エルスウェア紀行が鳴らす、柔らかな
強さ

気高さを響かせて

柔らかく、強くて、温かい。エルスウェア紀行とは、天然素材100%のコットンのようだと思った。世の中には、強さを示すために腕っぷしの良さをアピールしたり、権力を誇示してみたりする人もいるが、彼らの持つ“強さ”は全く別物。他者に対してどうこうするためではない、自身を美しく保つための気高さなのだ。

2016年2月の結成から、彼らは切なくも甘いポップスを紡いできた。音楽理論に影響されないヒナタ(Vo./Gt.)の楽曲を、トヨシ(Gt./Dr./Cho)がまとめあげることにより作られる音楽は唯一無二。どこか引っかかる違和感がありながら、心地よいポップスへと昇華されているのだ。
また、歌詞のひとつひとつも印象的である。情景を鮮やかに描き出す詩的なリリックは、“泣き声”と相まってより抒情的に輝きだす。自分のなかで描きたい世界が定まっているからこそ、ぶれることなく進んでいけるのではないだろうか。

先日配信が開始された「普通の毎日」は、ヒナタのソロ時代に制作された曲をエルスウェア紀行として新たに音源化したもの。楽曲データはそのままに、バンドのテンションが伝わるミックスになっているので、“今の”ふたりを感じてほしい。

エルスウェア紀行 アーティストページ

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