『マトリックス レザレクションズ』(C)2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED

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【コラム】ビッグネームがそろった2
022年の正月映画を一挙紹介!

 間もなくお正月映画のシーズンが到来。そこで、注目作をまとめてみた。この秋の映画興行はハリウッド映画の完全復活を印象づけたが、お正月のラインアップも負けていない。人気シリーズやテレビドラマの映画化など今冬もブランド名の立った話題作がそろい踏みだ。寒さもコロナも蹴散らして、映画館へGO!
★外国映画編
 まず外国映画から。本来であれば、巨匠スティーブン・スピルバーグが名作ミュージカルをリメークした『ウエスト・サイド・ストーリー』と、18年ぶりのシリーズ復活となる『マトリックス レザレクションズ』(12月17日公開)の一騎打ちとなるはずだった。ところが、11月も半ばになってから『ウエスト・サイド・ストーリー』の公開延期の知らせが飛び込んできた。そうなると、『マトリックス』一人勝ちの可能性もあり得る。
 SF映画に革命を起こしたシリーズの第4弾で、主演のキアヌ・リーブスをはじめ、主要キャストのほとんどが再集結し、内容的には3作目ではなく1作目の続編とのこと。もし、まだ仮想現実に支配された世界のままで、ネオ(リーブス)も救世主ではなかったとしたら? ただし、“18年ぶり”というのは大き過ぎる懸念材料かもしれない。
 対抗馬となるのは、2017年に大ヒットしたドリームワークス・アニメの続編『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』(12月17日公開)だろう。前作から25年後を舞台に、赤ちゃんたちを洗脳して世界征服をもくろむ天才博士の悪だくみに立ち向かう。
 続編では、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(12月3日公開)もあなどれない。スパイダーマン(シリーズ最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が来年1月7日公開)の宿敵を主人公にしたダークヒーローもので、今回はヴェノムの血液によって怪物化した連続殺人鬼と死闘を繰り広げる。
 さらに、大ヒット・スパイ活劇のエピソードゼロ『キングスマン:ファースト・エージェント』(12月24日公開)も、3度目の正直で今冬のお正月映画としてようやく日の目を見そうだ。
 シリーズもの以外では、『キャロル』の鬼才トッド・ヘインズが大企業による環境汚染問題を真正面から描く社会派作品『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』(12月17日公開)がイチオシ。
 期待の若手女優トーマシン・マッケンジー×アニャ・テイラー=ジョイが競演する『ラストナイト・イン・ソーホー』(12月10日公開)は、『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト監督による1960年代の空気感が見事な迷宮ホラーだ。
 他にも、ロザムンド・パイクがゴールデングローブ賞で主演女優賞を獲得したスリラー『パーフェクト・ケア』(12月3日公開)、『ナチュラルウーマン』で知られるチリの俊英セバスティアン・レリオが自作をハリウッドでリメークした『グロリア 永遠の青春』(12月3日公開)、フランスの鬼才ブリュノ・デュモンがジャンヌ・ダルクの生涯を2部作で描く史劇『ジャネット』『ジャンヌ』(12月11日公開)などが正月のスクリーンを彩る。
★日本映画編
 日本映画も有名ブランドがそろった。まず、松本潤主演の人気リーガル・ドラマの劇場版『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』(12月30日公開)。0.1%の無罪の可能性にこだわる型破り&ベテラン弁護士コンビ(松本&香川照之)が映画で挑むのは、15年前に起きた毒物ワイン事件だ。新ヒロインを杉咲花が務め、西島秀俊ら豪華ゲストも登場する。
 同じく、『あなたの番です 劇場版』(12月10日公開)は、原田知世、田中圭らテレビ版のキャストが集結し、テレビとはパラレルワールドの連続殺人事件が描かれる。
 さらに、『映画演劇 サクセス荘 侵略者Sと西荻窪の奇跡』(12月31日公開)もテレビの連ドラの劇場版だ。
 アニメなら、何といっても『劇場版 呪術廻戦0』(12月24日公開)だろう。原作漫画の前日談となる「呪術廻戦0巻 東京都立呪術高等専門学校」を基にしている。
 神尾楓珠×山田杏奈共演の『彼女が好きなものは』(12月3日公開)は、ドラマの劇場版ではないが、NHKドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」にもなった浅原ナオトの小説の映画化。多様性の時代を生きる上で必要なことを教えてくれる青春ラブストーリーだ。
 北村匠海主演『明け方の若者たち』(12月31日公開)も青春の痛みに満ちたラブストーリー。東京を舞台に、若者たちの等身大の挫折や葛藤、恋模様が描かれる。
 安田顕主演『私はいったい、何と闘っているのか』(12月17日公開)は、つぶやきシローの小説を原作に、平凡な主人公の日々の奮闘と家族愛をユーモラスに活写する。
 柳内大樹のヤンキー漫画に基づく『軍艦少年』(12月10日公開)は、軍艦島が見える長崎の町に住む高校生の息子(佐藤寛太)とラーメン店を営む父親(加藤雅也)の喪失と再生の物語。
 そして、ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)に輝いた『偶然と想像』(12月17日公開)も見逃せない。フランスのエリック・ロメール作品を思わせる女性映画の短編集で、シンプルなのに深い会話劇は世界が認める濱口竜介監督の真骨頂! 他にも、お正月の注目作はまだまだいっぱい。果たして、この冬を制するのは? (外山真也)

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