LAMP IN TERRENが明かす、節目にして
大きな岐路を迎えた現在の胸中

結成から15周年の節目を迎えたLAMP IN TERREN。今年に入ってから「心身二元論」「ニューワールド・ガイダンス」と、バンドにとっての新境地を見せつける新曲をリリース、コロナによってライブ活動が制限される中でもパフォーマンスの向上ぶりを示し、さらに、クラウドファンディングを活用することで、過去曲を再録したベストアルバムのリリースも決定し、秋には15周年を記念したワンマンライブを、地元・長崎と東京・日本青年館で控えている──と、進境著しい彼らだが、この度「ドラマー・川口大喜の年内をもって脱退」というニュースも飛び込んできた(編集部・ライターにもこのインタビュー中に初めて明かされたもの)。

道はここで分かれるが、バンドの物語は続いていく。果たして彼らはいま何を思い、どのようなモードでいるのか、包み隠さず話してくれた。
──先日の『FRI+END』で久々にライブを生で観たら、その姿から自信が伺えたというか。堂々たるライブをしていたなぁと思うんですよ。
大屋真太郎:俺らが大の歌とかに触発されて、より熱くなったライブだったのかな。それが自信があるように感じてもらえたのかなというのはあります。
松本大:緊張とかはないかもな。
中原健仁:こういうご時世で、ライブをやりにくくはなってきてますけど、俺らは定期公演とかもあるから、ライブをわりかしできてる方というのもあって。「ニューワールド・ガイダンス」っていう曲を作ってからは、自分の中でベースをプレイしていく上で意識していくことが結構増えたんですけど、逆に今までやってきたことに対しては自信がついてきていて。それが出せていたとは思います。
川口大喜:僕はあんまり変わらないです。逆にそこを変えないようにという意識ですね。
──なるほど。
松本:……俺は元々、あんまりライブが得意な方じゃないというか、好きじゃないっていうのが正しいのかもしれないですけど、わりと高いキーをずっと歌わなきゃいけなかったり、結構(声を)張るので、身体的に歌うのが辛いなぁというのがあって。(以前は)外に放出するよりも身体の内側に向けて力が入っていく感覚がすごく苦手だったんですけど、そこが吹っ切れた部分があって、苦手という意識は強くなったけど、だからこそ苦手意識と反発する形で外にエネルギーが向かっていって、よくなってる面はあるのかなと思います。
──その苦手意識って、今まではあんまり聞いたことがなかった気がします。
松本:こういうことも言っちゃいけないと思ってたので。ただ、自分が苦手かどうかはあんまり関係なく、観た人が絶対「良い」って思ってくれる自負があるから、こういう話ができるようになったのかもしれないですね。
──なるほど。ライブ面以外の、制作とかに関して今年はここまでどんな風に動いてきました?
松本:より引きこもりになったなっていう感覚は強いかもしれないです(笑)。制作自体、最近は「曲としてどうなのか?」みたいなことを意識できてる気がしますね。昔は、バンドってライブしなきゃいけないものだっていう意識で、ライブどう表現していくのかを念頭に置いた曲作り──「こうやったら喜んでもらえるだろうな」っていう意識で曲を作っていたと思うんですけど、それがあんまりなくなって、自分が本当にやりたい表現を追求できるようになったかなと思います。
川口:それによって音源は音源、ライブはライブで切り分けられるようになったので、音源ではまったくやっていないことをライブでやったりもしやすくなったというか。自由にできてる部分はあるんじゃないかなと思いますね。
──引きこもってたということは、各自がより制作に集中できる期間でもありました?
中原:そうですね。他にできることないし、またLAMP IN TERRENの曲がどんどん難しくなってきていて。
松本:ベースだけな?
中原:いやいやいや(笑)。ベースが難しくなってるということは、全体的にも難しくなってるはずなんだよね、ドラムとかさ。ただただ動くだけのフレーズを弾く難しさじゃなくて、バンドとしてのグルーヴをちゃんと生まなくちゃいけない難しさを、「心身二元論」あたりからずっと意識し続けなきゃいけなくなってきてる。まあ、練習してるのも楽しいし、もっとちゃんとやらなきゃなって。
松本大
──今年に入ってからの2曲でいえば、今までの曲で必要とされた技能や感覚とは違うものが要求されてる感じはありますよね。去年のアルバムリリース時のインタビューでは、その時のモードとしてロックで、内容としても怒りみたいなものの方を向いているという話がありましたけど、「心身二元論」「ニューワールド・ガイダンス」はまさに、という感じ?
松本:2曲ともそうですね。マインド的にはものすごくロックとかパンクとか、そっちの方で作っていて。「心身二元論」にはジャズ的要素が入ってますけど、あれは自分の怒りを考えた結果ああなっただけで、より虚しさだったり怒りがこもってたりするんです。だからヘラヘラしてます、曲が。
──怒りすぎて笑っちゃってる人、みたいなね。
松本:たしかにそんな感じです(笑)。
──音楽的には、やりたいことをやりたいようにできている感じもしました。
松本:ルールみたいなものは自分の中で決めてますけどね。やりたいようにやると、多分良いものにはならなくて。「心身二元論」も自分が作った気持ちのままのアレンジに納得がいかなくて、ものすごく悩んだし。正直、自分がやりたいことを全うするだけならそれでよかったかもしれないですけど、誰かの耳に届いた時に「これだけは届いてほしい」っていうところ以外を削ぎ落として、そうすることによって見えなくなったものを探せるというのもあり……正直すぎる曲作りはあまりしてない気がしますね。
──「やりたいように」っていう言い方は不十分だったかもしれないです。たとえば、曲を聴いて「この曲ではこういうことをやりたかったんだろうな」と思い浮かべる音があったとして、そこへ至るアプローチが「適切だな」って思えたというか。目指す姿を実現する手段を、ちゃんと突き詰めて形にできたっていう印象で。
松本:ああ。良かったです。それはそうかもしれない。到達できるようになったというか。
──そうなると、メンバー各自のアプローチとしてはどうでした?
川口:僕はあんまり考えすぎないようにして、自然に(ノリが)後ろに行きたくなるのであればやってみるし、それが気持ち悪いという意見があれば「じゃあジャストでやってみよう」とか。一旦は本能でやりましたね。
中原:打ち込みのデモを渡されて、これを人間がやるなら自分はどうするかな?ってやってみて。で、基本的に大がディレクションしてくれるんですけど、そこで自分のやりたいこととの差がそんなに無いから、戸惑うこともなく、曲の理解度も上がってくるし、自信も持てましたね。
──さっき言っていた難しさというのは、その過程での話?
中原:そうですね。自分の頭では鳴っているのに、演奏した時になぜかうまくできない、みたいな。これをどうやって出せばいいんだろう?っていうところの練習だったりですね、最近は。ただ、それができたときに自信が強くなっていって、ライブとかにも出てるんだと思います。
──真ちゃんはギター、どうでした?
大屋:今回は特に大と話し合いというか、お互いのイメージがズレないように、ひたすらしてましたね。「こういうのが合うと思うんだけど」みたいな提案ももちろんあるんですけど、一緒に作っていった感が強いので。
松本:「心身二元論」のギター、めっちゃよかったよね。真ちゃんはわりとギタリスト然としたプレイが得意で、僕はかなりリズムに寄ったフレーズを作りがちというか。だから、「わあ、ギターソロ!」っていうのは真ちゃんがやってて。
大屋:弾くとどうしても自分の好みが出ちゃうけど、それがどうしても曲に合わないっていう時があって。たとえば、ベースとドラムが結構揺れていて、ギターがスクエアなノリでいなきゃいけないときに、変な癖を出しちゃうとかもありますし。
松本:それが気持ちいいこともあるんだけどね。
大屋:あと、単純に「ニューワールド・ガイダンス」のイントロの音色をあれにできたのが嬉しかったのはあります。最初却下されたんですけど(笑)。
中原:ずっと言ってたもんな。
大屋真太郎
──この2曲で感じるロックってフォーマットではない部分ですよね。肌感で感じるものというか。みなさんの中で、ロックというものの捉え方や表現方法に変化はありましたか。
松本:変わったと思いますね。昔は、違う人間にならなくちゃいけない、自分でいてはいけないっていうふうに思ってましたけど、ロックって、最終的には自分でい続けることだったりするんですよ。自分を消せる感覚だったり、世と融合していく感覚を持っている人間だったら、ものすごいポップスを作ってるなって思うんですけど、そういう意味で僕は完全に松本大ありきで曲を作ってるので。
──たとえば「心身二元論」なんて音楽の形としてはロックではないじゃないですか。
松本:そうですね。形としては全然。
──でもそこをロックたらしめている要因って何だと思います?
松本:そこに関しては反骨心だったりするんじゃないですか。自分に対する反骨心というか、自分自身の価値観を壊すのも必要だと思っていて、それを怠ると中途半端な曲になるというか。自分のイメージを自分で壊すという……そのスクラップ&ビルド自体は俺はずっとやってきているんですけど。なんというか、「この曲にしかないもの」が欲しいんですよね、常に。
──じゃあ、音楽的にどういうジャンル感のものをやってみたい、が先にあったわけじゃないと。
松本:違いましたね。それは「心身二元論」も「ニューワールド・ガイダンス」も。「ニューワールド・ガイダンス」に関しては、新しい世の中に対してどうやって生きていくのかっていうことを考えた結果、自分の中ではああいう音作りになっていって、そこにどういう言葉を乗せるかって時に、やっぱりポジティヴなものでありたいなと思って。あの迫力であの歌であのメロディで鳴らすことで、自分の中で新しい扉を開けるっていう。
──根元のイメージが湧いてくる段階で、いま自分が好きで聴いている音楽や、世の中でよく聴かれている音楽との折り合いって、どのくらい考慮します?
松本:10%くらい? 流行ってるノリとかテンション感はいろいろありますけど、結局流行ってる音楽のことは考えてないかもしれないです。聴いていて「こういうものが流行っているよね」とは思うけど、俺たちだからこそやりたいこと、世の中に対して打ち出すべきことっていうのは、そのどこにも属さない感じはあって。
中原:うん。周りの流行りがどうとかよりは、どう弾けばこの曲が良くなるだろうっていう部分でしか考えてなかったので。
松本:そういう意味でいえば、R&Bのリズムの取り方やノリは日本でも徐々に流行りつつあったものだと思うし、そこは加味していると思うんですけど、音像で寄せていってる感じはしないです。ある程度は流行っている音楽を知っておく必要はあると思うんですけど、かといってそこに寄せていって名曲が誕生するかというとそうではない気がするので。
──そしてこの先にはクラウドファンディングのベスト盤リリースと、15周年のワンマンも控えているわけですけど──
松本:その前に、うちの大喜さんから発表があって。大喜さん、辞めます。
──え!?
川口:まあ、この(インタビュー中の)空気でなんとなくわかると思うんですけど、別に「お前らとはもうやっていけねえよ」とか、そういうテンションではないです。僕が環境を変えたいっていう、本当にそこに尽きるというか。
松本:ざっくり言うと「自分が主役の人生を歩みたい」と大喜から言われて。大喜は僕らと一緒にバンドをやる前、自分でバンドを作って能動的に動いていたんですけど、このバンドには俺が曲も作って9割くらいを占めてる状態のところに参加してもらった。メジャーデビューした当初、バンドの空気感をまず作りたかったので、健仁にも大喜にも色々と我慢させていた部分もあったし、そういうイメージをバンドの中に作っちゃったと思うんですよ。活動の途中からは「どんどん自分を出していこうぜ」みたいになっていったんですけど、大喜の中ではどこか引っかかっていた部分があったらしくて、このバンド以外の自分の人生を考えていくようになったというか。
寂しいのはありますけど──健仁と真ちゃんもものすごく寂しがってますけど──僕自身としては申し訳ない気持ちもありつつ、各々が自由になっていってバンドとしてやりたいことが明確になってきたからこそ、大喜は違う人生を選んでみたいっていう風に思ったのかなって……僕の見解として思ってるんですけど。どうですか。
川口:合ってますね(笑)。周りの方はどう言うかわからないですけど、勘違いしてほしくないのは、僕としてはLAMP IN TERRENで叩いてきたことに対して完全燃焼してるんですよ。もうこれ以上は俺にはないなって。でも、テレンには売れていってほしいんですよ。なので……テレンのライブを観たい(笑)。
──うん(笑)。
川口:観たいから辞めるっていうわけじゃないですけど(笑)。この変化をお互い前向きにとらえて、でっかく化けてほしいなとは思いますね。
松本:だから大喜がいま一番「ニューワールド・ガイダンス」やってるんですよ。
中原:そうだね(笑)。
松本:俺、15周年のワンマンライブに『Branch』っていうタイトルを決めたのは、神がかってるなと思って。このタイトルを決めた時には脱退は決まってなかったですけど、でもなんとなく予知していたことだったのかもしれないなって思うんですよ。ここからまた何か変わっていくんじゃないかなって思ってこの“枝”っていう意味のタイトルをつけたので。
やっぱり、各々の人生の重なり合いでバンドってできているので、俺ら3人が決めたことを大喜に強制することはできないんですよね。4人で納得することじゃないと、バンドでいる意味がない。その中で大喜がこういう選択をすることを、最終的には各々がちゃんと大喜と話して、「寂しいな」とか言いながらもちゃんと前向きになってます。
川口:……なんかすいません、(記事的に)面倒臭い感じになっちゃって。僕もどのタイミングでこれを言ったほうがいいのか迷って。
──さすがに動揺はしますけど……(笑)。でも、ベスト盤が出るということ自体は、別に脱退云々の区切りとは関係はないということですよね?
松本:区切りになっちゃったっていうか(笑)。もともとは自分の中で面白企画としてやろうと思ってました。でも、もしかしたら本当に良い時期なのかもしれないなと思いましたけどね。何かが変わっていく区切りとして。『The Naked Blues』制作の後半くらいから、自分の置いてるイメージに対する最適解が明確になったのがまずあって。昔は思いつくままにギターを足したりフレーズをぶち込んでいたので、曲の核の部分とそぐわないものがたくさんあったなって思っていたので、「ベスト盤を作らない?」っていう話をチーフマネージャーからされた時に、「作るんだったら──」っていう風に生まれたアイディアだったんですよ。
──なら再録ベストでっていう。
松本:はい。それはめっちゃお金もかかる話だから現実的ではないかもしれないけど、ベストアルバムを作ると言うんだったら、今の世の中はサブスクリプションとかで個々人のマイベストが作れるし、そんなの俺らがあらためて作る必要ないんじゃない?ってことを考えて、今の自分たちのベスト込みで作るっていうのがいいんじゃない?っていうところからスタートしました。
中原健仁
──このインタビュー時点では「multiverse」と「涙星群の夜」と「地球儀」のラフ音源しか聴いてないんですが、それらを聴く限りでも、わりとアレンジからガッツリ変わっているものもあれば、ちょっとしたニュアンスや音色の違い程度にとどめたものも入ってくるんだろうだなと。
松本:そうですね。アレンジを変えたい曲もあるんですけど、もともと俺がこだわりたかったのは要らない音を引くことと、録った音のミックスなんですよね。「心身二元論」でやったようなレベルで、音の配置にものすごくこだわりたいなと思っていて。一番良い音、最適な音を探しながら一から作っていく感じが自分の中でしっくりきたので、それをベスト盤でやろうと思いました。
──曲ごとの変化度合いも楽しみですね。実際、「multiverse」とか全然違っているし。
中原:違いますねえ。
松本:ベースとか難しくなってるし。
大屋:ブラックになってるね。
──歌い直してみたり、アレンジを変えて演奏してみたりして、あらためて気づくこともありますよね?
中原:そうですね。「花と詩人」めっちゃ良い曲だなと思って。「multiverse」とかも、わりと全部そうなんですけど。
松本:わりと全部良い曲だよね(笑)。
中原:やっぱ、大の曲や声が好きで俺はやってるんだなって、あらためて思いましたね。LAMP IN TERREN、良いやんけ!みたいな(笑)。
──真ちゃんは、音源としては初めて自分のギターが入る曲もありますけど。
大屋:そうですね。プレッシャー的なのはありましたけどね。要は、俺が入る前の曲もやり直す上で、どれだけ自分の色を出すべきなのか、そのアプローチは正しいのか、とか、絶賛悩みながらやっている感じなんですけど。すでにリリースされてる曲を改造するっていうことは、それぞれのリスナーの思い出がある曲に手を加え直すということなので、正直、自分がリスナーだったら、「この曲は自転車でどこどこに行った時に聴いたな」とかの思い出には、たぶん勝てなかったりもする。それでもみんなに良いと思ってもらえたらそれが一番理想的だから、違うバージョンとしてとらえてもらって、どっちも愛してくれたら嬉しいなと思います。
──15周年ワンマンにも触れておきたいです。まずタイトルは『Branch』。
松本:最初に考えたのは、4人の人生が束になったものが15年続いたと。それは尋常じゃないことだなと思って。ここから先も変わっていくんじゃないか、それぞれの生き方もあるんじゃないかとかも考えた時に、俺はLAMP IN TERRENを続けていくことが生きがいになっていて、自分の人生の軸になっていることだけど、それは選択の連続の上にあるから、枝分かれと一緒なんですよね。大喜のことがあった上で言うと、それぞれの人生がまた始まっていくっていう……でもこれは俺らだけに言えることじゃなくて、きっとお客さんに対しても言えることで。枝分かれの中で選ばなかった道もきっとあって、そこで何かが終わるし何かが始まっていくんじゃないかなと。すごく良いタイトルになったと思います。
川口大喜
──ホールでやる上でイメージしてることってあります?
松本:俺はライブが苦手ですけど、自分の声の強度や響き方はホールに似合うなと思ってるんですよ。だから、演奏どうこうより、自分の声をどこまで響かせるかってことしか考えてないんです。まずは俺の歌で勝ちに行くみたいなことを思ってます。一人の人間としての気持ちでいえば、バンドの演奏に歌で勝つっていう。
中原:シンプルに、直線的な音楽と広がっていく音楽があると思う中で、うちの曲って結構広がっていくような音楽だと思うので、たまにイベントとか対バンでホールでやらせてもらうと、めちゃくちゃ気持ちいいなって。それをワンマンでやれるっていうのが楽しみですね。
松本:前は、ホールが嫌だったんですよ。俺らはプロになる入り口が大阪城ホールだったんですけど、そこで自分の声の響き方や、自分の声がどれだけ強いのかを知っちゃった。ホールで歌った日に「これはたしかに良い声なのかもしれない」ってわかったんです(笑)。でも、基本的に俺は主役になることを自分から選んでいくのが得意じゃなくて、「ホールかあ」って思うと、自分が率先して前に行かなきゃいけないっていう気持ちが生まれてしまって。
──大阪城ホールの経験で逆にハードルが上がってしまった。
松本:そう。自分の中のハードルがめっちゃ上がって、腰が重くなったんですよ。でも自分がどう思うかと、相手がどう思っているかは全く違う話で。
──大喜くんとしては、どんなライブになったら良いと思いますか。
川口:あんまり変わんないですよ、いつもと。さっき大が「勝ちたい」って言ってましたけど、これは逆にやりやすい。僕としては、昔はボーカルより目立ちたいタイプのドラマーだったんですけど、途中からは、綺麗事に聞こえるかもしれないですけど、どれだけボーカリストが気持ち良く歌えるかを追求してきたんですよね。だったら「勝ちに行かせるよ」っていう感じですかね。
松本:……これは非常に滑稽な日になりますよ。
一同:(笑)
松本:このインタビューを読んで、ステージを観に来る人は、みんな俺のことを滑稽だと。あいつは勝とうとしてるけど敵がいないっていう(笑)。
中原:そう。そもそもうちの音楽で何を聴いてほしいかって、メンバーとしてはやっぱり歌なのよ。その前提があるから、お前が俺らの演奏より良いものを!って言っても、そりゃどうぞどうぞって。
松本:……これは滑稽な日になりますよ。
──勝ち確ですねえ(笑)。
中原:まあ、かといって負けるつもりはないけど、でも大が生き生きとやれる地盤を絶対に固めなきゃいけない。
川口:それが勝ちっていうね。
松本:これ3回言いますけど、絶対書いておいてくださいね。これは滑稽な日になります(笑)。

取材・文=風間大洋 撮影=菊池貴裕

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