我儘ラキア、「みんなが見たい景色を
必ず見せます。」新木場FINALに見た
”アイドルのニューアイコン”へと駆
け上がる決意

我儘ラキア『WAGAMAMARAKIA TOUR』

2021.06.25 USEN STUDIO COAST
「日本で一番カッコいいアイドル、我儘ラキアです!」
満員のオーディエンスを前に、力強く言い放った星熊南巫。広いステージに立つ4人は実に堂々としていて、さらなる高みを見据えた強い眼差しは自信に満ち、一点の曇りも無かった。我儘ラキアの結成5周年記念ライブかつ、現段階での代表作となるミニアルバム『WAGAMAMARAKIA』を掲げた全国ツアーのファイナルとなった、新木場・USEN STUDIO COAST公演。自身最長となった全国ツアーは、自身最大規模のワンマンとなるこの日を含めて、全公演ソールドアウト。多くの規制もある中、たくましく全国を周り、ファイナルのステージに立ったラキア。その姿は初日と比べてもひと回り大きく見え、大会場のステージがよく似合うカッコいいアイドルへと成長していた。
星熊南巫
我儘ラキア

会場を埋めるファンが開演を待ち望む中、照明の落ちた会場に流れる場内BGMがSEに変わり、会場中が手拍子を合わせる。ツアーに帯同したバンドがスタンバイするステージにメンバーが登場すると、歓声代わりの拍手や手拍子の音が大きく会場に響く。広いステージに4人が並び、「ファイナル始めましょうか!」とMIRIが告げ、いよいよライブが幕開け。1曲目は『WAGAMAMARAKIA』のリード曲であり、今ツアーのテーマソングとも言える「SURVIVE」。重厚なバンドサウンドに乗せて、力強くメッセージを叫び放つ星熊。疾走感に拍車をかけるMIRIのラップ、川﨑怜奈と海羽凜もセンターに立ってダンスで魅せ場を作ると、センターステージに飛び出した星熊が圧巻の歌唱力で観客を釘付けにする。ライブ延期の危機も乗り越え、限界突破した全国ツアーの成果が一発で伝わるほどの圧倒的なパフォーマンス。本当に素晴らしい!
MIRI / 星熊南巫
我儘ラキア

続く「Reboot with...『 』」で会場中が手拍子を合わせて、拳を突き上げて一体感を生むと、「why?」ではMIRIの高速ラップや川﨑のキレのあるダンス、高台でスポットライトを浴びて歌う海羽、星熊の感傷的なハイトーンとそれぞれが見せ場を作り、オーディエンスを魅了。「Leaving」でフロアをダンスホールに変えると、「reflection」で会場中がジャンプを合わせてフロアを揺らし、前半戦を駆け抜ける。MCではMIRIが「このご時世、ツアーが出来るのか危うい中で、見ろよ!我儘ラキアは無事、ツアーを完走してやったぜ!と言ってやりたいので、今日はよろしくお願いします!!」と意気込みを告げ、「今日のこのライブで証明します、これが我儘ラキアじゃ! 魂込めて、みんなが明日へ向かって希望を持てるライブをしたいと思います。私たちと新しい時代を作り進めましょう」と、バックダンサーを呼び込み「New World」を披露。そこから川﨑怜奈がダンサーを率いてダンスパフォーマンスで見せた豪華なソロコーナーへと続き、大会場ならではの演出がオーディエンスを高揚させる。
川﨑怜奈
海羽凜

ライブ中盤、「新曲いっちゃってもいいですか?」と始まったのは、6月30日発売のミニアルバム『SUPERIORITY』収録の「JOKER」。<wanna wanna>の掛け声が印象的なライブ仕様のアッパーチューンに初披露ながら大きく身体を揺らすオーディエンス、<生きる意味はきっとすぐそばにある>のメッセージが聴く者の胸を貫く。続いて、スペシャルゲストとして登場したKubotyがギターで加わり、重厚なバンドサウンドにさらなる激しさと楽しさと演奏の厚みを増した「Letting Go」、巨大ミラーボールの光が星空のように瞬いてピースフルな雰囲気を生み出した「Like The Stars」で大盛り上がり。ツアー序盤には新鮮だった『WAGAMAMARAKIA』収録の楽曲たちはツアーを経て、ライブ定番曲へとしっかり成長した印象。センターステージに4人が揃い、「未来って漠然としすぎて暗くて前が見えなくなるけど、こうやってみんなで照らせばもの凄い明るいものに変わると思うんです。これからも我儘ラキアと一緒に未来に歩んでいって下さい。今日は一緒にひとつのステージを作りましょう」と観客のスマホのライトが会場を照らす中、たっぷり気持ちを込めて熱唱した「One」は、真っ直ぐな歌声と楽曲に乗せた観客の熱い想いに明るい未来への光が差した気がした。
MIRI
海羽凜
星熊南巫
コロナ禍の外出自粛期間中の気持ちを書いた「Diary」を現在の気持ちに書き替え、前向きで力強い想いを届けたMIRIのソロから、「To be continued」を真摯で凛とした歌声で届けた海羽のソロ、ピアノの伴奏に乗せて「rain」を情感豊かに歌い上げた星熊と個々の成長もしっかり見せると、「みんなと一緒にツアーを回って、自分自身としてもグループとしても成長出来たツアーだったとホントにホントに思います」とツアーを振り返った星熊。「この時代に負けない、この時代を言い訳にしない。日本のアイドルのニューアイコンになることを約束します」と宣言し、「みんなが見たい景色を必ず見せます。これだけたくさんの人が自分たちの味方になってくれたら、明日が怖いなんて言えません」と「Don't fear a new day」を披露。4人が堂々と美しい歌声を繋ぐ、希望に満ち溢れたこの曲。<僕たちは明日を恐れない>の歌詞は、今まで以上の確信と説得力を持って響いた。ラストは「Melody」、「There is surely tomorrow」で会場中の気持ちがひとつになり、フロアが圧倒的な熱量に包まれる中で本編を終了した。
我儘ラキア
我儘ラキア
アンコールでは6月30日にリリースしたミニアルバム『SUPERIORITY』を提げた『SUPERIORITY TOUR』がスタートすることを発表したラキア。「もう、やるしかないな!」と意気込みを語ると、本日2度目となる「SURVIVE」を披露。ツアーの成果が一発で伝わるほど圧倒的だった1曲目と比べても、さらに勢いがありエネルギッシュに感じたアンコールの「SUEVIVE」。この曲でツアーをしっかり締めくくり、この曲でここから始まる新たなスタートを切った我儘ラキア。この日のライブもツアーファイナルかつ自身最大規模のワンマンでありながら、さらなる高みに向かって爆進するラキアにとってはあくまでも通過点。さらに広い地平へと足を踏み込み、まだ見ぬ圧巻の景色をみんなで見るため、ここからもラキアのSURVIVEは続くのだ。

取材・文=フジジュン 撮影=Rui Hashimoto
我儘ラキア

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