「北斗の拳」がミュージカル化 ケン
シロウ役に大貫勇輔、トキ役に加藤和
樹&小野田龍之

(c)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111 格闘アクション漫画の金字塔「北斗の拳」のミュージカル化が決定した。「フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~」のタイトルで、12月に行われる東京・日生劇場でのワールドプレミア公演を皮切りに、国内ツアーとして全国各地を巡る。チケット販売は今秋に始まり、2022年には中国ツアーも展開予定。
 ミュージカル版では、最終戦争で荒廃した世界を舞台に、一子相伝の暗殺拳“北斗神拳”の継承者であるケンシロウが、幾多の仲間やライバルたちとの出会いと別れを繰り返しながら、世紀末覇者「拳王」を名乗り恐怖で世界を支配しようとする、かつての兄弟子・ラオウに立ち向かっていく姿が描かれる。
 主人公のケンシロウ役には、ダンサー・俳優で「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」では神戸大助役を演じた大貫勇輔が抜てき。ケンシロウの兄弟子でラオウの弟でもあるトキ役は、ミュージカル「テニスの王子様」の加藤和樹と、「最遊記歌劇伝」の小野田龍之介がダブルキャストで担当する。南斗水鳥拳の使い手レイと、南斗五車星のひとりジュウザを、ミュージカル「王家の紋章」の伊礼彼方と、「レ・ミゼラブル」の上原理生が回替わりで交互に演じる。そのほか、北斗神拳の師父リュウケン役を川口竜也、南斗弧鷲拳の使い手で、ケンシロウのライバルでもあるシン役を、植原卓也と上田堪大がダブルキャストで務める。北斗の長兄ラオウ役と、ケンシロウの婚約者であるユリア役、ケンシロウと行動をともにするリン役、バット役などのキャストは今後発表される。
 プロデュースは、ホリプロと上海の演劇制作会社・染空間 Ranspaceが共同で担当。音楽はミュージカル「ジキル&ハイド」「マタ・ハリ」などで知られる、アメリカ人作曲家のフランク・ワイルドホーンが手がける。振り付けは、中国の国家第一級演出・振付家の趙明(ジャオ・ミン)が担い、バトルシーンでは中国の伝統舞踊を取り入れたダンスを中国人ダンサーが舞い踊る。演出は石丸さち子、脚本は高橋亜子が担当する。
 大貫は「お話をいただいてから原作を2度読ませていただきましたが、自らの正義と愛を貫くケンシロウのような人間に自分もなりたい、と思いました。原作には名台詞がたくさんありますが、実感を持ってそれらを言えるようにすることが課題です。ケンシロウを最後まで演じ切れる強靭な肉体を作るため、現在トレーニングを続けています」と開演に向けての取り組みを明かした。原作者の武論尊氏は「歌って踊る前に殴ってしまうのでは……とハラハラしながらも(笑)、作品で大切にしていた『宿命』と『愛』を演じていただけるとのことで、どんな切り取り方をするのか楽しみにしております♪」とミュージカル化に期待を寄せ、原作漫画を描いた原哲夫氏は「ケンシロウ役の大貫さんは日本人離れした体格と身体能力、あたたたたぁ~!! な高音域の歌声と退かぬ! 媚びぬ! 並みの踊りで、舞台はもう既に華やいでいる!!」と作中の名台詞を引用しつつ、主演の大貫を讃えた。
 なお、コメント全文は以下の通り。
【武論尊(原作)】
 歌って踊る前に殴ってしまうのでは……とハラハラしながらも(笑)、作品で大切にしていた「宿命」と「愛」を演じていただけるとのことで、どんな切り取り方をするのか楽しみにしております♪
【原哲夫(漫画)】
 ケンシロウ役の大貫さんは日本人離れした体格と身体能力、あたたたたぁ~!! な高音域の歌声と退かぬ! 媚びぬ! 並みの踊りで、舞台はもう既に華やいでいる!!
【フランク・ワイルドホーン(作曲)】
 新作ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』を大切なパートナーであるホリプロと共に皆様にお届けできることは大変光栄です。
 原作の漫画は「お前はもう死んでいる」という名ゼリフとともにあまりに有名ですが、その音楽を作るのはとても大きなチャレンジでした。原作ファンを含む多くの方々に気に入っていただけたらうれしく思います。
 私が初めて挑戦した漫画原作の作品『デスノートTHE MUSICAL』の時も感じましたが、原作の素晴らしい物語と、そこに登場する魅力的なキャラクターたちが常に私にインスピレーションを与えてくれるのです。『フィスト~』はまさにそういう作品でした。この楽曲を皆さんに聴いていただくのが待ちきれません
 今、世界は大変困難な状況にありますが、必ず良い方向に向かい、『フィスト~』の物語のように新しい冒険に向かって踏み出すことができますように!
【石丸さち子(演出)】
 「北斗の拳」をミュージカル化するという冒険。はじめは耳を疑いました。昭和に生まれ育ったわたしには偉大な作品過ぎましたし、等身大を遙かに超えた闘いが魅力でしたから。でも、作品の輪郭が見え始めた今、プロデューサー陣の慧眼に驚いています。闘うこと。探すこと。成長すること。愛すること。光を見いだすこと。ミュージカルに大切な要素がぎっしり詰まっているからです。
 世界の最終戦争だと思われた殺りくの先に、それでもまだ生き抜く人々がいて、新たな弱肉強食の世界が出現する20XX年。無秩序と混乱の世界に必要なのは、どんな強さなのか? 原作を大切に、現代を生きる女性として台本化された高橋亜子さんとディスカッションを重ねてきました。
 フランク・ワイルドホーンさんの音楽は、極限状態で生きる人々の心情に寄り添うように、美しく優しく、また戦闘シーンでは胸のすくようなリズムとノリで臨場感を高め、ある時は激情とともに涙を誘います。ワイルドホーン楽曲の醍醐味を味わっていただけることでしょう。
 空手のトレーニングを積んできた素晴らしい俳優陣とともに、今に訴える、闘う男たちの愛と哀しみの物語を立ち上げます。歌、ダンス、アクション満載の舞台を。アナログで、ハイテクで、揺さぶりをかけて。
 大貫勇輔さん演じるケンシロウはじめ、長らく愛されてきた登場人物たちが、原作ファンにもミュージカルファンにも、深く心に刺さる人物となるよう、作品を育てていく所存です。
【高橋亜子(脚本・作詞)】
 「北斗の拳」をミュージカル化する……最初は驚きました。けれど原作の漫画を読んで考えは変わりました。拳法シーンが有名な作品ですが、私が強く惹かれたのは、破滅した世界からの再生を描く物語の太い柱と、登場人物がそれぞれの信念を胸にぶつかり合う姿です。すべての台詞、すべての場面が劇的で、彼らの想いが常に音楽となって流れているような気がしたのです。私のその視点に、演出の石丸さんがたくさんの示唆を、フランクさんが圧倒的な音楽を加えてくださいました。寡黙なケンシロウの魂を躍動する肉体で表現するために大貫勇輔さんという唯一無二の配役にも恵まれました。数年間、夢中で取り組んできたこの作品にいよいよ命が宿ると思うと胸が震えます。闇の時代に光を目指して生き抜く人間たちのドラマを、熱く冷静に創り上げたいと思っています。
【大貫勇輔(ケンシロウ役)】
 日本のみならず世界中で長く愛される作品の主人公を演じる責任感をビシビシと感じています。
 お話をいただいてから原作を2度読ませていただきましたが、自らの正義と愛を貫くケンシロウのような人間に自分もなりたい、と思いました。原作には名台詞がたくさんありますが、実感を持ってそれらを言えるようにすることが課題です。ケンシロウを最後まで演じ切れる強靭な肉体を作るため、現在トレーニングを続けています。いつかは日本から海外に進出したいと思っていたので、今回の中国公演はひとつ夢が叶った思いです。中国人ダンサーとのコラボレーションも今から楽しみにしています。
 ワイルドホーンさんの楽曲も素晴らしく、歌うだけで泣けてくるようなメロディばかりです。ケンシロウは、歌・ダンス・芝居のすべてが求められる役ですので、ダンサーとしてこれまで培ってきたことを最大限に生かし、自分にしかできない肉体表現を模索したいと思います。『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』は、原作ファンの方にも、ミュージカルファンの方にも愛される作品にしたいと思います。

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