我儘ラキア 初の東名阪Zeppワンマン
で掴んだ手応えと自信、そして新たな
約束「我儘ラキアはじめます」

我儘ラキア『SUPERIORITY TOUR』2021.12.07 Zepp Haneda
12月7日(火)、我儘ラキアが今年6月にリリースしたミニアルバム『SUPERIORITY』を掲げた全国ツアー『SUPERIORITY TOUR』東京公演をZepp Hanedaで行った。10月16日、静岡・浜松窓枠を皮切りに全国6箇所のライブハウスを回り、東名阪は自身初となるZepp会場でのワンマンを行ったこのツアー。ライブハウスで鍛え上げた新曲たちを軸としたセットリスト、バンドセットとダンサーを率いた最強チームで挑んだZeppワンマンは、会場の大きさに危うさなど全く感じさせない、個々の成長とグループのたくましさを増した最新型の我儘ラキアを見せるステージとなった。
我儘ラキア
我儘ラキア
新鮮さやヒリヒリした緊張感もありながら、堂々としたパフォーマンスにより、すでにライブ定番曲といった印象を受けた「JOKER」、「FUTURES」と『SUPERIORITY』収録の新曲たちで会場を沸かせた序盤戦。重厚なバンドサウンド、映像や照明も効果的に使った演出も圧巻だったが、特に驚かされたのは星熊南巫の圧倒的な存在感。広い会場に動ずることなくどっしり構えてフロアを見据え、放つ歌声で聴く者の心を確実に撃ち抜くロックスター然とした姿は貫禄さえ感じた。もちろん、切れ味鋭い高速ラップで追撃するMIRI、キュートでパワフルなダンスで支える川﨑怜奈と海羽凜も負けじと輝きを放ち、結果としてグループとしてたくましさや強靭さ、求心力がグッと増している印象に繋がるのだが。序盤は星熊の成長のエグさに、気づくと星熊に目がいっていたというのが正直なところ。
「女とか男とか、アイドルとかバンドとか、しょうもないしがらみをぶっ壊して。この最高の仲間たちと新しい時代を作っていきます。アイドルを背負って、アイドルロック業界を脅かすような存在に自分たちがなっていくので、よろしくお願いします!」と星熊が力強く宣言して始まった「GIRLS」ではレザービームが飛び交う中、ダンサーを率いた華やかでダイナミックなステージで観客を魅了。グルーヴィーな演奏に乗せたパワフルかつ妖艶な歌とパフォーマンスは星熊の宣言通り、しょうもないしがらみをぶっ壊して新しい時代を作る覚悟と自信に溢れていた。
我儘ラキア
我儘ラキア
ソロコーナーでは、MIRIが「自分を偽らず、いまのネガティブな気持ちを全部歌詞にして出そう。そして、このネガティブな気持ちを全部捨てようと思って書いた曲です」と語る「FLYING」をたっぷり気持ちを込めた丁寧なラップで届けると、海羽が「自分で作詞をして、みなさんの前で披露することはすごく勇気がいることだと改めて気付いて。私も自分に出来ることを精一杯届けていけるように頑張ります」と意思表明をして、自身作詞による「oneroom」を美しく繊細な歌声で披露。ソロプロジェクトの始動を発表したばかりの星熊はゲストにギタリストのDAIDAI(Paledusk)と青いクマちゃんを迎え、DEATHNYANNとして登場。DEATHNYANNが攻撃的なサウンドと美しく切ないメロディが絡み合う「illumina」で独創的な世界観を描くと、川﨑はダンサーを引き連れて、星熊とは対照的とも言える明るい笑顔とアグレッシブなダンスパフォーマンスで魅了。再び4人がステージに揃い後半戦が始まると、ソロコーナーで個々の異なる個性や魅力を再確認したことで、さらなる深みや説得力をもって見えることに気付く。
MIRI
海羽凜
星熊南巫
川﨑怜奈
「reflection」、「Leaving」などライブ定番曲に観客がジャンプや振り付けを合わせてフロアが熱気立つとメンバーに自然と笑顔が浮かび、序盤のヒリヒリした緊張感とは異なる楽しい雰囲気が会場を包む。「どんなカッコいい曲をリリースしても、この曲が聴きたいって言われます。我儘ラキアの始まりの歌、やるからにはゼッタイ盛り上がって下さい」と披露した「ゼッタイカクメイ」に拳を突き上げるフロアから聴こえるはずのない掛け声や合唱が聴こえて来ると、「またみんなで歌える日が来ますように」と願いを込めて歌った「The Reason」では、歌声代わりの熱く優しく温かい手拍子が会場中に響いた。
MCでは星熊がファンへの感謝を伝えると、「弱い自分だから言います。誰かの言いなりにならないで下さい。自分の本当にやりたいことはなんですか? 諦めかけてることはなんですか? 諦めずに一緒に未来に向かっていけたらいいなと思って、この曲を歌わせてもらいます」と熱いメッセージを送り、「FLASHBACKS」を披露。静かに美しく始まり、やがて壮大に力強く、たっぷり気持ちを込めた4人の歌声はあまりにエモーショナルで、ギュッと胸を締め付けられた。またライブ終盤、「一歩一歩、自分の大切な日々を歩んで行って下さい」と始まり、明るく前向きなメッセージを届けた「JOUNEY」では楽しそうな笑顔を浮かべて歌う4人に、初のZeppワンマンで掴んだ手応えと自信、そしてこの先に大きく広がる新たな地平への期待を感じた。
我儘ラキア
我儘ラキア
「Zeppはアイドル始める前に色んなバンドを観に来た、夢の詰まった場所。時間はかかったけど、いまこうしてZeppに立てたことを誇りに思います。ここまで応援してくれたみんな、ホンットにありがとうございます! これから、もっと色んなデッカイ景色を必ず見せます。アイドルの概念変えていきます!!」と星熊が想いを告げ、オーディエンスが灯すスマホの光が星空のようにきらめく中、しっかり歌い上げた「One」は実に美しく感動的。<僕が君を連れていくから>と歌う「There is surely tomorrow」も明日への希望に満ちていて、我儘ラキアのさらなる躍進、スケール感の増したステージを期待させた。
『SUPERIORITY TOUR』は、本日12月30日(木)ファイナルとなる名古屋・Zepp Nagoyaで無事終幕。2021年はコロナ禍も決して諦めることなく闘い続け、メンバーやファンとの絆やグループの強靭さを増した我儘ラキア。2022年のさらなる快進撃も楽しみだ。
取材・文=フジジュン 撮影=Rui Hashimoto
我儘ラキア

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