【INTERVIEW:Chilli Beans.】
Chilli Beans.っていう
唯一無二な感じになりたい

Chilli Beans.
Moto:出会いは「音楽塾ヴォイス」というところで、入ったのはそれぞれでシンガーソングライターとしてレッスンを受けてたんですけど、そこの先生から“3人でバンドやってみたら?”と先生に誘っていただいて、その一言がきっかけになって始まったバンドです。
————バンドをやることに対して抵抗とかはなかったんですか?
Moto:バンドもやってみたいなってずっと思っていたので、全然抵抗はなかったですね。
――「Chilli Beans.」というバンド名はどのようにして決めたんですか?
Lily:バンドを組むことが決まって、普段よりもバンドの音楽を積極的に聴くようになりました。その時にレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)のメンバー全員が主役として前に出てる感じと音楽自体も前に攻めてる感がすごくカッコよくて、こういうバンドになりたいなって思いがあったので、そこから「Chilli」をとりました。「Beans」は、私たち自身がまだバンドとしてヒヨッコだし、これから成長していく意味を込めた事と、単純に可愛いなって思ったからです。最後は「.」ドットで締める(笑)。
――(笑)。アーティスト写真が印象的に感じて、見た目へのこだわりは強いですか?
Lily:音楽とファッションはやっぱり結びつくし、洋服も見える面が大きいから世界観を手助けするものとしてすごく好きです。なので、それぞれが好きなスタイルで自由に表現しています。

Moto(Vo)
Maika:私が歌詞とか思想で影響を受けているのがデュア・リパ。ラブマイセルフな感じとか、強い女性みたいなアーティストとかに影響を受けています。
Moto:私はメラニー・マルティネスの歌詞、言葉の使い方とか皮肉のこもった感じとか、可愛いけどダークな部分のある世界観がすごく好きです。
Lily:私はギターでジョン・メイヤーとかスティーヴィー・レイ・ヴォーンをカバーしていました。バンドのサウンドとか音作りではThe1975のポップさとか、自分のこと隠さずに伝えるスタイルが好きで影響されてると思います。
————3人とも作詞作曲をされますが、どんな手順で作っているんですか?
Maika:楽曲によってバラバラで、よくあるパターンは誰か1人が元となるものを作ってきて、肉付けしていくパターンが多いですね。あとはスタジオに入ってその場で一緒に作ったり。で、詞が先の時もあるし、メロディーが先の時もあります。
————意見が食い違ったりとかする事もあると思うんですけど、その場合は?
Maika:みんなが良いって言うまで話し合い、試し続ける。これどう? これは?ってどんどん入れていってみたりとか、でも最終的には元を作った人が世界観に沿って、これが良いって言うのを決めていく感じだと思います。
————すごく平和的な解決ですね。
Lily:前はメンバー同士言わなくても伝わるでしょって感覚でやってたけど、それだとやっぱり言葉が足らないから、その言葉に認識の差が結構あったりして。それを経験してから、ちゃんと具体的に言葉にするっていうのは3人それぞれ気をつけながらやっていると思いますね(笑)。

Maika(Ba&Vo)
Moto:この曲は外を歩いてる時に浮かんできました。それをデモの状態でメンバーに投げたらすごい食いついてくれて、“良いじゃん、これやろうよ”って流れで本格的に進めていきました。
――ポップな楽曲という印象を受けたのですが、作るうえで苦労された点は?
Moto:私が最初に作った時点では形が見えていて、ポンポンって出てきたのを組み立てたので、初めはあんまり苦労しなかったです。だけど3人でやり始めた時にサビとか全体的にインパクトがちょっと弱いよねってなったので一緒に考えていきました。
Maika:アレンジにはかなり悩みました。楽器隊が今までやってきたものと雰囲気が違う感じの楽曲なので、この曲の雰囲気はふわふわしてたりとか、空間を感じるサウンドを作りたいってなった時に、自分の手数の中からどうアレンジするかでかなり悩みました。
――編曲がVaundyとクレジットされてますが、どのようなアプローチをされたんですか?
Maika:最初は個々でアレンジした完成形があったんですけど、それをそのままVaundyに投げて、同じ音楽塾ボイスの教室とかで話しながらアレンジを一緒にしました。“こんな雰囲気にしたいんだよね”っていうのを汲み取ってくれて、ドラムラインとかをVaundyがアレンジしてくれた感じで進めました。
――タイトル「アンドロン」の意味を教えていただけますか?
Moto:「アンドロン」は造語なんです。アンっていうのは、unloveとかのunで“無い”っていう否定の意味で。ドロンが“すいませんドロンします”のドロンのほうで(笑)。アンドロンって、ドロンしちゃわない恋に憧れて、“そういう恋にしたかったよ”みたいな意味です。
――今作含め楽曲披露のライブを控えていると思いますが、普段ライブでは何を意識していますか?
Moto:お客さんと一緒に楽しみたいなっていう気持ちがすごくあります。その時は周りのことは忘れて楽しみたいとか、お客さんもそういう想いで来てくれてたらいいなとか。
Lily:正直、しんどかったりすることから音楽って生まれるのかなって私は思っていて。経験した中での苦しみとかを思い出して、その反動で自分を表現するとかそういうことを考えています。あとは当時の気持ちを思い出すために好きな音楽を聴いて、このために自分はやっているんだっていうのを再認識してからステージに立っています。
Maika:気を抜くとすぐに上手にやらなきゃとか失敗したらどうしようとか考えがちなんですけど、ライブって失敗とかじゃないと思ってて。何で自分が音楽をやっているのかとか、ステージ上だと本当に何も考えなくていいというか、ただ自分の好きな音楽を表現するだけの場所なので、その事を自分に言い聞かせてますね。“いや、間違えるとかじゃないやん!”みたいな(笑)。ステージに上がったらただひたすら楽しいって思ってます。

Lily(Gt&Vo)
Maika:見た目とかも含めて音楽も、感じるもの全てを巻き込んだChilli Beans.っていう世界観を作りたいなっていう。唯一無二な感じになりたいっていう話はいつもしてます。
――では最後の質問となりますが、あなたにとって音楽とは?
Moto:無かったら、生きていけないですね。気持ちが沈んだ時とかに支えてくれるものも音楽だし、逆に上げてくれるのも音楽。どんな時でも助けられてきた感じなので、作れなくなったり聴けなくなったりしたら“虚無”っていうか。無で生きていくしかないのかってくらいですね(笑)。
Lily:楽しいものです!(笑)。映画とかは音楽で場面がわかったり、気分とかも自由に変えられるものなんだなって思います。存在は目に見えないけど、結構大きくある感じで。だから無かったらつまらないし、音楽があるから楽しい。
Maika:無くなったら困ります(笑)。 1人で音楽聴いて道歩く時とか、BPMに合わせてかっこよく歩いちゃうんですよ。音楽を聴いている時だけは自分の周りに音楽のバリアがあって、その中で自分は自由に生きていける感じの存在かなと思います。それに歌詞の中だから言えることもあったりするので、私を守ってくれるものですかね。
撮影:内海沙南

Chilli Beans. × 安東 梨那、松丸 奈々、三原 美優(日本工学院専門学校 コンサート・イベント科)
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