平原綾香、多彩な表情にユリアの慈愛
を宿す ミュージカル『フィスト・オ
ブ・ノーススター 〜北斗の拳〜』ビ
ジュアル撮影レポート

本発のオリジナルミュージカルとして、2021年12月、東京・日生劇場にて上演される。タイトルは、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』。音楽にフランク・ワイルドホーン、演出に石丸さち子、脚本・作詞に高橋亜子というトップクリエイターたちが集結して創作される注目の本作において、ケンシロウの婚約者であり、多くの男たちが心惹かれるユリア役は、歌手としても活躍する平原綾香、May’ nの歌姫二人がダブルキャストで務める。このほど、平原綾香のビジュアル撮影のレポートが届いたので紹介する。

ビジュアル撮影最終日。最初にその姿を現したのはユリア役の平原綾香だ。ゆるく上品にウェーブのかかった長い黒髪が全身白のドレスに映え、揺れるまつげも美しい。首周りを優しく包むレースの飾り、透け感のある袖、長く引かれた裾。全身のラインを完璧にするために選ばれた白いハイヒールで颯爽とカメラの前へ立ったその表情には、早くもユリアの慈愛と意思の強さが宿っている。スタッフからも「しっかりと気持ちが入っていますね」との感想が。
平原綾香 ビジュアル撮影の様子  (C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111
イメージイラストを確認後、少し体をひねり、軽く背をそらしてスタンバイ。カメラの隣に置かれた姿見で髪の流れる分量や手の角度も入念に整えながらすっと宙を見つめる平原。絶妙に配される両腕の表情とシェイプされたウエストから一気に広がるドレープのその先まで、全身のラインそのものでユリアのオーラを放つと「素敵」「素晴らしい」の声と共に、全員一致で「これです!」と湧き立ったスペシャルカットも次々に生まれていく。
手元が映るカットでは急遽ネイルを塗り重ねる配慮も。目を伏せた祈りのポーズ、慈愛の表情に少しずつ凛々しさや強さを乗せていく感情のグラデーション、ダンスするかのような躍動的な一瞬など、平原自身の表現のバリエーションも豊富。派手な動きではないが思わず場を圧倒するような立ち姿の撮影ではカメラマンから「Beautiful!」と感嘆の声も上がった。
平原綾香 ビジュアル撮影の様子  (C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111
繊細な部分にまで目を配り佇まいを常に微調整、様々なオーダーの声にもレンズの向こうから「はい」と即対応。そしてカメラの前で見せる目力とモニターチェック時の談笑する微笑みはまさにONとOFF。集中力にもしっかり緩急をつけ役割に徹する平原のプロ意識は、現場を鼓舞するパワーを放出し続ける。
ラストスパートのシルエットから印象的なアップまで、じっくり撮り続けた1時間。愛に溢れたセッションが繰り広げられた。
平原綾香 コメント
自分なりに事前にイメージを膨らませて臨んだビジュアル撮影。原作の見た目に寄せていくのはもちろんですが、彼女の内面の優しさと強さ、抱えている宿命の重さのようなものが表情にも出るように心を配り、ポージングにもこだわりました。スタッフのみなさんと共に力を合わせて「お客様が想像しているユリアにどこまで近づけるか」を探りながらの時間はとても楽しいものでした。
自分がやるべきこと、宿命を背負い自分の人生を歩んでいくユリアの姿は、ある意味どの登場人物よりも男らしく、彼女を愛する者たちに「決して裏切らない」と思わせてくれる母のような温かさを宿している。それと同時に、少女性も持ち合わせているとても魅力的な人。精神的にも肉体的にも強さと柔らかさを兼ね備えたユリアは、私にとっても理想の女性と言えるかもしれません。
私はミュージカルはまだ3作品に出させていただいただけで、新作ミュージカルに関わるのも初めて。しかもまったく形も見えない状態からあの『北斗の拳』を舞台で表現するなんて! この作品はきっと、今までに観たことのない “初体験のミュージカル” になる気がしています。原作ファンの方々にもたくさん観に来ていただいて、この作品がミュージカルになるという歴史的瞬間を一緒に味わいたいですね。もちろん『北斗の拳』世代ではない方たちにも、原作の魅力がしっかり伝わるように、現場は絶賛“創造中”です。ミュージカルの概念を壊していくような作品になるであろう『フィスト・オブ・ノーススター 〜北斗の拳〜』。みなさま、どうぞお楽しみに!
取材・文=横澤由香

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