それは、光をつかむための新たな幕開
け!!nilfinity、ネット音楽界で話題
を集めだした「ゼロイノン」について
語る!!
あれから約半年後となる7月10日、nilfinityは最新楽曲「ゼロイノン」をYouTube上で動画公開。日時を合わせるように、ライブという場を通して活動の再開をファンたちの前で告げた。何より嬉しい衝撃的だったのが、作曲・アレンジをKAZUKI(from LAID BACK OCEAN, ex ゼリ→) が担当。バンド初のアニメーション動画を沼田ゾンビが手がけた「ゼロイノン」に、進化したnilfinityの姿が映し出されていたことだ。絶望へ心地好く身を浸していたnilfinityが、「ゼロイノン」を通して光を求めてきた。そこには、どういう意味があるのか。その真相を、メンバーの歌蘭(Vo)と橘 涼介(G)に伺った。
――今年の2月5日に、nilfinityは「nilfinityらしさを結晶した」アルバム「ZOETROPE」を発売。その直前では収録の曲のAccompliceがテレ朝系の番組のタイアップに決まったりと、ファンたちや関係者筋の間で高い評価を得ていました。きっとここからガツガツ攻めてく…と思っていたら、2月21日に活動を停止、約半年間表舞台から遠ざかりました。7月10日には赤羽ReNYでのレーベル主催公演のトリとしてふたたび表舞台へ戻ってきましたけど、「なぜ、表立った活動を止めたのか?」と思っている方も多いと思います。まずは、その真相から聞かせてください。
歌蘭 1月にライブ会場でアルバム「ZOETROPE」を先行発売。2月5日に全国CDリリースを行ない、まさに「ここから!!」という時期に、nilfinityは「一度ライブ活動を停止します」と宣言をしました。その宣言をしたときには、確かに「アルバムを発売したばかりなのにどういうこと?」という反応を多くいただきました。
橘 涼介 アルバム「ZOETROPE」は自分たちでも自信を持って「これがnilfinityです!!」と断言できる作品になりました。同時に、自分たちの中には「これまでとは異なる色をnilfinityに加えたいし、nilfinityの可能性を広げたい」欲求も強く芽生えていた。つまり、最高の作品を作り上げたからこそ、より高い次元へ進むためとにも、僕らは制作へ集中する時間が必要だったんです。
歌蘭 それまで月4~6本というペースでライブ活動を続けてゆく中、もっと自分たちのレベルを上げるため、視点を広げるための制作へ時間を費やす必要を2人とも感じていました。その時間を作るためには、思い切った行動が必要でした。
――それで、半年という水面下の活動時期を設けたわけだ。
歌蘭 そうです。その期間の中、多くの楽曲を制作・レコーディングしましたし、これからより力を入れようと思っているネットミュージックという場へ向け、動画制作にも力を注いできました。そのうえで、ようやくnilfinityが次のステージへ進める攻めの第一歩を踏みだせる自信を得たことから、作曲・アレンジ・エンジニアリングにKAZUKI(from LAID BACK OCEAN, ex ゼリ→) さんを迎えた「ゼロイノン」を制作。Adoの「ギラギラ」などのイラストを手がけている沼田ゾンビさんにイラストをお願いし、動画を作り上げ、活動の再開に合わせて公開したわけです。
――より、進化した姿や新たな展開を作るうえでも、半年という水面下の日々は必要だったわけですね。
歌蘭 nilfinityという存在が、もう一段上に進むために、いろんな殻を打ち破るうえでも必要な期間だったと思います。
――これまでずっと、橘さんが作曲を手がけてましたよね。にも関わらず、外部の方を起用したのは正直驚きでした。
歌蘭 nilfinityに新しい色を加えたい想いを持ったことが、一番大きな理由としてあることでした。もちろん、彼(橘 涼介)の作る楽曲がnilfinityの世界観を確立してきたわけだし、これからも彼の作りあげる新曲を形にし続けて行きます。実際にレックも終わっている曲もあれば、すぐにでもライブで披露できる段階まで作り上げている曲もあります。しかし同時に、この2人以外の血も入れてみたい気持ちがお互いにあったことも大きかったんです。LAID BACK OCEANのKAZUKIさんにお願いをしたのは、もともとnilfinityのプロデューサーと繋がりがあった中、紹介を受け、「この人は」と思ったこと。それと、これまでKAZUKIさんは自分のバンド以外で楽曲提供をしたことがないとおっしゃっていたので、だったら、その初めてをnilfinityが奪ってしまおうとお願いをしたところ、快く引き受けてくださいました。KAZUKIさんなりにnilfinityの現状、今後の進化をたくさん考えて曲を提案してくださったと思います。
――橘さんも、自分以外の血を求めることには賛成だったわけですよね。
橘 涼介 もちろん、これまでのnilfinityの世界観を形作ってきたのは自分の楽曲だというプライドはあります。だけど、そこには固執してないというか、こだわりを持たないようにしています。理由は、「こうでなきゃ」という意識を持ってしまうと、本当なら見えるはずのものも視野や意識が狭くなって見えなくなってしまうからです。今回のように、他の方の血をnilfinityに注ぐことに関しても、それでnilfinityが良い方向へ進むのなら嬉しいこと。むしろ、大歓迎です。実際に「ゼロイノン」が生まれたとき、その気持ちは確信に変わりましたからね。
――ということは、今後もいろんな新しい血を入れ込んでくということですよね。
橘 涼介 すでに、7月10日に行なった復活ライブのとき、「ゼロイノン」に加え、もう1曲、異なる布陣で作り上げた楽曲を披露しているように、そこは今後も続けていきます。もちろん、自分の楽曲も変わらず形にし続けていきます。
歌蘭 実際に新しい血を取り入れたことはとても好評で、「ゼロイノン」のMVを入れたtwitter動画は、3日間で1万以上の再生やいいねをされました。それまでが云々ではなく「格好いいものは格好いい」といいますか、本当に良い作品を作れば、それは評価されるのを自分たちでも実感できましたし、「興味を持ったものには、変なこだわりを持つことなくやっていこう」という気持ちがさらに強くなりましたね。
橘 涼介 「ゼロイノン」はヘヴィな曲調にも関わらず、サビからパッと広がってゆくポップセンスとか、自分じゃ絶対に作れないスタイル。KAZUKIさんの楽曲が、nilfinityの中へ新しい風を吹かせてくれました。
歌蘭 KAZUKIさんからはデモ音源を3曲いただいたんですけど、どれも衝撃的。その中でもとくに「ゼロイノン」は、nilfinityらしさの似合うダークな要素の中へさりげなくポップさを与え、聞きやすさという魅力を与えてくれました。聞いた瞬間から、「これ、歌いたい」と思えていたくらいに衝撃的な楽曲でしたね。
橘 涼介 だって、作詞のスタイルも変わったよね。
歌蘭 そうなんです。ただし、作詞のスタイルを変えたのではなく、その楽曲が呼び起こした言葉を書き記した結果、これまでとは違う表現になっていたということ。これまでnilfinityの歌詞と言えば、絶望を言葉にするというか、心の深い闇を表現してゆくことが中心でした。わたし自身も、絶望の感情などをえぐり取るように書き綴ってきたように、本当に救いのない歌詞が多くありましたし、それは、これからも変わらないこと。実際、その闇や痛みに寄り添うことで心救われれば、「わかる!!」と共感や共鳴してゆく人たちも多く現れれば、そういう人たちがnilfinityの音楽を好きになってくれました。だけど「ゼロイノン」の歌詞は、これまでよりも明るく世の中へ目を向けたように、だいぶ前向きな心情で思いを書き記しています。
歌蘭 それは、正解(笑)。
橘 涼介 これまでに歌蘭が書いてきた歌詞は、どれも「あえて口にはしないけど。でも、誰もが感じたことのある心情だよね」という痛みを伴った思いを言葉にしていました。だからこそ、時間が経つごとに。その想いの理解を深めるほど、一つ一つの言葉がジワジワと心に染み込んできてたんですね。でも、今回の「ゼロノイン」では前向きな考えにスイッチしてるというか、カラッとした楽曲の雰囲気にも合った歌詞になっています。とくに「信じてみるのも ワルクナイサ」という歌詞を読んだときには、すごく前向き!!と思いました。
歌蘭 「ゼロイノン」とは、「的を得る」「焦点を絞る」などの意味を持つ「ZERO IN ON」の略。この歌詞は、「突き進むべきところへ焦点を絞る」という想いを持って書いています。「ゼロノイン」も全体的にネガティブな歌詞ですし、絶望を覚えてるんだけど。でも、「何を信じればいいのか」「何が一番大事なのか」という答えを探しながら、そこから次第に気持ちが前向きに変わっていく心情をここには記しました。一見、暗い歌詞に思われるかも知れませんけど、わたしにとっては心情の移り変わりを輝くように明るさMAXで書いた歌詞なんです。
橘 涼介 最後にちゃんと前を向くところがいいよね。
歌蘭 曲調も、歌詞も、そう。nilfinityとしての揺るがない芯を持ちながらも、そこから新たな枝葉を広げた、その最初の姿が「ゼロイノン」。これからも、表現の枝葉を広げていけたらいいなと思っています。
――これから、どんな風に表現の枝葉を広げてゆくのか楽しみです。今はライブ本数を絞りながら、1本1本の質を高めていますよね
歌蘭 本当なら全国ツアーをやりたいし、支持の高い海外にももっと攻めていきたいんですけど。今もまだライブを行なうのは厳しい環境のように、現在は本数を絞り、より意味を深く持たせたライブをやっています。その変わり、今はネットを使っての発信力を高めた表現に力を入れています。それにネットなら、世界中の人たちとの繋がりも深くしていけますからね。
――「ゼロイノン」の動画を公開して以降の反響はどうですか?
歌蘭 動画コンテンツの面白さは、最初はみんな先入観なく、見たときの音と絵の印象で楽曲を判断してゆくところ。純粋に音に対しての好評が多いのも、そこが要因なのかなと思っています。そのうえで、後で歌詞もじっくり触れてくれたらなと思っています。
橘 涼介 動画コンテンツやサブスク展開などネットアプローチを強めたことで、SNS上のフォロワー数も増えるなど、確実に新しい人たちの目や耳に触れています。それが見えているからこそ、今はそこに力を注ごうと思っているのは、もちろん。すでに新しい動画コンテンツも作ろうと制作を進めています。これは言っていいのかな?ノーカットのMVとかね。
歌蘭 次は誰にイラストを頼もうかなと考えながら、水面下では次々と新しい動きを作っています。もちろん、ライブ面でも、いろんな展開を進めていますから。1つの楽曲を1つのプロジェクトとして、また色んなnilfinityを見せていけたら良いなと思います。
橘 涼介 「ゼロイノン」をきっかけにnilfinityを好きになってくれたら、ぜひ公式YouTubeチャンネルも観てください。そこには過去のライブ動画などもあるように、これまでのnilfinityの歩みや音楽にも触れてもらえたら嬉しく思います。
歌蘭 「ゼロイノン」はYouTube動画限定で公開すれば、今後もネット上で新しい音源も出していこうと思っていますが、もちろん、ゆくゆくはCD音源としてのリリースにまで持っていくつもりです。気になった方は、まずnilfinityの動きを。そして音源を追いかけてくれたら嬉しいです。
歌蘭(Vo)コメント
橘涼介(Gt) コメント
KAZUKI コメント
◯ライブスケジュール◯
7月24日(土) 下北沢シャングリラ
ゼロイノン / ニルフィニティ
ニルフィニティ復活の楽曲は
作曲・アレンジ・エンジニアリング:KAZUKI(from LAID BACK OCEAN , ex ゼリ→)
イラスト・動画:沼田ゾンビ
Myuu♪
フェスティバルをテーマにしたWEBマガジン。フェスティバルの最新ニュースや役立つ情報、最新のフェスカルチャーを発信していき、これからのフェス文化をさらに盛り上げてまいります。