なぜ新宿駅南口の自殺は火だるまにな
ったのか

新宿駅南口の衝撃的な事件

 6月29日、新宿南口で衝撃的な事件が起きた。安倍政権の集団的自衛権の在り方を批判して、ひとりの男が白昼の新宿南口で焼身自殺を図ったのだ。
 件の男は政治活動家と見られているが、過去にもベトナム人僧侶が、政府の仏教徒の迫害政策に抗議し、焼身自殺を図っている。  
   しかし、なぜ政治的意図をもって自殺する人は、焼身自殺を選ぶのか? それは焼身自殺がもっとも悲惨で過酷な自殺の方法だからである。彼らは、自ら壮絶な最期を選ぶことによって、自分の訴えを伝えようとするのだ。

自殺は良いことではない

 だが、安直な自殺は賞賛されるものではない。
 睡眠薬の過剰摂取などによる薬物自殺は、致死量を間違うと死にきれずもがき苦しむ。生存時後遺症が残るケースも多いため、現在ではあまり見られない。飛び降りは高層ビルなどの高所から飛び降りれば、地面と接触する前に失神してしまうが、衆目に晒されること、また、地上を行き来する人と接触した場合その人を巻き込んでしまうこともある。首吊りは見た目より難易度が高く、頑丈な道具と知識が要る。また、直前に恐怖感が勝ってしまうと、自力で脱出することも可能だ。
 一時期ブームとなっていた練炭自殺。しかしニュースが増えると、近所に不審な車が駐車しているなどと通報されるようになってしまう。また、練炭自殺は長時間かけて衰弱していくので、通報によって一命を取り留めたケースも多い。

 いっさいの苦痛を伴わず死ぬことはできない。その恐怖心で、死にたいと願う人も、寸前のところで思いとどまるのだ。そのような恐怖心や前準備に追われるよりも、生きて悩みの根源を解決する方が、よっぽど簡単なことだとわかるだろう。

(文・角刈りハーブティー)

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