w.o.d.『RUSH BALL 2021』ライブレポ
ート ーーどっしりと構える全く無駄
の無い硬派な轟音バンド

『RUSH BALL 2021』w.o.d.
2019年の『RUSH BALL』でライブレポート担当では無かったが、シンプルに観たくて観に行って、度肝を抜かれたのを未だに覚えている。とにかく轟音で硬派だったし、自分が青春時代の90年代に好きだったロックバンドたちを思い出したものだった。今回もリハの時点で音がデカいが、全く無駄のないタイトさで、サイトウタクヤ(Vo.Gt)、Ken Mackay(Ba)、中島元良(Dr)というスリーピースならではのかっこよさを感じた。本編が始まるにあたって、改めて登場するが、若いのに佇まいからして貫禄があるというか、洋楽フェスで海外の若いバンドを観てるかのような雰囲気すらある。
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リハの時点でエッジの利いたサイトウのギターを体感していたが、改めて1曲目「モーニング・グローリー」でギターが鳴ると、一音鳴っただけで鳴りが違うというか、本当に音が轟いている。<やあ調子はどう>という歌詞の入りからドキッとするし、今年1月リリース楽曲だけあって、この時代感というか、しっかりと気怠さが込められている。曲が終わると次の曲へと淡々と進んでいくが、3人だけというコンパクトな座組なのにインパクトが強烈……。サイトウが跪いたり、倒れこんだり、寝転んだりとギターを弾いていくが、何をやっても絵になる。
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2年前のライブ詳細全てを細かく覚えているわけではないが、特に何か長いMCがあったという記憶はない。今回も3曲終わったくらいで、一言も喋らず黙々とチューニングなどをする。さっきまでの轟音が嘘かのような静寂が続くが、全然嫌じゃないし、間が空く事を一切恐れる事ない姿勢は潔い。これぞ威風堂々。「『RUSH BALL』楽しんで」という一言から、何事も無かったかのように終盤へと突き進んでいくのみ。
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どっしりとしたリズム隊がたまらない「踊る阿呆に見る阿呆」から、ラストナンバー「1994」への流れが凄く好きだった。特に「1994」のドラムの速いカウントから一気に疾走していくのに、ストレートなメロディーは、そのまま多くの人の歌になりそうな大衆性を持っていた。「バイバイ」とだけサイトウが言い残して去って行ったが、こんな硬派な野武士みたいな若者バンドが存在する事が何よりも嬉しい。
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取材・文=鈴木淳史 撮影=渡邉一生
『RUSH BALL 2021』オフィシャルレポート一覧はこちら

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