L→R KOHTA(Ba)、ギル(Gu)、キリト(Vo)、Karyu(Gu)、TAKEO(Dr)

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【Angelo インタビュー】
最後のアルバムを
最高のものにしようという
意識で向き合った

2021年8月1日に無期限活動休止を宣言したAngelo。届けられた最後のアルバム『CIRCLE』は非常に完成度が高く、さらに活動休止を嘆くリスナーの心を引き上げる力を湛えた一作になっている。メンバーが本作に込めた想いや意思をキリト(Vo)に語ってもらった。

事実上最後の作品になることは
早い時期から分かっていた

Angeloの無期限活動休止前最後となるアルバム『CIRCLE』が完成しました。同作がラストアルバムになるということは分かっている状態で制作に入られたのでしょうか?

分かっていました。僕がAngeloは活動休止しないといけないと思うようになったのは、前作の『[evolve]』(2020年11月発表のアルバム)の制作をしていた頃だったんです。でも、当時は新型コロナウイルスがまだ謎ばかりで、エンターテインメントが軒並みストップさせられていた状況だったから、僕はどうやってこれを乗り越えるかということを頑張っていた時期だったんですね。そんな時期に急にAngeloを止めるわけにはいかない想いのほうが強かったので、そのまま存続させる方向で動いていました。だけど、同時に僕の中ではAngeloの活動を止めるのであれば、なるべく早い時期に自分が決断しないといけないという気持ちもあったんです。そのタイミングをいつにするのかという悩みが始まったのが、昨年の『[evolve]』の制作をしている頃で、そこから半年くらいかけて決断に至って、メンバーに活動を止める話をしたんです。だから、僕の中では次に作るアルバムがAngeloの事実上最後の作品になることは早い時期から分かっていたし、メンバーともそれを共有した上で、この『CIRCLE』の制作に入りました。

そんな『CIRCLE』は非常に完成度が高く、最後の作品という感じがしないのが印象的で。

メンバーに活動を止める話をするまでの間に、事実上Angeloの最後の作品になるアルバムを『[evolve]』の一年後に出そうと決めていたし、そのアルバムのツアーをして2022年の幕明けでAngeloを終わりにすることも考えていたんです。突発的に解散することになったりしたわけではないので、締め括り方をしっかり考える時間があったんですよ。だから、最後のアルバムも、例えば契約消化のために仕方なく一枚作るというようなことではなくて、15年間一生懸命にやってきたAngeloというバンドの最後に相応しい、誰が聴いてもすごいバンドだったと思ってもらえるくらい全力を注いだアルバムをバシッ!と出して、ちゃんとしたツアーも最後にやって締め括りたかったんです。

そういう想いや意思が感じられるアルバムになっています! しかも、濃い世界観とキャッチーなメロディーを活かした上質な楽曲が並んでいる。

僕の中には音楽を作ったり、歌詞を書いていくにあたって“こうじゃないといけない”という定義づけをするのはすごくくだらないことで、何でもありだという感覚があるんですよ。だから、むちゃくちゃな音楽…すごくトリッキーだったり、アバンギャルドな音楽をやろうと思えばできるんだろうけど、僕が表現したいのはそういうものではない。例えば、朝になって地平線から朝日が昇ってくる情景というのは美しくて心を打つもので、それは普遍的な“美”ですよね。量子レベルで観測するとものすごい奇跡の構造から生まれているものだけど、人間の目に情報として入ってくるものとしては単純に“美しいな”“心が動くよね”という情景でしかない。そういう不思議なところが音楽にもあって、僕はそういうものを作りたいんです。伝えたいのは、人間の感情の何とも言えない部分なんです。つらいようで、前向きなようで、ポジティブなようで、ネガティブなようで…みたいな、よく分からない心情というのがあって、誰もがそういう気持ちになることがあると思うんです。そこを聴いてくれる人と共有しないといけないという想いのもとに曲を作ったり、歌詞を書いたりしているので、その姿勢は今回も変わらなかったです。

音楽や歌詞の普遍的な魅力を活かした上で、自由な感覚で音楽を作られているんですね。世界観の濃さについてはいかがでしょう?

僕の場合はPIERROTというバンドから始まって、Angeloにつながって今がありますけど、自分が一番最初にPIERROTでやっていたパートはギターだったんです。入りがヴォーカルはなくてギターだったので、まずはバンドサウンドの緻密な構築が大事だと今でも思っているんですよね。だから、リズムパターンだったり、ツインギターのアンサンブルだったりをしっかり考える。ヴォーカルとしては歌が一番大事だけど、歌が大事なだけだったら歌とピアノだけでもいいし、ギターの弾き語りでもいいわけじゃないですか。バンドである以上はリズムやギターのリフ、細かい音色だったりといった全部が大事なわけで、同時にそのカオスをねじ伏せるような説得力のある歌が真ん中にあるというのがあるべき姿だと思っていて。僕はそういう価値観を持った人間なので、それが楽曲の世界観の濃さにつながっている気がしますね。
L→R KOHTA(Ba)、ギル(Gu)、キリト(Vo)、Karyu(Gu)、TAKEO(Dr)
キリト(Vo)
ギル(Gu)
Karyu(Gu)
KOHTA(Ba)
TAKEO(Dr)
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OKMusic編集部

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