渋谷に領域展開 『アニメーション
呪術廻戦展』で『呪術廻戦』の世界に
飲み込まれる

週刊少年ジャンプにて連載中の、芥見下々(あくたみげげ)による大人気コミック『呪術廻戦』。原作はもちろん、2021年3月まで放映されていたアニメ版も多くのファンを熱狂させてくれた。
2021年夏、渋谷にある東京アニメセンターにて『呪術廻戦』のアニメの世界を追体験する展覧会『アニメーション 呪術廻戦展』が前後編に分かれて開催される。7月2日(金)から8月1日(日)までの前期では、アニメの1話から13話を取り上げた「呪胎戴天(じゅたいたいてん)」「幼魚と逆罰(ようぎょとさかばち)」編が。そして8月6日(金)から9月5日(日)の後期では、14話から24話を取り上げた「京都姉妹校交流会」「起首雷同(きしゅらいどう)」編に展示替えが行われるという。
『アニメーション 呪術廻戦展』 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
この記事では、会期前編の内覧会の様子をレポートする。見どころを辿りつつ、『呪術廻戦』の世界にダイブして行こう。
お札に導かれて
『アニメーション 呪術廻戦展』フォトスポット (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
エントランス付近で出迎えてくれるのは、第1話冒頭で主人公の虎杖悠仁(いたどりゆうじ)が拘束されていた部屋を再現したフォトスポット。闇に浮かび上がる無数のお札が不気味で、一気に物語の世界に引き込まれるようだ。
会場内にはこのお札のデザインを模したパネルが4か所に設置されている。そこにプリントされたQRコードを読み込むと、自身のスマートフォンで音声ガイドを聞くことができる仕掛けだ。事前にアプリのダウンロードが必要になるけれど、キャラクターのCVを務める声優たちが思い入れを持って解説してくれるので、ぜひ展示と併せて楽しんでほしい。
線の力・色の力・音の力
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
展示室には、貴重な絵コンテや原画がアニメの時系列に沿ってずらりと並んでいる。よく見ていくと、同じキャラクターを描いていても、作画する人によって微妙に異なる色気を感じることができるだろう。
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
そして会場の東京アニメセンターといえば、横幅約7mの大スクリーンを使った展示も魅力のひとつだ。本展では、呪いの王である両面宿儺(りょうめんすくな)の領域「伏魔御廚子(ふくみづし)」が、スクリーンと合わせ鏡の効果で無限に展開されていく。この領域展開のアニメ演出は、原作者との打ち合わせで音や質感を精査した、監督こだわりのものなのだそう。
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
禍々しく笑う宿儺の原画も展示されているので、じっくり眺めて圧倒されよう。ちなみに、解説パネルでアニメーションプロデューサーの瀬下氏が “歯並びの良さ” に言及しているのがちょっと面白い。
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
奥に続くのは、少年院での伏黒 恵(ふしぐろめぐみ)と宿儺の戦いをフィーチャーしたエリアだ。絵コンテ&原画でよみがえる名シーンの数々にテンションがグイグイ上がる。実は内覧にあたって、展覧会サブタイトルになっているアニメの第4話「呪胎戴天」、第9話「幼魚と逆罰」周辺をおさらいしてから訪れたのだが、展示を見た後、さらにもう一度復習をしたくなってしまった。
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
足元には伏黒の式神たちが浮かび上がっていて可愛い!
五条悟の等身大フィギュアも登場
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
続く展示室の奥でスポットライトを浴びているのは、もしや……
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
本展のために製作された、最強の呪術師・五条悟(ごじょうさとる)の等身大フィギュアだ。ラフな姿勢で、トレードマークの目隠しを外した瞬間をかたどっている。
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
少し丸まった背中もクール。背景のスクリーンでは、五条悟の領域展開「無量空処(むりょうくうしょ)」のワンシーンが流れている。セリフのタイミングに合わせて照明も鮮やかに変化するので、ちょっぴり呪力を食らったような気分になれるかもしれない。
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
このフロアの見どころは、もちろん等身大フィギュアばかりではない。キャラクターデザインの平松氏が各キャラクターについて語るインタビュー映像は、プロの細部へのこだわりと遊び心を感じられるので必見だ。伏黒のヘアスタイルについて「ウニって言われてるやつね!」と朗らかに笑うひとコマも。
そしてストーリーは加速していく
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
続く展示室では、物語はいよいよ「幼魚と逆罰」に相当する、強敵・真人(まひと)戦へ。バトルシーンの絵コンテと実際のアニメ映像の比較が豊富に展示され、非常に見応えのあるパートだ。
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
獣のように激昂する主人公の虎杖。展示パネルの星のような枠組みは、真人の領域展開で見られた “印を結ぶ手” をモチーフにしていて心憎い。
この後に続く「京都姉妹校交流会」「起首雷同」編は、展示替え後、後編でのお楽しみとなる。個性豊かなキャラクターが続々登場する後編は、力強い原画の魅力をさらに大胆に味わわせてくれることだろう。
『アニメーション 呪術廻戦展』会場風景 (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
ちなみに……個人的に好きだったのは、出口のそばにあるコチラの映像展示。アニメ1期のエンディングでは登場人物たちがイケイケのダンスを披露していたが、ここではその「コンテ」✕「ダンサーによる実写映像」✕「完成映像」の3つを見比べることができるのだ。実写映像で魅せるダンサーの躍動感がアニメーションに落とし込まれていくのがよく分かる。
展覧会オリジナルのほっこりイラストも
『アニメーション 呪術廻戦展』フォトスポット (c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
最後に、本展前期のために描きおろされた特別イラストをドーンと大きく使ったフォトスポットが。満開の桜の下でお花見をするキャラクターたちの平和な佇まいにニヤニヤしてしまう。このイラストをあしらったオリジナルグッズも多数用意されているので、ミュージアムショップもお見逃しなく。
『アニメーション 呪術廻戦展』は、前期が7月2日(金)から8月1日(日)まで。後期は8月6日(金)から9月5日(日)まで。図らずも(?)会場の東京アニメセンターは、渋谷にある。この夏の “事変” を是非その目で目撃してみてほしい。

(c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
文・写真=小杉美香

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