CHiCO with HoneyWorks

CHiCO with HoneyWorks

【CHiCO with HoneyWorks
インタビュー】
自分を奮い立たせる
フレーズもあるので、
この曲を聴いて勇気づいてほしい

今年始動7周年を迎えたCHiCO with HoneyWorks(以下、チコハニ)の最新作は、TVアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のオープニングテーマ「我武者羅」。少年たちの闘いにHoneyWorksの十八番である思春期の心情描写がハマッたロックチューンは、CHiCO(Vo)ならではの熱とパワーにあふれている。そんな同作についてCHiCOが語ってくれる。

“いつかみんなに聴いてもらいたい”と
ずっと温めていた曲

チコハニ史上、最高にロックでカッコ良い曲ですよね。バトルアニメのオープニング曲にはぴったり!

この曲、実は結構前からあったんです。ずっと“いつかシングルでみんなに聴いてもらいたいね”と温めていて、今回の『BORUTO』のタイアップのお話をいただいた時に、“あの曲の疾走感は作品の世界観に合っているから、このタイミングでお披露目しましょう”という流れになって。そこから楽器の音や歌詞もブラッシュアップして、さらにカッコ良いロックな曲になりました。

そもそも『BORUTO』のオープニングを歌うと知った時、どう思われました?

私は小さい頃から『NARUTO』が大好きで、いつか作品にかかわれたらいいなと、それこそデビュー前から夢見ていたんです。なので、ナルトの子供であるボルトが活躍する作品でお話をいただけて、めちゃくちゃ嬉しかったです! プラスして“ついにあの曲がみんなに聴いてもらえるんだ!”っていう喜びもあったし。そこで決まった“我武者羅”というタイトルや歌詞の内容からしても、今回はすごく攻めているんです。

親世代から続く物語だからこその主人公たちの葛藤と決意に、HoneyWorksが得意とする思春期ならではのモヤモヤ感みたいなものがうまく融合していますよね。

学生さんとかがすごく共感できる歌詞なんじゃないかと思っています。例えばAメロの《寂しいなんて言えるはずなく/存在証明は下手くそ》という箇所とか、ボルトのキャラクターにも合っているし、個人的にも“子供の頃は“寂しい”とダイレクトに言えるタイプじゃなかったなぁ”って共感できるんです。あと、ボルトたちの年代…12歳くらいって甘えたいけど甘えることが恥ずかしかったり、変な意地を張っちゃう年頃だから、それこそ中学生くらいの子たちには刺さるんじゃないかな? 逆に大人は“確かに子供の頃ってすごくガキだったな”とか思い返せるだろうし、作品に寄り添う歌詞がストレートに書かれていて、胸にグッとくるところがたくさんあるから、幅広い年齢層の方々に共感してもらえたら嬉しいです。

CHiCOさん自身、特にどのへんにグッときました?

個人的に自分を奮い立たせるような歌詞が好きなので、Cメロの《HEY! HEY! チキんな》のパートとかはすごく好きですね。ラップ調でヴォーカルもがなり気味だったり、チコハニでは初めてのスタイルで、ファンの方々からも“めちゃめちゃカッコ良い!”と言っていただけいてるんです。私はちょっとネガティブな人間なので、そういうのを聴いては“よし、私はできるんだ! チキッてんじゃねーぞ、自分!”と気持ちを高めたりして。「決戦スピリット」(2020年2月発表のシングル)とかもそうで、自分の中で“よし、モチベーション上げるぞ!”って時に聴いては背中を押されています。

自分の歌で自分を奮い立たせていると。ちなみに、どんな時に自分のことをネガティブだと感じます?

何かと自分の中でうまくいかなかったりすると、すぐガクッと下がるんです。もちろんライヴの時はみんながいるので、そういう気持ちにはならないですけど、うまくいかなかった日とか、すごく感傷に浸るんですよね。リビングに間接照明だけ点けて無音の中でご飯を食べたり。一回ものすごく落ち込んで、電気も点けずにお風呂に入ったこともありました(笑)。

逆に、そこまで落ち込めるからこそ、反動で“なにくそ!”という気持ちや力強さを歌声に込められるのかも。

そうですね。一回落ちるところまで落ちて、もう落ち込むのに疲れた頃に“よし、次は頑張る!”ってなるんです。「我武者羅」も自分を奮い立たせたり、“ひとりじゃないんだよ”と訴えるフレーズもあったりするので、この曲を聴いてモチベーションを上げてもらったり、勇気づいてくれたら嬉しいですね。

“我武者羅”というタイトルを最初に見た時は、“ずいぶん字面が強いなぁ”と驚いたんですけど、ある意味CHiCOさんにはシンクロしやすいワードなのかもしれませんね。

そうですね。こういう性格だからこそこの楽曲が必要で、私の波長には合ってるのかもしれないです。レコーディングでは、全体的にニュアンスを細かく詰めました。吐く息ひとつでさえ“ヒステリックな感じ”とか“荒々しく”とか、1ブロック歌うたびに体力を消耗するような感じで。そういうレコーディングの仕方は「プライド革命」(2015年8月発表のシングル)以来だったので、一曲通してのニュアンスには耳を傾けてほしいです。あとは、Aメロで上がって、Bメロでシュッと落ち着いたり、落ちサビで急にオクターブが下がったりと波のある楽曲なんで、みなさんにもカラオケとかで気持ち良く歌ってほしいですね。

つまり、CHiCOさん自身も夏のホールツアーで歌っていて気持ち良かった?

気持ち良いです! めちゃめちゃ難しいですけど(笑)。今回のツアーでは東京公演の2日目で「我武者羅」のMVも撮りました。ヤマコさんのイラストMVもあるんですけど、それとは別にライヴの様子をMVに収めるとか、そこにお客さんが映るのもチコハニでは初めてなので、よりリアルなライヴの臨場感やカッコ良い映像演出を感じてもらえるんじゃないかな?

ただ、これだけアツい曲で声を出せないというのは、お客さんにとっては厳しいですよね。

そうですね。「我武者羅」が始まるとちょっと一個ネジが外れるというか、声はなくてもみんなのテンションがガラッと変わるんですよ。本当だったらコール&レスポンスができる部分もあるので、みんな喉まで出かかっている声を一生懸命に抑えてくれていて。そのぶん、いつもの倍くらいペンライトを振ってくれたり、身体で盛り上がってくれたり、想像のはるか上をいく対応力を見せてくれましたね。ペンライトも真っ赤になった印象があって…でも、中には一回ペンライトを消して“拳で!”って人もいたと思います(笑)。

拳が似合いそうな曲ですもんね。

だから、ジャケットも普段はカジュアルで可愛い衣装のCHiCOを描いてもらうことが多いんですけど、今回はロックな曲なので、髪の毛を掻き上げてみたり、スカジャンを羽織ってお腹を出してみたり、イラストでも攻め攻めなのが新鮮です。あと、特典にはミニキャラのCHiCOが描いてあるコルクコースターが付くので、使うのがもったいない方は可愛く飾ってくれたら嬉しいです。私がファンだったら飾ります!

飲み終えたグラスの底越しに眺めるのも楽しそう。

あははは! それ、通な楽しみ方ですね!
CHiCO with HoneyWorks
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OKMusic編集部

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