パワフルかつシンプルなサウンドで
絶大な支持を集めた
グランド・ファンク・レイルロードの
『グランド・ファンク』
本作『グランド・ファンク』について
収録曲は全部で8曲、うち6曲がマーク・ファーナーのオリジナルである。アルバムは、ファーナーの伸びやかなヴォーカルとメル・サッチャー(当時19歳!)の跳ね回るベースが印象的な「ゴット・ジス・シング・オン・ザ・ムーブ」でスタート、ファーナーによる津軽三味線のようなギターが聴ける「イン・ニード」、代表曲のひとつでライヴ映えする「ミスター・リムジン・ドライバー」、サザンロック・テイストのある「ウィンター・アンド・マイ・ソウル」などの佳曲が配置されている。最後に登場する当時のロック少年たちが狂喜した「孤独の叫び」では、渾身の名演が9分半にわたって味わえるのである。
本作はロックという音楽が思春期の頃にリリースされており、演奏技術や録音機材は完全ではないが、GFRのエネルギーやパッションはそんなマイナス面を完全に吹き飛ばしており、最高の仕上がりとなっている。まだ彼らの音楽を体験したことがないなら、この機会にぜひ聴いてみてほしい。きっと新しい発見があると思う♪
TEXT:河崎直人