値上げした青春18きっぷに鉄道ファン
が歓喜するワケ

中年が使ってもいい青春18きっぷ

 新幹線や飛行機に乗って、急いで目的地に向かうことを考えている人には全く関係ないシロモノだといえるのが、1982年3月の国鉄時代に販売を開始した「青春18きっぷ」(当時は「青春18のびのびきっぷ」だった)。
 学生が長期の休みに入る春、夏、冬の季節に発売し、春と冬は1カ月程度。夏は1カ月半ぐらいの期間に渡り利用できる激安きっぷ。新幹線や特急列車、急行列車には乗車できないがJR全線の普通列車や快速列車の自由席、一部のフェリーとBRTなどに1日乗り放題となる特別企画乗車券(通称とくとくきっぷ)が5枚。1人で5枚使って何日かに分けて使うも、5人で1枚ずつ使うも自由。これで1万1500円はお得で、人気のきっぷとなっている。
 ちなみに、時間がある学生の時にしか使えないきっぷのようにも思えるので「青春18」というフレーズがあるのだろうが、中年になろうが老人になろうがこのきっぷは使える。

値上げしたのに歓迎する鉄道ファン

 しかし、今年4月の消費税アップに伴い350円値上がりし、この夏からは1万1850円での販売となった。値上がりしたと聞けば、反対する意見が出てくるハズが、この値上げにはなぜか安堵の声が多かったのだ。
「350円程度の値上がりなら致し方ない」「まあ許容範囲ではないか」「いいのではないでしょうか」などなど。
 このような声が多いのにはある訳がある。過去に国鉄からJRに変わったときや消費税が導入されたとき、または前回の消費税アップのときに「青春18きっぷ」が廃止になるのではという噂が流れて、その都度ファンはドキドキさせられていたのだ。
 そしてまた今回も同じように、JR側が廃止を考えているのでは? という話がまことしやかに流れたりしていたので、遂に廃止になるのか!? と考えていた人が多かった。それが350円値上げが発表されたので「350円程度の値上げなら全然良いよ」とファンは胸をなで下ろしているらしい。
「青春18きっぷ」って年間25万枚ぐらいは販売されてる実績あるから、JR側も廃止って判断はしないような気もするけど…。

(文・旅人世之介)

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