アニメ『SHAMAN KING ~恐山ル・ヴ
ォワール編〜』を語る 日笠陽子×林
原めぐみ×田中秀幸オフィシャルイン
タビュー

テレビ東京系で放送中のTVアニメ『SHAMAN KING』。先日「恐山ル・ヴォワール編」も放映された本作に対してキャストの日笠陽子(麻倉 葉役)、林原めぐみ(恐山アンナ役)、田中秀幸(マタムネ役)への公式インタビューが行われた。以下、公式インタビューの内容を引用して掲載する。

日笠陽子(麻倉 葉役)、林原めぐみ(恐山アンナ役)、田中秀幸(マタムネ役)公式インタビュー
『SHAMAN KING』~恐山ル・ヴォワール編~ ビジュアル (c)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京
「恐山ル・ヴォワール編」は、葉とアンナの出会いを描く人気のエピソード。今より少し幼い5年前の葉とアンナ、そして葉の初めての持霊・マタムネとの出会いと別れを描き、麻倉葉王の愛猫だったマタムネが、1000年に渡りこの世を彷徨うことになった強い後悔の念と麻倉葉王への切ない思いを活写する。
約20年ぶりにマタムネを演じた田中は本作への出演について「『SHAMAN KING』はとても好きな作品であり、マタムネも好きなキャラクターでした。ですので出演が決まったときは嬉しかったですね」と笑みを浮かべた。ただプレッシャーも大きかったと明かす。
「すでに出来上がっているキャラクターですので、(前回を)踏襲するということもありますが、20年を経て再び演じるからには、表現者として前より良くなっていないと悲しいではないですか。なので、そのプレッシャーがすごかったです」
田中が演じるマタムネについて「圧倒的なマタムネ感」と表現する林原。コロナ禍での収録ではあったものの、3人一緒に収録できたとのこと。しかし、日笠と林原はパネル越しで隣同士に立ち、田中はひとり壁に囲われたブースに入り、アフレコが行われたと明かす。
「制限のあるアフレコに救われたといいますか、傍にいるようでいない、手が届くようで届かない、でも近くに感じるという雰囲気中での収録が、この『恐山ル・ヴォワール編』では、奇跡のように感じました」と告白。
田中は音響監督の「三間(雅文)さんの計算ですね(笑)」と笑う。
日笠も「マタムネが傍にいるような、いないような感覚があった」と明かした一方で、隣同士だった林原さんにも感じるものがあったという。
「パネルを挟んでいても、林原さん演じるアンナの痛みがビリビリ伝わってくるような感じがあり、鳥肌が立ちました」と振り返りった。
そのマタムネについて、田中は「マタムネはよくしゃべる。3日間でどんだけしゃべるんだという感じ」と笑い、さらに「名言おじさんですよ」とも。田中の発言に林原は「1000年分の思いがあるんですよね。本で蓄えてきた知識と、1000年の経験値の中で培ってきた説得力がすごいんです」と、“名言おじさん” のありがたみを力説した。
『SHAMAN KING』の数あるエピソードの中でも、多くの支持を集めるのがこの「恐山ル・ヴォワール編」。読者からの支持を集める理由について問うと、三者三様の言葉が返ってきた。
田中は「(葉とアンナの)出会いの話だからというのもあると思います」といい、加えて「正義とはなんだ、愛とはなんだ、優しさとはなんだと人間の根底にあるものを突き付けてくるといいますか、“考えなさい”と言われている感覚があります」と語った。
林原は「完全無欠のように見える女の子の過去が、じつはこんなにも壮絶だったのかと。丁寧に苦悩を描いて、救われて終わりということでもない。救われた先で、今度はアンナが葉を支えていく。救われて元気な女の子になるということではなく、まだ彼女の中には抱えているものがあるし、当時の読者にマタムネの『(進むべき道は)心で決めなさい』という言葉も救いになったのかなと。葉とアンナとマタムネを通して、“自分の中に残されたもの”が大きい方々が数多くいたのかなと思います」。
一方、日笠からは「武井(宏之)先生が作る物語の妙を感じる」という答えが。
「葉とファウスト(VIII世)の戦いのときに、アンナがまん太に『葉にとって初めて出会った“人間”の友達だから』というんです。それを何故わざわざ“人間の”というのだろうと思った方もいると思うんです。ですが、ストーリーが進む中で、この恐山ル・ヴォワール編で葉の初めての友達は猫又のマタムネということがわかって。だからアンナはあのとき“人間の”と強調したということがわかると思います。恐山ル・ヴォワールは“始まり”を描いているのですが、輪廻を表現しているといいますか、武井先生が作る物語の妙を感じるんです」と答えた。
また、お気に入りのシーンについても三者三様の答えが。林原は「テレビを見ているシーンが好き」と話し、「ほんの少し希望を持てるといいますか、年齢の近い男の子と小さな言い争いをできたことが、生まれてはじめての喜びだったのかなと。名シーンはたくさんあるのですが、私はあのテレビのシーンが好きです」とのこと。田中も「あの絶妙な(二人の)間がいい。僕も好きです」と林原に共感。ただマタムネでいうと「憑依合体をするところが好きですね」と明かした。
「『葉王様を救うことはできなかったけど、今は違う。鬼を倒し、あのムスメを救う術を知る小生と、そして葉さんがいる』というね、“葉さんがいる”というセリフにグっときました。マタムネよかったなと思いましたね」。
日笠は、行き帰りの電車のシーンに考えさせられたと明かし「マタムネと向かい合って恐山に向かった行きの電車と、ひとりで乙斗星に乗った帰りの電車。向かい側に座る人は誰なのか、人生を共にする人は誰なのか…電車で表現した比喩なのかなと感じたんです」と口にした。
最後に、「恐山ル・ヴォワール編」最終話の挿入歌として「恐山ル・ヴォワール」が使用されたことについて“恐山アンナ”として歌う林原は「ファンの熱烈な思いから生まれた楽曲が、今回のイベントまでつながったことがすごいと思います」と目を細めた。
「当時、アンナを演じてから少し時間が経っていましたし、まさか完全新作アニメ化があるなんて思ってもいない。とにかく『SHAMAN KING』を好きな人が楽しんでくれればと思って歌いました」と話した。
同作のファンが、原作の劇中詩に音楽を付けニコニコ動画に投稿。同曲を気に入った武井先生の言葉もあり、アンナを演じる林原が、名を伏せ「【恐山アンナ】恐山ル・ヴォワールを歌ってみた【マンキン復活】」としてニコニコ動画に投稿したという経緯がある。
ニコニコ動画に溢れた多くのコメントに「私たちが生み落としてきたもののすごさを教わったといいますか、時が経ってもずっと大事にしてくれていて、また自分が成長していくときに、忘れていくものではなく、成長と共に連れていくような、それだけすごい作品だったんだなということを改めて感じました」。

現在『SHAMAN KING~恐山ル・ヴォワール編~』は各種配信サイトで見ることができる。3人の公式インタビューを踏まえて、見返してみてもいいかもしれない。

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