Suara

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【Suara インタビュー】
この曲を歌っていると
自分が強くなった気分になる

さまざまなものがあふれる世の中で、
自分に必要なものを選ぶことが大切

対するカップリングは2曲ともバラードで同じようなテーマになっていますが、これは意図してのことでしょうか?

そこは偶然ですね。まず、先に「言の葉」のほうが出来上がったんですけど、曲を作ってくださった半田麻里子さんが『うたわれるもの』のアニメを結構観てくださっているので、物語の世界を意識した結果、通じるものが出てきたのかもしれません。もう一曲の「愛逢月」は自分で作詞作曲するにあたり、私も『うたわれるもの』に登場するキャラクターの関係性を重ねたいと思って、心では結ばれているのにともに生きていくことができないふたりの物語を書きました。

それで2曲とも“廻る”という輪廻を思わせるワードが出てくるんですね。ちなみに「愛逢月」は織姫と彦星の歌でもあるのでは?

はい。“愛逢月”というのは7月の異称で、織姫と彦星が出会って愛し合う月という意味らしいんです。シングルの発売月である7月にちなんだラヴバラードにしたかったので、“水面に映る川”という表現で天の川を表してみたり、心では結ばれているのにともに生きられないふたりの、切ないけれどロマンチックなストーリーを自分なりに描いてみました。ヴォーカルも歌い上げすぎず、グッと堪えた感じが切なさにつながればいいなって。

しかし、「言の葉」があるのに、なぜさらにバラードを入れようと?

アップテンポな表題曲、透明感のある切ないバラードときて、3曲でのバランスを考えると、また違った雰囲気のバラードを作りたかったんですよ。なので、編曲の松岡純也さんにも重くなりすぎないシンプルなアレンジにしてほしいとお願いしたんです。そしたら和を感じるような音色を入れてくださって、ちょっと古風な言葉で書いていた歌詞の雰囲気をアレンジでも表現してくださいました。

琴のような音色も入って和風な「愛逢月」に比べると「言の葉」は流麗感が強くて、さらに切なさが強い印象ですよね。

普段はあまり使わないミックスヴォイスやファルセットが多めに入っているので、「言の葉」は3曲の中で一番難しかったです。たくさん練習はしていったんですけど、ギターとヴォーカル録りの日が同じだった関係で、歌のディレクションに初めて半田さんが入ってくださって、“私が歌えないのバレちゃう!”と緊張しながら歌っていました(笑)。

ファルセットが多いのも切なさや儚さの濃度が濃くなった一因でしょうね。

そうですね。儚さを出すためにキーの設定には気を遣ったし、ファルセットにしてもどこが一番美味しい部分かっていうのは結構考えました。

今回のシングル3曲を聴いて、“Suaraらしさ=儚さ”なんじゃないかとも感じました。カップリング2曲には“儚い”や“儚き”というワードも出てきますし。

そのへん、本当に自分では分かんないですよね…。そういうイメージを出したくて歌っている曲もあるけれど、そうじゃない曲もあるので。曲それぞれに意識していることが違う中、儚い感じと私の声が合っていると感じてくれる人が多いってことなんでしょうね。

だからこそ、『うたわれるもの』のように儚く、切ない物語のオファーが来るのでは?

もう15年以上も『うたわれるもの』に関わらせてもらっているので、もはやプロデューサーの思惑は分からないですけど、定着したっていうのが一番大きいんじゃないかと思います。同じ人間が継続して作品を背負っている安心感って、やっぱり作品のファンにはあるでしょうし。だから、『うたわれるもの』の歌い手として相応しくありたいという想いは年々強くなっています。

それでいて「戦刃幻夢」みたいな曲も出してくるのも、『うたわれるもの』の面白いところですよね。

本当にジャンルがさまざまで幅広いので、そこは『うたわれるもの』という作品の懐の深さというか。それこそ私の声も陰だけではなく、陽も含んでいるから、こうしていろいろ歌わせていただけているのかもしれませんね。今回の「戦刃幻夢」もゲームの発表とともに1コーラス収録のPVが出た4月の時点ですごく反応が良くて、“こういう曲でも受け入れてくれるんだ!”とホッとしたんですよ。この音楽配信が主流の時代にCDを出せるってとてもありがたいことなので、このシングルも手に取っていただきたいですね。もちろん音楽配信に慣れている方はそれでもいいので、ぜひ3曲とも聴いてもらいたいです。

ちなみに「愛逢月」の制作でも、例のDTMは使われたんですか?

いえ、この曲は結構早くに仕上がっていたので。まだまだ初心者ではありますけど、それによって“こんな曲も作ってみよう”っていう意欲は以前より出てきたから、そこは頑張ってかたちにしていきたいと思っています。発表するしないは置いといて、自分の中にあるモヤッとしたものを、ちゃんと曲にするという作業をやりたいんですよ。コロナ禍で揺れ動いた気持ちも記録として曲にしたいですし、コロナが収束してから実際どんなふうに自分が振り返るのかは分からないですけど、今の気持ちを何か残しておきたいと思っています。

昨年9月に迎えるはずだったデビュー15周年がお預けになってしまった分、今年や来年には期待したいですね。

コロナ禍が収束したら、15周年のイベントは必ずやりたいです! 昨年の2月に出演する予定だった台湾のゲームショーもキャンセルになってしまったので、それもいつかリベンジしたいですし、みなさんが安心して会場に足を運べる時が来たら、まずはライヴをやりたいですね。今回のシングルの初回生産分特典のひとつとして、ライヴ映像の配信があるんですよ。シングルの3曲+αをインストアイベント風に披露することになっていて、半田さんもキーボードで参加してくださいますし、映像でみなさんに歌をお届けするのも久しぶりなので、そこも楽しみにしていただきたいですね。必ずまた会える時が来ると思うので、この2年を取り戻せるようなライヴが必ずできたらなって思っています。

取材:清水素子

シングル「戦刃幻夢」2021年7月21日発売 F.I.X. RECORDS/KING RECORDS
    • KICM-4041
    • ¥1,430(税込)
Suara プロフィール

スアラ:学生時代からバンド/ユニットを組み、精力的にライヴ活動を行なう。2005年9月に「睡蓮-あまねく花-」でデビュー。TVアニメ『ToHeart2』のエンディングテーマ「トモシビ」、同じくTVアニメ『うたわれるもの』のオープニングテーマ「夢想歌」を歌うなど、その歌声がアニメ・ゲームファンをはじめとする広い層に届き、注目を集める。10年から香港・韓国などでライヴを行ない、韓国や台湾でもCDを発売するなど、ワールドワイドな広がりをみせている。“Suara”とはインドネシア語で“声”を意味する。Suara オフィシャルHP

OKMusic編集部

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