スーパーマンやバットマンなど、スー
パーヒーローたちが勢揃い 『DC展
スーパーヒーローの誕生』レポート

2021年6月25日(金)から9月5日(日)まで、六本木ヒルズ森タワー52階・東京シティビューにて、『DC展 スーパーヒーローの誕生』が開催されている。本展は、80年以上の歴史を持ち、最大級のアメコミ(アメリカン・コミックスの略で、アメリカの漫画作品の総称)出版社のひとつである『DC』の特別総合展だ。スーパーマンやバットマン、ワンダーウーマンなどの有名キャラクターたちを生み出したDCの歴史が詰まった本展の様子を紹介しよう。

バットマンエリア展示風景 DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)

バットモービル《タンブラー》や《バットポッド》、スーパーマンの衣装も!
映画やテレビシリーズで登場した衣装や乗り物などが大集合
会場エントランスゾーンでは、重厚で迫力あふれる車に圧倒される。こちらはバットマンの愛車であるバットモービル《タンブラー》で、映画『ダークナイト』シリーズのレプリカだ。
会場エントランスゾーン。DCキャラクターのパネルと、バットモービル《タンブラー》が登場。 DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
続く展示エリアは、「スーパーマンエリア」「バットマンエリア」「スーサイド・スクワッドエリア」「ワンダーウーマンエリア」「ジャスティス・リーグエリア」の5つに分かれる。
「スーパーマンエリア」では、1978年に公開された映画『スーパーマン』の深紅のケープ、2016年に公開されたザック・スナイダー監督の映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のコスチュームなどを一挙公開。スーパーマンがクラーク・ケントとして人間社会に溶け込んでいる際は大きめサイズの服で身体を隠し、スーパーマンになるときは優れた筋肉を強調したスーツをまとうなど、衣装はスーパーマンの生きざまを象徴しているようだ。
左より:《クラーク・ケント/スーパーマンのコスチューム》(映画『スーパーマンII 冒険篇』(1980年))、《スーパーマンのコスチューム》(映画『スーパーマン』(1978年))、《スーパーマンのコスチューム》(映画『スーパーマン・リターンズ』(2006年)) DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
左より:《スーパーマンのコスチューム》(映画『マン・オブ・スティール』(2013年))、《スーパーマンのコスチューム》(映画『バットマン VS ス―パーマン ジャスティスの誕生』(2016年)) DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
「バットマンエリア」では、全長約3.7mにも及ぶダイナミックなバイク型車両《バットポッド》や、ステルス戦闘機《バットプレーン》など、バットマンの使う特別な乗り物が展示されている。バットマンの所持するダークでスタイリッシュな乗り物のかっこよさを、存分に堪能してほしい。
《バットポッド》(映画『ダークナイト』シリーズ3部作にて使用) DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
《バットプレーン》(映画『バットマン フォーエヴァー』(1995年)) DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
DCコミックスの古株にして有名なヒロイン、ワンダーウーマンは時代とともに衣装が変化するキャラクターだ。本展では、1970年代のテレビシリーズでリンダ・カーターが身に着けたワンダーウーマンの衣装と、2016年の映画作品『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でガル・ガドットが着用したコスチュームを並べて見ることができる。合衆国のシンボルマークがついたビスチェと星条旗を模したパンツという派手な服装が、より戦闘向きで落ち着いた色のデザインに変わっていることが確認できる。
左より《ワンダーウーマンのコスチューム》(映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年))、《ワンダーウーマンのコスチューム》《ウェットスーツのコスチューム》(いずれも『ワンダーウーマン(TVシリーズ)』(1975~1979年)) DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
オリジナルドローイングなどの作品や資料約400点以上を一挙公開
現代アメコミの原点となるオリジナルドローイングなども展示
本展ではオリジナルドローイング(原画)・資料・衣装・小道具など、約400点以上もの作品が勢揃いしているが、とりわけ充実しているのがオリジナルドローイングだ。その中には、現代における最高のコミックライターとも称されるフランク・ミラーの作品や、作画・脚本・出版など多様に活躍し、アメコミ界の生ける伝説とも言われるジム・リーの作品などが含まれている。目の前の絵が、アメコミというジャンルを支えているアーティストたちの手によるものだと思うと、より感慨が深まるだろう。
バットマンエリア展示風景。貴重なオリジナルドローイングがずらりと並ぶ。 DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
DCのキャラクターは幅広いジャンルのアーティストに影響を与えてきた。ポップアートの巨匠であるアンディ・ウォーホルのアートワーク《スーパーマン》は、コミック『スーパーマンのガールフレンド、ロイス・レイン』24巻の1コマを写したもので、本作品はニューヨークのデパートのショーウィンドウに飾られたという。
右:《スーパーマン》(アンディ・ウォーホル) DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
ジョーカーやハーレイ・クインなど、個性あふれるヴィランたちも登場
DCが擁する彩り豊かなキャラクターを広く紹介
アメコミにおいては、ヒーローやヒロインの他に、彼らを苦しめる悪役・ヴィランも非常に人気がある。本展は、物語の影の立役者であるヴィランに関する作品も数多く出展されている。
バットマンエリア展示風景。ヴィランたちのコスチューム。 DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
多くのヴィランの中でも名の知られているキャラクターの一人である、バットマンの宿敵・ジョーカー。漆黒のスーツを身に纏うバットマンに対し、カラフルな服装で化粧をこらしたジョーカーは、知略を駆使して悪事を働く。演者に名優が揃っているのもジョーカーの特徴で、ジャック・ニコルソンのコスチューム、ヒース・レジャーが使ったマスク、ホアキン・フェニックスが着用したコスチュームなどを見ていると、俳優たちの怪演を思い出すだろう。
一番右は映画『バットマン』(1989年)でジャック・ニコルソンが着たコスチューム。 DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
ジョーカー関連のコーナーで、ケースに並ぶのは映画『ダークナイト』シリーズ3部作でヒース・レジャーが着けたクラウンマスク。 DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
映画『ジョーカー』(2019年)でホアキン・フェニックスが着たコスチューム DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
1959年に誕生した純軍事組織スーサイド・スクワッドは次第に人気が高まり、2016年の映画『スーサイド・スクワッド』と2020年の映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』にて、ジョーカーの恋人であるハーレイ・クインがブレイクした。本展の「スーサイド・スクワッドエリア」ではハーレイ・クインのファッションや銃などの小道具、他のヴィランのコスチュームも紹介。時にヒーロー以上の注目を集めるヴィランは、展示全体に深さと彩りを与えているように思う。
スーサイド・スクワッドエリア展示風景 DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
スーサイド・スクワッドエリア展示風景 DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
映画のタイトルにもなっているジャスティス・リーグは正義の集団だ。メンバーの入れ替えもあるが、スーパーマンやバットマン、ワンダーウーマンらといった基本7名のヒーローから成り、力を合わせて悪に立ち向かい、壮大で力強い戦いを繰り広げる。「ジャスティス・リーグエリア」ではそんなヒーローたちが共闘するドローイングやアートワークを鑑賞できる。
ジャスティス・リーグエリア展示風景 DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
ジャスティス・リーグエリア展示風景 DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
会場を抜けると物販エリアだ。文房具やTシャツ、トートバッグなどさまざまな商品が揃っており、展覧会記念発売グッズや会場限定のグッズもある。1回の入場につき一人各商品5点まで、一部アイテムに関しては1点までと制限があるので、確認しながら購入していただきたい。
充実の物販コーナー DC SUPER HEROES and all related characters and elements (c) & TM DC Comics. WB SHIELD: (c) & TM WBEI. (s21)
また、本展は全てのチケットに音声ガイドが付随し、コミックスや映画製作の裏話も聞くことができる。ナレーションを担当するのは、DCドラマの『ARROW/アロー』主役オリバー・クイーン/アロー(スティーヴン・アメル)の吹き替えを担当する声優・日野聡。自身のスマートフォンを使って音声ガイドを聞くことができるので、イヤフォンを持参するのを忘れずに。
アメコミは、基本的に作品やキャラクターの著作権は出版社が持っており、同じキャラクターを複数のアーティストが描き継ぐ。ストーリーや設定にそれぞれの時代の問題や価値観が投影されており、世代を超えて活躍させることが可能だ。本展の有名なヒーローやヒロイン、ヴィランたちは、神話の神々のように人々の心に生き続け、新しいファンを獲得していくだろう。DCの擁するキャラクターの魅力との熱気に触れることができる『DC展 スーパーヒーローの誕生』、是非お見逃しなく。
文・写真=中野昭子

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