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【amazarashi インタビュー】
自分以外のために頑張ることに
喜びを見出せるようになった

激動のコロナ禍の時代を力強く生き抜くamazarashiから届いた最新メッセージ。そのニューシングル「境界線」はTVアニメ『86-エイティシックス-』第二クールオープニングテーマであり、完全生産限定盤には10 周年記念の限定配信ライヴのBlu-rayが付属する。作品に込めた想いについて、秋田ひろむ(Vo&Gu)がメールインタビューに答えてくれた。

弱者の立場を
武器にすることはやめた

遅ればせながらデビュー10周年おめでとうございます。振り返ってみてどんな言葉が、この10年間に相応しいと思いますか?

“無我夢中”でしょうか。目の前の音楽制作や公演をひとつひとつクリアーしていくことにただ必死になって、10年が過ぎた気がします。没頭してやってこられたのはいいことだったかもしれませんが、同時に周りが見えず、迷惑をかけたことや失敗も多かった気がします。今はもうちょっと視野も広がって余裕を持ってやれている気はするんですが。

10年前と変わった、変えたこと、変わらぬことは何でしょう?

弱者の立場を武器にすることはやめました。それは意図してそうしましたね。初めの頃はそれが支持された部分でもあり、僕らのイメージでもあったと思うんですけど、さすがに自分でも嫌気が差してきまして。変わらないことは、ずっと歌が中心にあることでしょうか。新しい歌ができたらライヴなどの新しい活動が始まるというサイクルでやってきました。企画ありきで活動するのは自分のやりたいことではないので。音楽的なことでは、バンドであることにこだわってきましたね。サポートメンバー含め、できる限り同じメンバーで長く続けたいと思っています。曲作りは変わったかもしれません。長く続けて曲も増えてくると、過去にやったことをいかに避けるかも重要になってくるので、常に新しいかたちを模索しています。

コロナ禍はアーティスト・秋田ひろむにどんな影響を与えましたか? バンド活動への取り組み方、楽曲の作り方に影響があったかどうかを知りたいです。

音楽活動への渇望がモチベーションになったので、ある意味では良かったかもしれません。大変でしたけど、そういう時だからこそ燃えるみたいな。『末法独唱 雨天決行』(2020年12月12日開催のオンラインライヴ)とかはまさにそれで、平穏だったそれまでなら絶対にやらないような無茶なライヴだったと思います。曲作りに関しては、今の想いを吐き出すだけなんでそんなに変わらなかったです。結構休めたりしたから、それは丁度良かったと思います。あと、自宅で歌をレコーディングできる環境が整ったので、フットワークも軽くなり、それも良かったことですね。

ニューシングル「境界線」は『86-エイティシックス-』第二クールオープニングテーマですが、どんな依頼を受けて、どんなふうに作っていったのですか?

アニメサイドから特に指示とかはなかったので、原作を読ませていただいて、そこからイメージを膨らませて作り始めました。ちょうどコロナ禍に入った頃で、途方に暮れていた時だったから没頭できる仕事をいただけてありがたかったですね。時間を持て余していたので集中して制作できました。

歌詞にはどんなイメージ、メッセージを入れようと思っていましたか? 特に大切な言葉やフレーズがあれば知りたいです。

《存在意義はいつだって自分以外》《存在価値はいつだって自分の中》という部分が今の自分ともっともリンクしている箇所だと思います。自分のためだけにやっていた音楽が、徐々に自分以外のために頑張ることに喜びを見出せるようになりました。それは自分にも価値があることを確信できたからだと最近は思っていたので、それをこのタイミングで表現できて嬉しいです。

《境界線の向こう側》とは秋田さんにとってどんなイメージですか? そして、《こちら側》とは? 両者を隔てる境にあるものは何でしょう?

“当事者と傍観者”というイメージです。ニュースなどで知るテレビやネットの向こう側、でも当事者でなければ絶対に知りようのない事実は確かに存在します。『86-エイティシックス-』の重要なテーマでもあり、今現実でもあり得る問題のように思えたので、こういう表現にしました。他者の想いに寄り添えるかどうかというのが、ひとつの隔たりなのかなと思います。

ロックサウンドでありながら、エレクトロニックなビートと透明な浮遊感を持つ音像が素敵です。サウンドにはどんなイメージを込めていますか?

『86-エイティシックス-』のはらむ問題提起の部分は歌詞で表現できると思ったので、サウンドの部分はバトルシーンなどの爽快さとか躍動感を表現できればと思って作りました。テンポは速めというのは最初の印象で決めて、メロディー先行で作りましたね。イントロからAメロのシンセサイザー、ブレイクビーツの部分は近未来的な『86-エイティシックス-』の情景を、Bメロからサビは戦場の泥臭い情景をロックサウンドで表現できたのではないかと思います。

カップリング「鴉と白鳥」は静謐と高揚が交錯する美しい曲ですが、どんなきっかけから作っていったのですか?

これは結構前に作った曲です。シンプルなラブソングですが、「境界線」のカップリングとして相応しいと思い収録しました。相反するものに惹かれ合う心情を白と黒とか、光と陰とか、そういう対比で描いたんです。ないものねだりというか、自分にないものに惹かれることはよくあると思うのですが、それは根底に共通するものがあるからこそだと思うので、そういう心境が表現できたらなと思いながら作りましたね。

もう一曲のカップリングが「少年少女」で、インディーズ時代の楽曲の再録音は嬉しいです。でも、なぜ今、この曲を取り上げたのでしょう?

これも『86-エイティシックス-』に通じるものがあると思って収録したのですが、裏の気持ちとしてはamazarashiの過去の知られていない楽曲をちゃんとアーカイブして、もっと多くの人に触れてほしいというのがあります。例えばサブスクリプションとかYouTubeとか、今amazarashiを知った人がすぐ触れられる場所に過去の名曲も現在の新曲と並列に並んでいてほしいという想いがあるんです。
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シングル「境界線」【完全生産限定盤】(CD+Blu-ray)
シングル「境界線」【期間生産限定盤(86盤)】(CD+DVD)

OKMusic編集部

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