【水樹奈々 インタビュー】
20年の成長と『SHAMAN KING』への
リスペクトを込めて!
21歳にタイムスリップして
温かくて嬉しい気持ちになる
また、今作には水樹さんが『SHAMAN KING』で演じている玉村たまおとして、20年前に歌ったキャラクターソングのセルフカバー「花、星、空 –reunion-」も収録しているという。
2002年にリリースされた『シャーマンキング ボーカルコレクション 〜歌の万辞苑〜』というアルバムに収録された曲になります。20年振りの『SHAMAN KING』で、さらにオープニングテーマも担当させていただく節目でもあるので、セルフカバーするなら今のタイミングしかないと思って収録しました。
水樹さんのファンは2000年版『SHAMAN KING』を観ていた世代が中心ですから、きっとすごく喜んでいるでしょうね。
喜んでくれたら嬉しいです。このキャラクターソングはとても人気が高くて、ライヴで歌ってほしいという声や、キャラクターソングアルバムやセルフカバーアルバムを出す時はぜひ収録してほしいという声が非常に多くて。そうしたみなさんの声に、少しはお応えすることができたのではないかと思います。私自身も大好きで大事にしている曲なので、こうしてまたみなさんに可愛いがっていただける機会をいただけてとても嬉しいです。
20年前と変わった部分は何かありますか?
藤間 仁(Elements Garden)さんの編曲によってホーン隊やフルートなどの管楽器が加わって、すごく豪華なサウンドに仕上がりました。オリジナルは片思いの切なさや少し陰のある部分がフィーチャーされたクールさの感じられるサウンドだったのですが、今回の「花、星、空 –reunion-」はあなたに出会えて良かった、あなたに恋をしたことで成長できた、変われた…といった、片思いに対して前向きなとらえ方ができるアレンジになったと思います。
20年振りに玉村たまおを演じる上でも、やはり当時との違いはあるのでしょうか?
たまおに限らず他のキャラクターたちも2000年版よりも芯が強くなっている印象があります。たまおもただ内気で弱いだけじゃなく、いざとなれば自分も命を懸けて戦うという覚悟が垣間見えるシーンもあって。ただモジモジした弱い女の子ではなく、葉との出会いで大きく変わって成長した、そういう部分をこのキャラクターソングにも乗せられたらいいなと思いました。叶わぬ恋のつらさや切なさではなく、“この出会いに感謝したい”という気持ちを全面に出して歌っています。
ちなみに20年振りの『SHAMAN KING』の収録現場はどんな雰囲気ですか?
当時を思い起こすと、尊敬する先輩方に混じって演じさせていただけたことはすごく幸せだったのですが、毎回台本を持つ手が震えて冷や汗も止まらず、声が上ずらないように必死でした。でもそれが、たまおのキャラクターとリンクしていて、そのままナチュラルに演じればいいと先輩方から言っていただき、とにかく無我夢中だった記憶しかなくて。20年振りに再会した時は本当に同窓会のような状態だったのですが、当時と同じスタジオで録っていることもあって、21歳の私にタイムスリップして、自然と背筋が伸びました(笑)でも再び演じられることが本当に嬉しくて、毎回収録が楽しみです。
そして、2曲目に収録の「Phase 21」は早口のサビも心地良く、ライヴで歌ったら盛り上がりそうですね。
はい。イントロや間奏に入っている《Wo-oh…》というフレーズに心を引かれ、ライヴでみんなと思いきり合唱できそうだなと。昨年から私の中でライヴ欲がすごく高まっているので、自然とライヴでみなさんと歌っている情景が浮かぶ曲をチョイスしていました。サビのたたみかけるような早口の展開、つい体が動いて一緒に歌いたくなるような癖になるフレーズが満載なので、ぜひライヴで一緒に歌いたいです。
山本メーコさんの歌詞はどこか哲学的な雰囲気もありながら、すごくメッセージが込められていると思いました。“Phase 21”という曲名は水樹さんがつけたそうですね。
歌詞には“自分自身を進化させていかなければ時代に取り残されてしまう”というメッセージが込められていて、まさに今の状況にフィットする曲だと思いました。現状維持では緩やかに下降していってしまう、常に自分を更新し続けることが様々なことにおいて大切だと思うんです。タイトルは時代のフェーズは常に新しく切り替わっているという意味で“Phase”とつけ、“21”は2021年リリース、そして私自身が歌手デビュー21年目でまた新たな進化のタミングを迎えていることにもかけています。特に今はコロナで生活様式が変わり、デジタルが苦手な私も置いて行かれないようにと必死です。時代の流れに流されるのではなく、自分なりに乗りこなす必要があるというのは、枠組みのことだけでなくパーソナルな部分でも起きていくことだと実感したので、それを象徴する言葉としてこのタイトルをつけました。
水樹さん自身の生活で何か更新されたことはありますか?
デスクトップパソコン、マイク、オーディオインターフェースなど最低限必要な物を揃えて、デモテープレベルですけど、おうちで録音ができるようになりました。「Get up! Shout!」を作った時も、『SHAMAN KING』のオープニング映像を作ってくださるスタッフさん用にデモを録ってアニメ制作チームに送りました。ばっちり活用しています!
では、最後に来年のライヴ『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020→2022』ついて、今の気持ちをお聞かせください。
このライヴは昨年の歌手デビュー20周年を記念したツアーとして予定されていたもので、中止になった時は悲しくて悔しくて。いつかみなさんにお届けする日がくることをずっと願っていたので、“やっとこの日がきた!”という想いでいっぱいです。当初予定していたセットリストをベースに、前回のシングル「FIRE SCREAM / No Rain, No Rainbow」と今回の「Get up! Shout!」を織り交ぜ、基本は昨年予定していたものをお届けするつもりです。アルバム『CANNONBALL RUNNING』を発売してから約2年、まだ一度もライヴで披露していない曲がたくさんあり、それをやっとライヴで聴いてもらえると思うと本当に嬉しいです。シングルはもちろん、アルバム『CANNONBALL RUNNING』を今一度じっくり聴き込んで来ていただけたらと思います。ぜひ一緒に“Get up! Shout!”しましょう!
取材:榑林史章
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シングル「Get up! Shout!」2021年10月27日発売
KING RECORDS
『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020→2022』
[2022年]
1/03(月) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ
1/04(火) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ
ミズキナナ:声優、歌手として高い人気を誇る。声優としてのデビュー作は1997年のプレイステーション用ゲーム『NOёL〜La neige〜』門倉千紗都役。歌手としては2000年12月にシングル「想い」でデビュー。09年6月に発売された7枚目のオリジナルアルバム『ULTIMATE DIAMOND』で声優として初のオリコンチャート1位を獲得し、11年12月と16年4月には東京ドーム2デイズライヴも大成功に収めた。水樹奈々 オフィシャルHP
「Get up! Shout!」MUSIC CLIP
「花、星、空 -reunion-」