伊東歌詞太郎

伊東歌詞太郎

【伊東歌詞太郎 インタビュー】
この曲は1番2番を
フルで聴くことが前提になっている

約1年振りのシングルはエンディングテーマとなっているTVアニメ『ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド』から着想したメッセージを力強く訴える壮大なナンバー「真珠色の革命」。アニメの進行とともに見え方の変わるクリエイティブな楽曲が示唆するように、インタビューでの言葉からはアートとしての音楽を追求する正真正銘の“アーティスト”のプライドと自信が覗いていた。

話数が進むに従って印象が変わる上に、
フルで聴いたらまた聴こえ方が変わる

今回のシングルって一枚通して“さよなら”がキーワードになっていたりします?

しませんね(笑)。

全曲の歌い出しに“さよなら”もしくは“バイバイ”という言葉が出てくるというのに!? 表題の「真珠色の革命」に至っては“さよならバイバイ”ですよ。

これ、偶然ですね。3曲目の「TEL-L」に至っては、僕は作詞にも作曲や編曲にもかかわっていないですし、今、言われて気づきました(笑)。そう言えば前作の「記憶の箱舟」(2020年7月発表のシングル)の時も、普通は“方舟”と書きそうなのに“箱舟”表記なのは意味があるのかと訊かれて、“しまった! そっちにすれば良かった…”と思ったんですよ。それと同じパターンです。

なるほど(笑)。では、『ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド』のエンディングテーマである「真珠色の革命」は、どんな想いから“さよならバイバイ”で始まることになったんでしょうか?

アニメのネタバレになってしまうので詳しくは話せないんですが…最終話まで脚本を読んで、新宿で歌詞を書こうとした時、降ってきたのがこういう物語だったんですよね。『ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド』は最終話へと進むにつれて、非常にシリアスな展開になっていくんですよ。そのシリアスなものが日常も交えながら描かれていくのですが、そこから着想を得たんです。

資料に“守りたいものを守るために覚悟を決めた主人公・時雨の姿に重ねつつ”という説明がありますが、特に1番は《あなたのためなら》という言葉が印象的で、その意味合いを強く感じました。

そう。時雨は“誰かのために”とか“ヒーローになりたい”という動機で、異形の生物たちと戦う隊に入るんです。人間って“誰かのヒーローになりたい”という気持ちを持ちがちですけど、“ヒーローになる”とか“誰かのために戦う”ことの本当の意味って何か? それが2番で、自分なりに描き出されているんですよね。

ただ、その“本当の意味”が何かというのは?

まだ言えないですね。ネタバレになっちゃうんで(笑)。ただ、初めの4話くらいまでのエピソードでこの曲が流れた時の印象と、最終話付近で聴いた時の印象とでは全然違います。…ということなら言えます。あと、作品に付随して生まれたのが1番で、そこからの延長線で“今、伊東歌詞太郎としてどんなふうに考えているのか?”を歌っているのが2番だから、この曲って実は1番2番をフルで聴くことが前提になっているんですよ。だから、話数が進むに従って印象が変わる上に、さらにフルで聴いたら、また聴こえ方が変わる作品になっています。

つまり、言いたいメッセージがひとつ定まっているというよりは、解釈の仕方によって何層にもなっていると?

クリエイティブってそういうものだと思うんですよ。何層にもなっていないものは深みがなかったり、料理で例えると出汁の種類が少なかったりするようなものなので。タイアップ曲を作る時の自分の意識も…例えばこの曲は『ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド』のエンディング曲として、伊東歌詞太郎以外の人間が歌っていても成立すること。逆に、アニメ作品とはまったく関係なく、伊東歌詞太郎の新曲としても成立すること。その一致点を探して描いていくってことなんです。だから、意図的に作品に寄せるのは絶対に良くないし、そんなことをしなくても作品から得た着想を核にすれば、監督たちの描きたい世界と齟齬が生まれるはずはないんですよね。今回も“どういった想いからこの歌詞が生まれたのか?”という補足を入れて制作サイドに送って、一発でOKをいただきました。

制作サイドは最終話までの展開を把握しているわけですから合点がいったでしょうね。サウンドも非常に壮大で、イントロのギターなんて時空を超えて聴こえてくるようだし。

あれ、いいですよね! イーボウっていう道具を使っているんですけど、出したい音の弦に当てると磁力の力でずっと震えて鳴るんです。エンディングテーマというのはどの作品であろうとも余韻であるべきだと思うんで、とにかく1番では大きなリズムやグルーブを出したかったんですよ。で、そこから物語や伝えたいことが広がっていく感じにしたかったので、2番からはドラムの叩き方が変わってリズムも立ってくるんです。さらに、サビになったら楽器が増えて音の左右幅も広がっていく…というアレンジはイメージ通りだったので、もう最高ですね。
伊東歌詞太郎
伊東歌詞太郎
シングル「真珠色の革命」

OKMusic編集部

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