石崎ひゅーい

石崎ひゅーい

【石崎ひゅーい インタビュー】
どんな時でも
僕の側には音楽がいてくれる

“シンプルな言葉で歌を作る”
というのが最近の僕のテーマ

続くカントリー調のリズムにコーラスはコール&レスポンスでライヴが盛り上がりそうな「Oh My エンジェル!」は、歌詞もさまざまなワードが散りばめられていますが、一貫してやさしさもありますね。

この曲はデビュー当時に書いた曲で、今回のアルバムの中では一番古い曲になります。アルバムを作っていく中で、とにかく雑食な内容というか、幅の広いものにしたいと思っていて、その中で他の曲とは毛色が違うものを探していたら“あった!”って感じです(笑)。歌詞のアプローチも今の僕からは出てこなさそうで、それも含めていいなと思って選曲しました。

サッポロ生ビール黒ラベル七夕企画のテーマソング「ブラックスター」ですが、ニュース記事で“黒ラベルをイメージしたオリジナル楽曲”と記載されていました。『黒ラベル』とのコラボレーションは正直言って、驚かれたのではないですか? 『黒ラベル』のイメージからここまで、お洒落で爽快な楽曲を制作される石崎さんの才能に感服しまして。

そうですね。CMに出てビールを飲む日がくるとは全然想像していなかったのでびっくりでしたよ。ただ、曲の制作に関しては、僕の中で“星と黒って言ったら、やっぱり憧れのデヴィッド・ボウイじゃん!”という気持ちがあって、比較的悩まずに作れた気がします。サウンド面でもトオミさんと新しいアプローチができたと思いますね。

6曲目は『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』の主題歌「Namida」。2019年のリリース当初も心を揺るがす力がある楽曲だと思っていましたが、コロナ禍で聴くからこそ、歌詞の力やサウンドの力が増していると感じました。アルバム収録にあたり、石崎さんはこの曲をどのような位置づけでとらえられましたか?

“シンプルな言葉で歌を作る”というのが最近の僕のテーマになっているのですが、「Namida」を作っている時もとにかく寄り道をしないで一直線に届くような歌を作るという意識が強かったです。社会全体の情報量がどんどん多くなっていき、音楽シーンの流行もめちゃくちゃ早く移り変わる…今はそんな時代だと思っているんですけど、その激流の中で僕は歌にしがみついていたいと思っていて。歌を届けるためにソングライティングの段階から余計な汚れを落として、しっかり磨いていけば、届くはずだと信じているんです。そういう意味でのシンプルさを今も目指していて。そんな自分自身のこれからの指針になる曲だと思います。

そして、ダンサブルなブラックミュージック調の「パラサイト」は、ボルテージを一気に上げられました。最後のユニゾンヴォイスで終わるところも鳥肌が立ちましたし、この曲には石崎さんの“遊び”というか“自由さ”を感じたのですが、この曲はどのように制作されたのでしょうか?

今回のアルバム制作の最後に作った曲です。アルバム全体を見た時に要素として足りないと感じていた部分があって、それがきっと“遊び”でもあり“危うさ”みたいなものでもあるのかなと思いながら制作していました。サウンド的にも攻めたものにしようと最初から思っていて、バキバキのリズムトラックを選ぶところからスタートしたんです。あと、“ダイヤモンド”というアルバムタイトルが決まったあとに書いた歌でもあったし、ダイヤモンドを見つけたり、渡したりしたいという表現はすでに揃っていたから、あとは“盗んじゃおう”と。そんなイメージで作った曲です。

シングルとしてもリリースされたTVアニメ『歌舞伎町シャーロック』EDテーマである壮大なバラード曲「パレード」が続き、9曲目はガレージロック調のカッコ良い楽曲「ジュノ」ですが、率直にうかがいますと“ジュノ”とは人物でしょうか? それとも感情なのでしょうか?

“ジュノ”は木星探査機のジュノーからきた言葉です。この曲は自分が見た夢をきっかけに作っていて。当時住んでいた家が室内にいても周りがうるさくて、毎晩うなされていたんですよ。眠りが浅かったからか夢をよく見ていたんですけど、その日はNASAで働いていた友達と宇宙の話をしていたら、ジュノーの話題で盛り上がったんです。そんな影響があってか、夢に出てきた子の名前を僕が“ジュノ”って呼んでいて。素敵な夢だったから、起きた瞬間にノートにバーっと覚えていることを全て書いて、そのままを歌にしました。

素敵なエピソードですね。続く「アヤメ」は冒頭の弾き語りから涙が浮かんできてしまうほど感動しました。テレビ朝日木曜ミステリー『警視庁・捜査一課長』の主題歌であり、ドラマ自体も長く続いているので、多くの反響があったのではないでしょうか?

そうですね。“距離があっても、どんな状況でもあなたのことを想っているよ”という気持ちが伝わった感覚がありました。そういう気持ちをちゃんとあのタイミングで伝えるということが、僕にとっても重要でしたね。

OKMusic編集部

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