【To Be Continued インタビュー】
デビューからの全てが
網羅できる一枚になったと思う
メンバーのふたりは、
僕にとっての恩人
ちなみに今回再始動をするにあたって、みなさんでどんなことを話したのでしょうか?
3人で最初に再始動するかしないかと話し始めた時に、佐藤 鷹に関しては大人の事情で難しいということになったんです。でも、佐藤は“自分の曲に関しては自由に使っていいし、いいかたちで使ってほしい”と言ってくれたんですよね。“応援している”とも言ってくれたおかげで、後藤も僕も肩の力が抜けて、最善を尽くすことを誓ったんです。
すごく素敵なお話ですね。そんなおふたりは岡田さんにとってはどんな存在なのでしょうか?
休止する前まではメンバーとして一緒にやっていましたが、彼らふたりは僕がデビューする前もプロとしてやっていたので、いろいろ教えてもらっていた先輩なんです。今は時を経て、再びTo Be Continuedの曲にかかわらせてもらう楽しさ、難しさを感じていますし、To Be Continuedの音楽は僕にとってもなくてはならないものなんです。だからこそ、ふたりの存在はどんなものかと訊かれると…恩人ですね。
恩人! いいですね。
でも、最初の印象はふたりともすごい悪かったんですよ(笑)。ユニットを組むかどうかという話し合いの日に、僕はアルバイトを休み、部屋をきれいにして、お茶まで用意して待っていたんです。なのに、時間になってもこなくて、結果的に10時間くらい遅れてきたんですよ!
えぇ!(笑)
その理由も“ちょっと道が混んでいて!”くらいで。その後も、“君、モテる?”とか“股下は何センチ?”とか訊いてきて、ほんと信じられなかったんですよ。まさか、30年来のつき合いになるとは思ってもいませんでした(笑)。
あははは。でも、楽曲の制作はすごく真剣だったんですね。
まったく違いましたね。旧作に関しては、僕は歌詞をひとつ書くのに3カ月くらいかけていました。作っては壊してを繰り返し、アレンジも何度もやり直して…とにかく自分たちで高い目標を掲げて、そこに向かって切磋琢磨して作り上げていたんです。なので、そこに対しては、やれるだけやったと思っているんです。だからこそ、昔の曲を聴いても“よくやったな”と思える曲ばかりなんですよ。心血注いで魂を込めて作ったものって、しっかりと脈打ち、生き続けられると思うので、今回のアルバムだけではなく、昔のアルバムも引っ張り出して聴いていただけたら嬉しいですね。
では、今回のアルバムの聴きどころを教えてください。
今作はヴォーカルもサウンドも全て録り直しているんです。サウンドに関しては昔の楽器と今の楽器ではまったく違うので、それを再現して作っていることに驚いていただけるんじゃないかと思っています。さらに、新しく入っていただいたアレンジャーの方もTo Be Continuedを研究してくださり、まるで本当に佐藤がアレンジしたんじゃないかと思うような仕上がりなんですよ。そこに関しては副反応はないと思います(笑)。
確かに90年代のJ-POPっぽいキラキラ感がすごくありました。
そこは結構こだわったところです。キラキラした雰囲気と、2020年の匂いも香っていただける一枚となりました。
そんな本作の歌入れはいかがでしたか?
このアルバムのタイトルが“Paradise in life”なのですが、自分の中に大好きなものがひとつあると、それだけで頑張っていけるんですよね。自分たちのライヴが、アルバムが、そういったものになってほしいと思っているので、アルバムはそういうことをイメージして作らせてもらいました。もちろんTo Be Continuedの音楽を作る過程は大変でしたが、歌うというレコーディングの段階は本当に嬉しくて、喜びを大前提に歌わせてもらいました。
岡田さんにとって歌は切っても切り離せないものなんですね。
物心がついた時から歌っていますからね(笑)。これからも歌い続けていくと思います。
そして、待望のライヴがBillboard Liveで開催されるんですね。
来ていただける方全員にどうしてもかけたい言葉があるんです。僕もそうですが、この20年間、それぞれの道で毎日頑張って、いろいろ寄り道をして、ここに集まるわけですよね。そんなみなさんに、とにかく“頑張ったね”と言いたいんです。さらに、その気持ちで歌いたいですし、演奏したいですし、足を運んでくださるみなさんがいて成立するものですから、集まってくださる方、今回の再始動を強く支えてくださった方、応援してくださった方々に感謝を伝える場所にしたいですね。
楽しみにしていますね。ちなみに、岡田さんのプライベートはずっと謎なのですが、普段はどんなことをされているのでしょうか?
今は家庭菜園をしています。庭を耕し、トマト、バジル、オクラ、大葉、ゴーヤ、ズッキーニ、トマトなどを作っています。もともと田舎の育ちなので、土いじりをしていると落ち着くんですよ。To Be Continuedもそうですが、原点回帰することで心が休まるんです。今はそういったタイミングなのかもしれません(笑)。
取材:吉田可奈