鈴木このみ

鈴木このみ

【鈴木このみ インタビュー】
めちゃくちゃギラギラに燃えている
自分を覚えていてほしい

“普通の人に届かなくていい”
という感覚は持っちゃいけない

「Mirror,Mirror,Mirror」についてもうかがっていきましょう。先ほど、“わりと従来の鈴木このみを感じさせる”とおっしゃっていましたが、こちらの方が歌いやすかった感じですか?

そうですね。Aメロでは音を畳んだりとか、息継ぎがなかったりしてシビアな部分もたくさんあったんですけど、そのぶん発音を日本語っぽい感じではなく英語っぽくとらえてやったりとか…そういった意味ではチャレンジはしっかりとできたと思います。

「Mirror,Mirror,Mirror」に関してはアレンジが面白いと思っていまして。特に最後のサビの後半。突然、景色が変わるじゃないですか。あそこは“えっ!?”って感じでちょっと驚かされましたし、相当面白く聴かせてもらいました。

ありがとうございます。アニソンって風景がどんどん変わっていくところが面白さのひとつだと思ってるので、アレンジに引っ張られて歌の表情も切り替えがしっかりできたんじゃないかなって。今、そのお話を聞いていて自分も思いました。

ブレイクして歌とピアノになるというような比較的オーソドックスなアレンジとはまったく違ので、初めて聴いた感じです。

あははは。そこに合わせて“私もちょっと笑顔で歌ってみようかな?”と思ったりとか…そう考えると歌詞はもちろんなんですけど、「Mirror,Mirror,Mirror」はアレンジに引っ張られて表情が出てきたところが多いかもしれないです。

前半はデジロック寄りのギターサウンドがグイグイと行くんですけど、後半になると“おや? これはそういうことだけじゃないぞ”と気づくような感じで。タイトルが“Mirror,Mirror,Mirror”ですから、サウンドも鏡合わせの別世界みたいな感じなのかなとも思ったり。

おー! そういうふうに考えたことはなかったです(笑)。

「Mirror,Mirror,Mirror」も「命の灯火」同様、二声が重なるヴォーカルパートが随所にありますが、これはまさに合わせ鏡を表現していると思いますし、世界観をかなり大事にしている楽曲という印象はあります。

なるほど! 家に帰ったらそういうふうに聴いてみます(笑)。華余子さんと“人はいろんな顔を持っているけど、自分では自分の顔が分からない”という話をしていて、“いろんな人とかかわるたびに自分のことを知っていくようで、分からなくなる感覚があるんですよね”みたいなことを言ったら“それを歌にしよう!”って、その場で歌詞を1コーラス、バーッと書いてくださったんです。それがまさに自分が思っていたこととぴったりだったから、“その方向性でお願いします!”って。確かに歌詞もアレンジも同じ方向を向いている楽曲だと思いますね。

『Re:ゼロから始める異世界生活』の公式スマートフォンゲーム「Re:ゼロから始める異世界生活Lost in Memories」の新主題歌なので、歌詞は『Re:ゼロ』の世界観に沿ったものではあるものの、今おっしゃった通り、ゲームだけじゃなく、しっかり現実と向き合ったものに仕上がっています。この辺もさすが草野華余子さんといった感じですね。

そこは自分でも最近特に気にしているところではありますね。アニソンシンガーだからと言ってアニメファンだけに届けるのではない、“一般リスナーには届かなくていい”という感覚は持っちゃいけないと思っているので。“私がアニメに恩返しできることって何だろう?”と考えた時、私の曲を聴いて、そこからアニメを観た人から“アニメも観てみたら面白かったです!”と言われるのがすごく嬉しいんですよ。私は“アニメを観て、そのアニメの曲を聴いて、鈴木さんのことが好きになりました”と言われることが多いので、その逆のパターンであれば、アニメへの恩返しが自分なりに少しできるのかなって。

なるほど。アニソンはアニメのソングではありますけど、ソングからアニメに入ってくる人がいてもいいわけですからね。

はい! 最近はアニソンを聴く人が増えた感覚もあるし。それこそアニメファンじゃない友達から“何のテーマ曲かは分かんないけど、あの曲、すごく良かったよ”みたいな連絡が増えていて。だからこそ、そういう想いが芽生えたのかもしれないですね。アニメの世界も大事にしつつ自分が伝えたいこともしっかり伝えなきゃいけないという想いが、最近は特に強いです。

その昔、“TVゲームは何度でもリセットできるから、子供がそれに倣って人生もリセットできるんじゃないかと思ってしまうかもしれない”とTVゲームの悪影響を説く評論家もいましたが、現実は“人生はTVゲームと違ってやり直しが利かない”と思う子がほとんどだと思います。まさに「Mirror,Mirror,Mirror」の歌詞はそういう内容ではないかと思いました。

そうですね。私も最近思ったんですけど、転生モノのテーマ曲を担当した時は“人生は一度きりしかない”と歌っていることが多い気がします。「Bursty Greedy Spider」も《一度しかない人生さ》と言ってしまっているし。登場人物たちも“転生するから死んでもいいや”という気持ちではまったくないと思うんですよね。“この一回で何か成果を残さねば!”という、もしかしたら普通の人生を送っている時よりもめちゃくちゃ人生を一生懸命に生きているような気もするし。そういう意味でも「Mirror,Mirror,Mirror」はアニメにもちゃんとリンクするし、現実世界を生きている私たちにもそういう気持ちってすごく伝わるんじゃないかと思います。

OKMusic編集部

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