関西の才能を世界に発信する『関西演
劇祭』今年も開催! 板尾創路と吉岡
里帆に聞く小劇場への思い

2021年11月20日(土)〜28日(日)、クールジャパンパーク大阪SSホールで『関西演劇祭2021』が開催される。
2019年にスタートした同祭は、昨年からコロナの影響を受けながらも、各賞を獲得した劇団の活躍、参加エントリー数の増加などが見られ、演劇賞としての存在を年々確かなものにしている。第1回よりフェスティバル・ディレクターを務める板尾創路と、今回実行委員長に抜擢された吉岡里帆に、小劇場への思い、関西と東京の小劇場シーンの違い、最近観て印象に残った演劇などを聞いた。
その年に観た演劇のチケットを見返すのが至福の時間
ーー昨年に続き今年もコロナ禍での開催です。コロナの影響でやりにくさを感じる部分はありましたか?
板尾:お客さんの数を減らすとか、打ち上げができないとか、コロナのせいで物足りない部分もありましたけど、中身としては1年目よりもよかったと僕は思ってます。「いい劇団の人と会えた」という感じがしました。
板尾創路
ーー吉岡さんは、俳優を志したきっかけが関西の学生演劇だったんですよね。
吉岡:そうですね。高校生3年生の時に初めて観た学生演劇が、つかこうへいさんの『銀ちゃんが逝く』と『蒲田行進曲』の二本立てでした。上演していた同志社大学の演劇サークル「演劇集団Q」は、当時たしか4人しかメンバーがいなかったんですが、「こんな少人数で、こんな熱量のある空間を作れるのか」と、もう圧倒されて。この時に演劇が持つ力に衝撃を受けて、自分も俳優を目指すと決めました。
ーー『関西演劇祭』の実行委員長に抜擢されたご感想は?
吉岡:自分がこうやって呼んでもらえることはとっても光栄です。俳優の仕事を始めたきっかけも、東京に出るよう背中を押してくれたのも関西の劇団だったし、「演劇をみんなで楽しもうよ」という街全体の空気が大好きなんです。だから『関西演劇祭』という場所が生まれていることはとても喜ばしいですね。でも内心、「もっと早くにできていてくれたら……!」とも思いました。
板尾:関西にいる時にできていたらってこと?
吉岡:そうですね。私が小劇場に立っていた学生時代にできていたら、関西にいたままプロを目指すルートがあったかもしれないし、もっと早く色んな劇団に出会えたのかなと思いますね。
吉岡里帆
ーー今も小劇場には足を運びますか?
吉岡:はい! 演劇のチケットをコレクションするのが趣味で、ずーっとファイリングしています。それを年末に見るのが本当に楽しくて!
板尾:「今年これ観たなぁ」って振り返る?
吉岡:そうです、その時間はもう至福です。
ーー関西と関東で、小劇場シーンに違いは感じますか?
吉岡:関西で名をあげた劇団さんは東京に出て来られるので、結局そんなに違いはないかもしれないですね。
板尾:今はそんなに関係なくなってきたかもね。でも東京はやっぱり、演劇に関わってる人数が圧倒的に多いですよね。大阪から来た身としては、最初びっくりしましたね。劇場の数も違いますし。いまだに「こんなところにも劇場ある!」って思うもんね。
吉岡:それは本当に!
板尾:しかも今、大阪の劇場がどんどんなくなっていて。そこに寂しさもあったりしたので、何か盛り上げられたらなぁっていう思いがこの演劇祭の始まりでもありますよね。
板尾創路
顔は出オチ、声は正直
ーーお二人が最近観てよかった演劇は?
板尾:下北沢のシアター711で観た『萩本の女』(福田ユミプロデュース公演)ですね。欽ちゃん(萩本欽一)の愛人だっていう女性の話。
吉岡:おもしろそう! フィクションですか?
板尾:もちろんフィクション、フィクション!でも本人がおれへんところで延々萩本さんの話をしていて、その視点や捉え方がおもしろいなと思いました。
吉岡:私は毎年夏に戦争をテーマにしたお芝居を観ると決めていて、今年は下北沢の小劇場B1で『闇の轍』(IN EASY MOTION)を観ました。劇場の空間が丸ごと防空壕のようで、その演出方法に驚きましたね。演者さんたちと一緒にそこで生活しているみたいに息苦しくて、臨場感があって。地下にある劇場の空間をうまく利用していて、これは小劇場だからこそできる表現だと思って感動しました。
吉岡里帆
ーー舞台を観るときに、特に注目しているポイントは?
吉岡:私はやっぱり演者さんがいちばん気になって、その次が演出ですね。台本や内容を知っている舞台でも演出方法がユニークだと、「紙に書いてあった1行の言葉を、ここまで膨らませられるんだ!」と感動します。
板尾:僕は声が気になるかもしれないです。生の舞台だと特に、声の好き嫌いはあったりしますね。自分にとって心地いい声の俳優さんは魅力的に感じます。
吉岡:確かに声は重要ですね。客席が舞台から離れていると、顔があまり見えないですし。
板尾:そうそう、顔は出オチみたいなもん。顔や容姿よりも、声に性格も感情も出るから。結局舞台って突き詰めていくと声なのかなって思っちゃうくらい、聞きにいってるんだなと思うことがありますね。指紋みたいなもんで、人って自分の声に嘘をつけないんじゃないかと思います。感情が乗っかった時は特に、すごく正直な感じがするんで。
(左から)吉岡里帆、板尾創路
取材・文=碇 雪恵  撮影=iwa

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