日本フィルハーモニー交響楽団 首席
客演指揮者にカーチュン・ウォンが就
任決定

日本フィルハーモニー交響楽団の首席客演指揮者(Principal Guest Conductor)に、シンガポール出身の指揮者カーチュン・ウォンが就任することが決定した。2021年9月1日より2年間の契約となる。
2020年3月6日、 カーチュン・ウォンは、 日本フィルの東京定期演奏会にマーラーの交響曲第5番を引っ提げデビューを果たすはずだったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止に。1年後の2021年3月に改めて初共演を果たした。その際マエストロが選んだ作品は、日本フィルが桂冠指揮者兼芸術顧問ラザレフと共に磨き上げてきたロシアの作曲家ショスタコーヴィチの室内交響曲と、 ソリストに首席奏者杉原由希子を迎えたR.シュトラウスのオーボエ協奏曲、 そしてメインはベートーヴェンの交響曲第6番《田園》。 いずれも両者が初共演とは思えない充実した内容で好評を博した。
今回、首席客演指揮者就任のお披露目として、2021年12月には、昨年実現できなかった「マーラー:交響曲第5番」に取り組む。2016年のグスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝した実績があるカーチュン・ウォンのこの作曲家に寄せる思いは非常に篤いものがあり、 今後もマーラー作品を重点的に取り上げる計画を立てているという。また、マーラーの他にも、 細川俊夫や伊福部昭といった日本人作曲家も積極的に取り上げてゆきたいとしている。
今回の就任にあたり日本フィルハーモニー交響楽団は、「現在、 民間オーケストラの置かれた状況は国内外を問わず厳しいものがあります。 しかしながらこの時代を日本フィルは新しい首席客演指揮者カーチュン・ウォンを迎え、 さらに盤石な指揮者陣体制を整えていきながら、 より高みへ邁進してゆくことを決意いたします」としている。
カーチュン・ウォンよりメッセージ

カーチュン・ウォン 日本フィル首席客演指揮者就任決定 インタビュー動画

日本フィルハーモニー交響楽団の家族の一員になれることを真摯に受け止め、 そして光栄に思います。
メンバーの皆様と初めて音楽を共にしたその瞬間から、 メンバー1人1人の『職人魂』に圧倒されました。 日本フィルの皆様と実り多き「芸術の旅路」を共にできることを楽しみにしています。
カーチュン・ウォン プロフィール
カーチュン・ウォンは、 現在最も刺激的で革新的な若手音楽家の一人である。 マズアの愛弟子であったウォンは2016年のグスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝、 直後にドゥダメルの招きを受け2017年にロサンジェルス・フィルでアシスタントを務めた。 これまでにニューヨーク・フィル、 ロサンジェルス・フィル、 チェコ・フィルをはじめとする世界の著名オーケストラを指揮。 また、 グスタフ・マーラーの孫娘であるマリーナ・マーラーと共に、 プロジェクト・インフィニチュード(Project Infinitude)を共同で創設。 2020年新型コロナウイルスの世界的感染流行中には、 世界各地の1000名にのぼる演奏家に働きかけてベートーヴェンの『歓喜の歌』のデジタル・シングアロングを作り、 総額200万ドル近い寄付を集めた。 2019年12月、 ドイツ功労勲章受章。 ニュルンベルク交響楽団の首席指揮者。

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