[Alexandros]・川上洋平、初ソロアコ
ースティックライブの公式ライブレポ
ート到着

12月25日に開催された[Alexandros]・川上洋平(Vo/Gt)ソロアコースティックライブ『Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic』のオフィシャルレポートが到着した。

ワンマンでスタジアムクラスの会場を埋め、巨大フェスのメインステージのトリを飾る屈指のライブバンド、[Alexandros]。そのフロントマン&コンポーザーであるボーカル&ギター、川上洋平が12月24日 と25日の2日間、初のソロアコースティックライブ『Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic』を天王洲・寺田倉庫E HALLで行った。その2日目、25日のライブレポートをお届けする。
25日はライブの前に川上のレギュラーラジオ番組『おと、をかし』初の公開生放送である『Panasonic presents おと、をかし~クリスマスに生放送という#センタク~』が行われた。
初の公開生放送は全編生演奏。ソロライブのステージセットに座った川上が次々と美声を披露していく。本人曰く「ライブもあるのでリハーサルを兼ねて(笑)」、「SNOW SOUND」「ワタリドリ」「Girl A」「閃光」といった人気曲を少しずつアコギ1本で演奏。無料招待に当選した100名のオーディエンスから熱い拍手が送られる。
演奏の合間に番組公式Twitterに寄せられたメッセージをチェックし、それに応えるという生放送ならではのライブ感満載であっという間に終了。なお、次回の『おと、をかし』のオンエアは2022年1月1日。2月16日に発売される新曲「Rock The World」が初めてオンエアされるとのこと。また、生放送後には12月31日に配信される「おと、をかし for AuDee」の収録も実施。川上の念願の冠レギュラー番組は2022年も発展していきそうだ。
ラジオ番組『Panasonic presents おと、をかし~クリスマスに生放送という#センタク~』 撮影=かわどう
ラジオ番組『Panasonic presents おと、をかし~クリスマスに生放送という#センタク~』 撮影=かわどう
19時になり、[Alexandros]のオフィシャルファンクラブ[Alexandros]CREW会員の中から運良くチケットを手に入れたオーディエンスが今か今かと待ち受ける中、川上がふらっとステージに現れる。ホテルの一室を思わせる空間を温かみのあるライトが照らし、まずは、[Alexandros]のサードアルバム『Schwarzenegger』のラストを飾る名曲「真夜中」から。センチメンタルな歌とアコギの音だけが響く。次の曲の胸が高鳴るような旋律を奏でながら、「今日は来てくれてありがとう」と呟くように口にし、JR東日本2016-2017 SKISKI CMソング「SNOW SOUND」へ。[Alexandros]の楽曲の中では珍しくストレートなラブソングであり、随一のウィンターソングだ。
「クリスマスということで本当は予定があると思うんですが来てくれてありがとうございます(笑)」。今回のライブタイトルに付けられた665という数字について話し始める。白夜の逆の極夜というのがあり、それは緯度が66.5度の場所で起きるずっと太陽が出ない現象なのだと。つまり、「終わらない夜を一緒に過ごしたい」という川上の思いが込められている。
川上の作曲は元々は主にアコギ一本で行われる。スピーディーで疾走感のあるいつもの「city」とは違う、しっとりとした「city」が演奏され、その素顔の魅力を知ると同時に、バンドの肉付けによってまた新たな魅力を宿しているのだと[Alexandros]のアレンジ力にも改めて感心させられる。「Famous Day」を演奏し、「激しい曲がこんな風になるんだっていうのが面白いでしょ?(笑)アコースティックならでは、です」といたずらっ子のような表情を浮かべる川上。「Kids」も性急なギターのカッティングとボーカリゼーションで痛快にドライブしていく。
Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic 撮影=かわどう
Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic 撮影=かわどう

Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic 撮影=かわどう

「初のソロライブ、めちゃくちゃ楽しいです。アコギ1本でやるのはデビューして初めてだし、この寺田倉庫のE HALLでライブが開催されるのも初めてだそうで、光栄です」。アコギを爪弾きながら今年のことを振り変える中で、「俺がドラマに出演してたことみんなもう忘れてんじゃないですか?(笑)」と言った後、川上の初出演日本テレビ系ドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない‼』の主題歌である、川上が作曲し、脚本家の北川悦吏子が作詞を手がけ、家入レオが歌唱を担当した「空と青」のセルフカバーを初披露。
ファンクラブ会員からのリクエストコーナーに突入。「Stimulator」をリクエストするメッセージに対し、「アコギで弾く曲じゃない」と苦笑いしながらも1フレーズ披露したり、「これはアコギっぽい」とご満悦な表情を浮かびつつの「Leaving Grepefruits」や、「これはセトリに入ってないんで入れちゃいましょう」と言って「ワタリドリ」を披露したり、「Kick&Spin」の演奏の難易度の高さに「俺がライブでハンドマイクになるのわかるでしょ?」(笑)」と問いかける等、大盤振る舞いだ。
Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic 撮影=かわどう

Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic 撮影=かわどう
Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic 撮影=かわどう

「激しめの曲も元々はアコギで作ってます。次の曲もアコギでニューヨークで作りました。出てきた瞬間、そのリフを弾きまくった」という「Mosquito Bite」へ。激しいギターのカッティングの応酬と伸びのあるボーカリゼーションが炸裂する。矢継ぎ早に言葉を吐き出すボーカルゼーションが面白いように決まっていった「Beast」、そして「Girl A」。“アコースティックライブ”と銘打ちながらも、しっとりした方向では終わらないのが川上洋平ならではだ。
「曲が生まれた時にどんな顔、体だったかを知ってほしかった。それは俺しか知らないから。本当の素顔を制作者としては知ってほしかった」と、今回のライブの趣旨を説明。「Starrrrrrr」はコロナ禍でリモートで制作されたコンセプトアルバム『Bedroom Joule』バージョンからスタートし、途中でオリジナルの激しいバージョンに変わるという凝りようだった。
川上のボーカリストとしての力量、メロディメイカーとしての力量を特に痛感したのが2021年に発表した唯一のシングル曲「閃光」だ。眩い光を放ちながらどこまでも伸びていくメロディと歌の素晴らしさは息を呑む程だった。
「バンドは『For Freedom』から始まったかもしれないけど、作曲家としての自分はこの曲から始まってます」と話し、アコギ1本でも様々なアレンジが盛り込まれとても聴き応えがあった「untitled」で本編は締め括られた。名残惜しそうに客席各所に笑顔で手を振り、去っていく。
Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic 撮影=かわどう
Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic 撮影=かわどう
アンコールで再び登場した川上は、充実した会報誌の刊行等を行っているファンクラブのプロデューサー、アライ氏を呼び込む。昔川上がやっていて、現在は今年加入したリアド偉武がやっている「100問100答」企画をライブの2日間で限定的に復活。ファンから寄せられた質問に川上が次々と答えていく。川上洋平節炸裂の回答に、会場の温度がさらに上がる。
[Alexandros]には欠かせない存在であるTHE LED SNAILのキーボーディスト、ROSÉを招き入れ、川上が「昨日は3曲やったけど1曲増やそうかな」と口にし、大きな拍手があがる。クリスマスソング「Have Yourself A Merry Little Christmas」のカバーを披露し、クリスマスムードが高まる。サビ以外は未完成の新曲「日々、織々」、「Rock The World」と新曲を立て続けに披露。「日々、織々」はパナソニック洗濯機と花王アタックがタッグを組んだ『「#センタク」プロジェクト』のテーマソングとして書き下ろされた楽曲で、「Rock The World」は2022年公開のアニメーション映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』の主題歌として書き下ろされた楽曲。両タイトルは2022年2月16日にシングルリリースが決定している。フレッシュなワクワク感が漲っており、2022年の[Alexandros]のさらなる躍進を予感させる。
さらに、「[Alexandros]ファンはこの曲を聴かないと年を越せないのでは?」というくらいの年末の定番ソング「12/26以降の年末ソング」を。ROSÉを送り出したところで川上から「こういったライブを来年は東名阪くらいでやれたらいいよね、とスタッフとも話してます」と嬉しい言葉が聞かれた。
「2日間歌いまくってるけどこれだったらあと4日間くらいできるんじゃないかな」というタフなボーカリストとしての一面を垣間見せた後、最後はコンポーザーとしての矜持が込められた「Your Song」を披露。
栄光も深い傷も宿しながら、必ず強い希望に向かっていく川上の楽曲における歌とメロディのむき出しの強さをこれでもかと感じたスペシャルな夜だった。
Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic 撮影=かわどう

Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA supported by Panasonic 撮影=かわどう

文=小松香里

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