LE VELVETS、10年ぶりにビルボードラ
イブ東京でコンサート開催! 結成13
年を振り返り「挑戦また挑戦の日々」

今年結成13年目を迎えるLE VELVETSが10年ぶりにビルボードライブ東京でコンサートを行う。彼らのルーツである路上ライヴを行っていたスポットのひとつが東京ミッドタウン前の広場。そのビルのライヴハウスで歌うとあって、10年前は栄えある気持ちでパフォーマンスをしたと回想する。今では4人それぞれが、ミュージカルをメインとする舞台で大活躍するスターとなった。ユニットとしての初々しさを失わない理由は、一人ひとりが「4人で歌うことの素晴らしさ」を大切にし、ファンに感謝しているから。2日目の2ndステージは生配信となり、幅広いファンが4人の魅惑の歌声を楽しむことができる。
取材日となった6月某日は、多忙なメンバーが久しぶりに全員そろったこともあり、賑やかなムードで盛り上がった。誕生日が近い日野真一郎(テノール)を他の3人が祝福するシーンも。
佐藤隆紀(テノール):10年前はメンバーが集まるとはしゃいでいましたね。今は昔よりは落ち着いて、わちゃわちゃ感はなくなったと思います(笑)。コロナ禍でコンサートが出来なかったときは、本当に自分を磨く時間にしようと、発声も一から見直して練習していました。そこで新しい自分に出会えましたし、再び聴きに来てくださるお客様には、進化した歌をお聴かせしたいです。
佐賀龍彦(テノール):今回のビルボード東京でのコンサートは、ピアノ伴奏のみのシンプルな構成です。今までやらなかった試みで、いいところは歌そのものをもシンプルに伝えられるところ。逆に言うとごまかしはきかないので、自分たちがより集中できるプログラムにしようと考えています。
佐藤隆紀
佐賀龍彦
日野真一郎(テノール):前回は、ビルボードのステージ後ろのカーテンをどのタイミングで開けようか、ということも話し合いましたね。本番でお客様をステージに上げたりもして、懐かしい思い出です。
宮原浩暢(バリトン):昔からのお客様もいらっしゃいますし、途中から合流したファンの方や、新しく聴きに来てくださる方もいます。僕らは全員クラシックを学んできて、最初の頃はそれを活かして楽しんでもらえるよう試行錯誤してきたのですが……よく言っていたのは、お手本になる人たちがいなかったんですよね。10年前はそんな状態でした。
日野:昔歌っていたのを聴くと、淡々としていたなと思いますね。そのときはそれでいいと思っていたのですが、今ならもっと色々なパターンを試すことが出来るんです。曲をショーとして見せることも大事なんだけど、自分たちの心もノッていないとお客様に喜んでいただけない。今まで僕らを見てきてくださったお客様を「わー、楽しい!」と感動させるコンサートを作りたいですね。心を動かすものを作るのは難しいけど、それを探しています。
宮原:お客様からはダイレクトな感想をお手紙でいただくこともありますから。ストレートなご意見をいただくこともあります。
佐藤:音大を卒業したばかりの頃は、滅茶滅茶考え方が硬かったんです。技術至上主義みたいな感覚もあったけど、このグループに入ってそれを壊されたのが自分にとってよかったと思う。お客様が何を求めていて、どんなときに感動するのか……色々な経験を経て、技術を聴かせるというこだわりを捨てたときに『今日のコンサートはものすごく良かったです』と言っていただけたんです。ただ気持ちを届けようとして歌ったら、お客様にも伝わっていたんです。
日野真一郎
宮原浩暢
――全国にファンをもつLE VELVETSは、各メンバーの故郷でのコンサートも行ってきた。多くのリスナーが、今回ビルボード東京でのコンサートの模様を配信で見られるのは嬉しいところ。
佐賀:前回の配信コンサートでは、僕らの歌を聴いたことがなかった方が、初めて観たという話も聞きました。奥様が僕らのコンサートによく来ていて、最近LE VELVETSのグッズが家の中に増えていたので「誰なんだ」と思っていた旦那様が配信で一緒に見てくださったとか(笑)。
日野:自分がリラックスできる環境で見て楽しめるのはメリットですね。普通のチケット代よりリーズナブルだし、ちょっとだけ僕らに興味があるという人も、気軽に見られますよね。
宮原:部屋の中でも、スマホでも大きいスクリーンでも見られるのは便利だと思います。
――結成13年目を迎えての、グループとしての意欲もますます向上していると語る。
佐藤:気持ち的には円熟期ではなく、まだまだ創成期です。挑戦また挑戦の日々ですし、ステージを一番いい状態にしていくために、冒険者でいたいと思っています。色々作って試して……ということを続けていこうと思っています。メンバーが80歳くらいになったら、円熟期といってもいいかも知れませんね(笑)。
LE VELVETS(佐賀龍彦、宮原浩暢、日野真一郎、佐藤隆紀)
取材・文=小田島久恵

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