「そもそもとしてモンハンの一番の魅力であり特徴は、ユーザー同士が協力してモンスターを倒す『協調型』のゲームである、というところにあります。他のゲーム、例えばテニスのゲームであれば、こちらは『競争型』になるので、どうしても勝ち負けが出てしまい、負けた方は悔しい気持ちで終わります。しかしモンハンは『相手を倒せなかった』ということよりも、みんなで協力して一つのことをやり遂げた達成感が残るのですよ」(内藤先生)

モンハンが対戦型ゲームと一番違うところは、「相手に勝つ・倒すこと」そのものよりも、「一緒に釜の飯を食って戦った」という仲間意識と連帯感を感じられるところにあると内藤先生は指摘する。

「ウエスタンワシントン大学のジェームス・グラハムが20組のカップルを調べたところ、スキーやテニスなど二人で共通の活動をしているカップルほど仲が良いことが分かっています」(内藤先生)

共通の趣味を持ち、一つのことを一緒に成し遂げることは、人間関係を深める大きな要因になるとのこと。

「一緒に何かをやることで相手への好感度がアップするという研究は、先ほど述べたウエスタン大学の研究以外にもいろいろあります。カナダのオタワ大学のナタリー・リカルドの研究によれば、ダンスの練習をしているパートナーを調べた際、休憩中のカップルよりも実際に練習をしているカップルの方が相手に対しての好感度が高い、という結果が出ています。誰かと同じ活動をしている時は、相手への気持ちや思いやりも高まるものなのです」(内藤先生)

現代の日本の子どもたちは、昔と違って公園で遅くまで一緒になって遊んだり、ガキ大将が中心になって遊びを作ったり冒険するという機会がどんどん減っています。そのため今の日本ではこういった協調型ゲームが、遊びの中から「一緒に何かをする達成感」を学ぶための一つ機会を提供していると言えるのでしょうね。

【内藤 誼人(ないとう よしひと)】心理学者。立正大学特任講師。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。有限会社アンギルド代表取締役。「『人たらし』のブラック心理術」「人は『暗示』で9割動く!」他、著書多数。

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