【この2.5次元がすごい】大好きなセ
ーラー戦士に会える ミュージカル「
美少女戦士セーラームーン」最新作

(c)武内直子・PNP/ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会2021 大好きな作品であるからこそ、舞台化や実写化に抵抗を感じるというのは良くあること。原作である漫画やアニメが完成された世界だと思えば思うほど、抵抗を感じるのかもしれません。私にとって「美少女戦士セーラームーン」がまさにそんな作品でした。小さな頃からずっと大好きで、飼い猫にも推しのセーラーマーズこと火野レイちゃんから勝手に名前をもらいレイと名付けています。レイちゃんのように、気高く美しく育ってくれますように。2.5次元舞台が好きな私も少し悩みましたが、やっぱり目の前で動くセーラー戦士に会いたい! と向かったのが「ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』かぐや姫の恋人」です。
 これは2019年に上演された「ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』Le Mouvement Final」からキャストも一新した最新作。「かぐや姫の恋人」はセーラームーンのパートナーである黒猫ルナが主役で、人気の高いエピソードです。ルナの儚く切ない恋がどのように描かれるのか、原作には出ないセーラーサターンも登場するということでオリジナルな演出も楽しみでした。
個性豊かなキャラクターの魅力が舞台に大集合
 開始早々、舞台上にはセーラー戦士が勢揃い。この華やかさは舞台ならではかもしれません。セーラームーンを演じる田中梨瑚さんとセーラーヴィーナスを演じる牧野真鈴さんはキュートさを、セーラーマーキュリーを演じる前川歌音さんは知的な上品さを、小林れいさんはセーラーマーズの芯の強さを、松村キサラさんはセーラージュピターの持つ優しい強さをオープニングから見せてくれました。
(c)武内直子・PNP/ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会2021 「美少女戦士セーラームーン」の大きな特徴のひとつが、キャラクター全員のそれぞれ違った魅力でしょう。全員がそれぞれ輝いているからこそ、見ている私たちも誰かに共感したり憧れたりします。オープニングの動きひとつ取っても、それぞれのらしさを感じることができ、キャラクターが目の前に存在していると強く思わせてくれました。
 また、舞台の面白さは、自分の好きな視点で物語を追えるという点にもあります。漫画やアニメでは見えなかった「この時、私の推しは何をしてるの?」というシーンも舞台上では見たいポイント。男としての強さも女としての強さも兼ね備えたセーラーウラヌスは「男装の麗人」とも呼ばれるだけあり、天王はるかとして過ごす時の男性的な姿で多くのファンを魅了しています。パートナーであるセーラーネプチューン/海王みちるとのやりとりは、見ているこちらが照れてしまうほど。気がつけばはるかがみちるをエスコートしていたり、舞台を捌ける際は腕を組んでいたりと美しい2人の関係性にドキドキします。
 ほかにも、ちびうさを見つめるうさぎちゃんの優しい視線など、こうであればいいなと思っていたことが具現化されているようでした。演じているキャストの皆さんのキャラクターへの愛情を感じられ、ファンとしては感激の連続です。
戦闘シーンはセーラームーンらしい強さを表現
(c)武内直子・PNP/ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会2021 今作では、ルナの恋と並行し、プリンセス・スノー・カグヤという45億年もの間宇宙をさまよっていた彗星からセーラー戦士が地球を守るというストーリーが展開されます。戦闘シーンでは、苦戦しながらも仲間を信じ諦めない姿が描かれていました。回転するセットを中心に、舞台全体を使ってのシーンは大きな見どころです。
 タキシード仮面やルナの思いを力に、セーラー戦士が立ち上がる場面はまさに「美少女戦士セーラームーン」の本質を表していました。「セーラームーン」を見て育った女性は社会に出ても強いという話を聞いたことがありますが、タキシード仮面に守られるのではなく、彼への思いをきっかけにより強くなるセーラームーンの姿は強い女性の象徴にも感じられました。
 エンディングでは誰もが知っている名曲「ムーンライト伝説」を全員で披露。客席に笑顔を向けるキャストの皆さんの姿がとてもまぶしく、ステキな観劇となりました。好きな人にこそ見てもらいたい「ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』かぐや姫の恋人」は9月12日まで天王洲銀河劇場にて上演されるほか、千秋楽公演は国内ライブ配信&海外アーカイブ配信が決まっています。

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