EXILEが
ダンス&ヴォーカルグループとして
天下を獲った理由を
『our style』に見出す
自らのスタンスがあふれたリリック
《結果(こたえ)を恐れて 指をくわえてないか?/見てるだけじゃなにひとつ 変えられやしないさ》《Feel it! ほしいものと 似合うものは/確かに違うこともある/けれどできるだけのことを/やり尽くしたの?》《できるわけがないよ、届くわけがないよ/なにもしないうちから 決めつけてやしないか?》《こみあげてくる 胸の鼓動がいま/抑えきれないくらい熱くなる/冗談じゃないよ ぼくの未来さ/この手で描いていく》(M3「Heat Beats」)。
《たった一度だけでいい/自分に納得したいだけ/カッコなんてどうでもいい/今度だけはまけたくないよ》《いまは何が正しいのか わからないけど Oh》《まだ逃げそうになる/限られた時の中/期待してるだけじゃ/理想のカタチ近づけやしない》《悩んだ日々は 決してムダにはしない Oh》(M5「eyes in maze」)。
《飛び交うエゴに振り回されて/ウンザリでも 運命だけは逃げたくない》《Do The Basic 戻れ原点まで/脇目ふらず駆け抜けた頃に/Do The Basic 弾みつけたら/Game again and we gonna be alright》《永遠に続く魂のRACE/限界でも 本能だけは止めたくない》《Do The Basic 急がば回れ/突破口はそうさ自分自身の中に/Do The Basic 覚悟できたら/Game again and we gonna be alright》(M6「D・T・B」)。
《なんだってそう 欲しけりゃ賭けなきゃかなわない》《いまここにある想いが/それを越えたなら/臆病になる弱さを/越えたらできるさ》《揺れながら 迷いながら/誰も生きている/けど答え決めることは/君しかできない》(M11「Feel the Conflict」)。
《ジョウシキ、だとか/タテマエ、だとか/縛りばかり多いけど/それで全てが/流れてるなら/いまの世の中矛盾だらけさ》《時にはうまくすりぬけ/時には破り捨てても/かまわない覚悟がなきゃ/そう 何もできない》《Breakin' rules so/そんなヤツラはざらにいるだろ?/すました顔してながら/その裏で嗤ってる/Break a rule why?/そんな目をして見たりするなよ/イヤなら好きにすりゃいい/降りてくれ 一人きりでもやる》(M13「VIOLATION」)。
リスナーへのメッセージであるばかりか、社会全体への提言でもあるようだし、何なら自らの姿勢を見つめ直し、士気を鼓舞している内容と受け取ることもできる。そう考えると、『our style』というアルバムタイトルにも納得というか、初期EXILEの心意気を凝縮したものととらえられる。今回、本作を聴いて、EXILEはそれをまさに有言実行したことを改めて理解したし、日本の芸能に金字塔を打ち立てたそのすごさをダメ押しされたような想いだ。
TEXT:帆苅智之