露の曲がたくさんあったり、配信ライヴの時からのつながりでセンターステージから始まったり、ダブルアンコールがあるなど横浜アリーナならではの部分もたくさんありましたが、水瀬さんの心に残った瞬間はどこですか?
「茜色ノスタルジア」は2018年10月にリリースしたシングル「TRUST IN ETERNITY」のカップリング曲だったので、かなり時間が経ってからみなさんの前で、しかも生バンドで初披露できたことが印象に残っています。だいたいライヴはなぜか毎回5曲目くらいまでは記憶があまりないんですけど(笑)、この時も「思い出のカケラ」や「ソライロ」「茜色ノスタルジア」などミディアムテンポの曲が並んだゾーンでようやく落ち着くことができたような感じで、そこからは少し気持ちに余裕を持ってライヴを楽しめました。
スモークなど幻想的な演出も印象的でした。
「ソライロ」の時は雲の上で歌っているイメージで演出していただいて、「茜色ノスタルジア」は花道を歩く時オレンジ色の夕日っぽいライトを当ててくださって、視覚的にも楽しんでもらえたと思います。
その前には「クリスタライズ」などのダンスゾーンもあったし。
必死すぎて記憶がないゾーンですね(笑)。頭で考えたら踊れなくなりそうだったので、体が覚えていることを疑うことなく、ただただ体を動かし続けていたように思います。と言っても、そんなに激しいダンスというわけではないんですけど(笑)。
アンコールで歌った「僕らは今」にはメッセージを感じました。
横浜アリーナではダブルアンコールがありましたが、ツアーを通してアンコールの最後に歌った曲です。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために全公演中止となってしまったツアー『Inori Minase LIVE TOUR 2020 We Are Now』のリベンジの意味を込めて、「僕らは今」は絶対に最後に歌いたいと。
忘れ物を取りに帰ったような?
そうですね。ツアー『We Are Now』は中止になってしまったけど、予定していたセットリストを公開して、ツアーをやったつもりの気持ちで日々を過ごしていてはいたのですが、みんなと過ごした記憶はないわけで。なので、「僕らは今」を歌ったことで昇華したというか、やっと報われた気持ちでした。『We Are Now』というツアーをただ中止で終わらせるのではなく、“こういうツアーがあった”という証になったと思います。『HELLO HORIZON』のツアーも「僕らは今」の歌詞にもある通り、誰ひとり欠けても実現できなかった…衣装やヘアメイクさんなど、プロフェッショナルのスタッフさんがすごく頑張ってくださったので、スタッフさんの頑張りにも目を向けながら、細かい部分まで巻き戻したり一時停止したりしながら観てほしいです。みなさんもチームの一員という気持ちで観ていただけたら、より心に残るものになるんじゃないかと思います。メイキングやリハーサルの様子も収録されるのでぜひ楽しんでください。そして、次のライヴを楽しみにしていてほしいです。
さて、アーティスト活動7年目の水瀬さんですが、2022年はどんな年にしたいですか?
自分らしくありたいというのは『現実主義勇者の王国 再建記』にも通じるテーマですが、自分がやりたいことや自分がみんなに伝えたいことを、より発信していけたらいいなと思っています。嬉しいことに、偽ったりカッコつけたりせずに自分らしくいる私を好きだと言ってくださる方がたくさんいるので、その点を見失わず成長していきたいですね。あまりプレッシャーになりすぎないように、楽しみながら伸び伸びやって、気づいたら成長していたというのが理想です(笑)。
4枚目のアルバムの制作も発表されていて、こちらも楽しみです。
ありがとうございます。「REAL-EYES」が収録されることはお伝えしていますが、どんな作品、どんな世界観になるのかは今後発表していきますので、楽しみに待っていてください。
アルバムのタイトルも考えないといけませんね。
そうですね。前作『Catch the Rainbow!』(2019年4月発表)が3年近く前なので、前回のことがかなり懐かしいです。いつも最終的に直感で決めていたんですけど、今回は採用されなかったとしても『現実主義勇者の王国再建記』の精神で失敗を恐れず、「REAL-EYES」の歌詞じゃないですけど、“ゼロから那由多まで”めちゃくちゃ考えようかと思います(笑)。
取材:榑林史章
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配信シングル「REAL-EYES」2022年1月9日配信開始
KING RECORDS
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Blu-ray『Inori Minase LIVE TOUR HELLO HORIZON』2022年2月23日発売
KING RECORDS
ミナセイノリ:2010年に『世紀末オカルト学院』(岡本あかり役)で声優デビュー。中学⽣の時、オーディション『アニストテレス』に参加し、第1回⽬のグランプリを受賞。その後、2010年にTVアニメ『世紀末オカルト学院』(岡本あかり役)で声優デビューを果たす。2013年に出演したTVアニメ『恋愛ラボ』をきっかけに演技⼒の⾼さや役幅の広さが⾼く評価されるようになり、10代にして話題作のメインヒロイン役に次々と抜擢されるようになる。そして、キャラクターソングやアニメ・ゲームイベントでのパフォーマンスで、ジャンルを選ばずあらゆる楽曲を歌いこなす歌唱⼒が多くのアニメ/声優ファンを魅了し、歌⼿としての活動にも⼤きな期待が寄せられていた中、15年12⽉2⽇、⼆⼗歳の誕⽣⽇を迎えた記念すべき⽇に、シングル「夢のつぼみ」で待望の歌⼿デビューを果たす。日本武道館、横浜アリーナ、ぴあアリーナMMなどアリーナクラスの大会場で単独公演を成功させ、音楽活動の面でも常に大きな注目が寄せられている。水瀬いのり オフィシャルHP
「REAL-EYES」MV