PROWRESTLING A-TEAMが7・11に北千住
大会! 橋本友彦代表ロングインタビ
ュー「とにかく一度観に来てください
!」

2017年4月16日旗揚げした新興プロレス団体「PRO-WRESTLING A-TEAM(プロレスリングAチーム)」。現在は東京北千住の『東京芸術センター ホワイトスタジオ』にて毎月興行を行い、定期的に通うファンを獲得している。
7月11日(日)に行われるホワイトスタジオ大会では、WEWジュニアヘビー級シングルとWEWタッグのダブルタイトルマッチを控える「PRO-WRESTLING A-TEAM」。今回、当日の見どころ、未見の方へ向けた団体の特色などを、レスラーでもある橋本友彦代表に熱く語ってもらった。
【橋本友彦(はしもと ともひこ)】
・身長183cm、体重127kg
・奈良県奈良市
・格闘歴 柔道15年(三段) 得意技 XC
・Twitter@ apache84tomo
2000年4月デビュー。2002年、DDTプロレスリングに入団し、5月には総合格闘技のパンクラスにも参戦。総合格闘技の経験を合わせ持つ、自他共に認める正当派ストロングスタイルのプロレスラー。現在『PRO-WRESTLING A-TEAM(プロレスリングAチーム)』代表。
――今回は、7・11北千住北千住ホワイトスタジオ大会の見どころをお伺いしたいのですが、その前に「PRO-WRESTLING A-TEAM(プロレスリングAチーム)」を知らない方へ向けて、そもそもの団体の成り立ちと、橋本代表ご自身の経歴についてもお伺いしたいと思います。
まず、柔道歴15年という事ですが、もともとプロレスラーを目指して格闘技を始められたのでしょうか?
「全然違いますね。五輪を目指してやってました」
――五輪を!?
「目指してただけですけど(笑)」
――そこからプロレスに行かれたのはどういった経緯で?
「大東文化大学の柔道部の時の話になりますが。実は入学してすぐに怪我をしてしまって、治して2年生の時に国際大会の予選があったんですよ。そこで高校時代に秒殺で勝った事のある選手に負けてしまって…それでちょっと、減量苦もあったので精神的に落ち込んでしまいまして。
その時に都合良く、お休みが4連休ぐらいありまして…本来ダメなんですが、気を休めよう…と思って無断で実家(奈良)へ帰省してしまったんですね。
その日の晩に『集合』がかかりまして。出られなかったんですね。
さらに監督がちょっと不祥事を起こしてまして…コーチが代わりに来てたんですが、当時そのコーチとも反りが合わない事を感じてたのもあって…そこでもう、『辞めます』と言って辞めてしまったんですよ」
――では大学2年の時に志半ばで柔道の道を離れてしまったと…
「今振り返ればつまんない事で辞めた、とも思うんですが。当時は…それまでずっと柔道漬けだったので、辞めて、ちょっと遊ぶのが楽しい! と思ったんですが、それも半月ぐらいで飽きまして…どうしようかな…と色々な事してるうちに、大学の柔道部で同期だった佐藤耕平(現在フリー)と再会しまして。実は耕平も同じ時期に遊びに行ってしまってて、やはり柔道部を辞めてたんですが、『プロ(プロ修斗選手)になった』と。
――佐藤耕平選手は元々プロレス指向だったんですか?
「いえ、プロレスは好きだったけど、自分でやろうとは思ってなかったと思います。柔道を辞めて修斗(総合格闘技)を始めて、アマチュア修斗に出て…という事ですね。それを聞いて、『俺もやるわ』と言って、僕も彼の通ってた行徳(千葉県市川市)の格闘技道場に通い始めました。それでしばらく総合格闘技の練習しながら、耕平の家に居候してたんですね」
――なるほど。
「ある日耕平から、『藤原組長(藤原喜明)が新しい団体始めるから出てみない?』と電話がありまして。『練習おいでよ』と。それで行ってみたら、練習を見た藤原組長から『来月の試合出ろ』と言ってもらえまして。それで『JPWA - 日本プロ・レスリング協会』でデビューしました」
■JPWA 旗揚げ 第1戦
日時:2000年4月14日(金)
会場:後楽園ホール
<第2試合>
○橋本友彦(柔道) ✕
7分05秒 腕ひしぎ十字固め
●トム・バートン
<第4試合>
○佐藤 耕平(修斗・柔術)
7分24秒 V1アームロック
●ケーシー・ガイヤー 、
――どういった団体だったんですか?
「旗揚げ戦は日本vs.アメリカで、国別対抗の格闘技色の強い団体という事でした。そのデビュー戦が、たまたま大会を観にいらしてたDDTプロレスの高木三四郎社長の目に止まりまして、DDTに引っ張ってくれたんです」
――そういった経緯があったんですね。では高木三四郎社長にスカウトされてDDTプロレス入りしたと。
「ええ、偶然見かけて頂いて『あの選手良いな』と思ってもらえたのがキッカケです」
――しかしデビュー戦で高木三四郎社長の目に留まるっていうのは相当インパクトのあった試合だったんでしょうね。
「まあ、たまたまだとは思うんですけどね(笑)」
――デビューされた頃はDDT流の純プロレスよりは、総合格闘技に近い練習をやってらっしゃった訳ですよね?
「そうですね」
――DDTに入られたのは、グラップリング部門の選手という位置付けで入られたのでしょうか。
「いや、違うんですよ。DDTへはプロレスラーとして入団しました。その後からグラップリングとか色々出来てきましたね」
――そうだったんですね。では、グラップリング部門は橋本選手がいらっしゃるから始めた部分もあったんでしょうか?
「いや、それは木村浩一郎さん(ヒクソン・グレイシーとも対戦した総合格闘家・プロレスラー)がおられたからだと思います」
――なるほど。では、DDTではプロレスと総合格闘技を並行してやってらしたんですか。
「はい、DDTでプロレスをしながら、総合格闘技で『パンクラス』『MMA THE BEST Vol.2』『INOKI BOM-BA-YE 2003』『D.O.G(デモリッション・オクタゴン・ギア)』と…」
――それはかなり大変ですね。
「大変でしたね。総合格闘技の試合が終わった当日に移動して、次の日にプロレスの試合をしたりとかあったので…その日はメチャクチャシンドかったです」
――現在はプロレスラーに専念してらっしゃいますが、御自分で並行してやってらして、総合格闘技よりはプロレスの方が楽しい、という気持ちに傾いていった、というのはあったんですか?
「難しかったんですよね、プロレスの方が…ハマってしまった…と言えば良いんでしょうか」
――なるほど、克服してみたい、極めたいという気持ちになったという事ですか。
「そうですね」
――それで、御自分で自主興行『MAKEHEN』を起ち上げられたという流れになりますか。
「それは少し後になりまして…DDTには2006年までいて、若いうちに格闘技をやりきっておきたい、という気持ちがありまして。前田日明さんが名付け親の『SAMURAI SWORDサムライソード)』っていうチームがあったんですね。僕と、大学の後輩の三浦広光(元ウェルター級キング・オブ・パンクラシスト)、高森啓吾選手(99年柔道アジア選手権 無差別 2位)とかとチームを組んでやっていて、その主催興行…格闘技の興行があったんで、それに専念する為に、プロレスを1回休んで、総合格闘技をしばらくやってたんですよね」
――ちょっと総合格闘技に専念してみたかった時期があった訳ですね。
「そうです。専念してみたら、そこで勝てたんですね。それまで総合格闘技で4連敗していたので、勝つまでやりたい、と思って、プロレスを休んで格闘技に専念したら勝てたので、またプロレスに戻ってきたという形になります」
――格闘技への想いは遂げられたので、難しかったプロレスに再挑戦と?
「そうですね」
――そこで、じゃあ、御自分で…
「自主興行の『MAKEHEN』を始めたんですね」
――なるほど。その後、現在代表を務められている『PRO-WRESTLING A-TEAM(プロレスリングAチーム)』の前身の『第2次アパッチプロレス軍』に入られる訳ですが。
「はい、『MAKEHEN』を解散して、『第2次アパッチプロレス軍』へ入りました」
――その、『第2次アパッチプロレス軍』へ入られるキッカケは何かあったんですか?
「『アパッチプロレス軍』のトップだった金村(キンタロー)さんと良く呑んでたんですよね。金村さんがしばらくプロレスを休まれてた(第1次アパッチプロレス軍は08年に活動休止)頃に。僕は第1次アパッチプロレス軍の興行に良く出てたのもあって、呑みながら『じゃあ、そろそろプロレスの興行やりますか! 2人で! 』という事で始まりました(2010年)」
――では『第2次アパッチプロレス軍』は金村さんと2人で共同代表という形で始められたんですか。
「元々代表は別にいたんですけど、いつの間にかいなくなってしまったんですよね(笑)それで、代表をやる人が居ないから、自分と金村さんとで一緒にやってました。その後2016年末で金村さんが引退されるっていう事で、『金村キンタローのアパッチプロレス軍なので、解散しましょう』と」
――『アパッチプロレス軍』は金村さんの代名詞というイメージがあった訳ですね。それでじゃあ、アパッチプロレス軍の選手と『A-TEAM』を新たに起ち上げられたと。それだけ『アパッチプロレス軍』に愛着がおありだった訳ですね。
「そうですね、一所懸命やってましたし、やりがいがありましたね。先輩方も多かったので」
――それで引き続き代表をお引き受けになって、2017年4月16日『PRO-WRESTLING A-TEAM(プロレスリングAチーム)』を旗揚げされて、現在に至る…という事ですね。『PRO-WRESTLING A-TEAM』の試合を拝見して、格闘技経験を感じさせる、非常に激しい、正当派ストロングスタイルのプロレスをやってらっしゃる様にお見受けしました。そこは意識してる部分はありますか。
「そうですね、今は月1回定期興行をやらせて頂いてまして…1ヶ月間お客さんの印象に遺る、次回までテンションを持たせられる様な試合をして、『次また観たい』と思ってもらえる興行でなくてはいけない、というのは選手みんなに言ってます」
――現在は毎月、北千住の『東京芸術センター ホワイトスタジオ』で定期的に興行を行われてらっしゃいます。北千住に定着されたのは何か理由はおありですか?
「元々は、千住マルイI番館 10Fの『マルイシアター1010』でやらせて頂いた時に『スゴく良いハコ(会場)だな、ずっとここで興行をしていきたいな』と思ったのがキッカケです。そこで定期的にやらせて頂いたんですが、その後演劇とか色々な公演とかが沢山入る様になりまして。プロレスで休日に1日だけ、というのが借りられなくなってしまったんですよ。でも、また『マルイシアター1010』を借りられる様になったらいつでも戻れる場所を…との想いから近くに捜しまして、『東京芸術センター ホワイトスタジオ』に決めました」
――では意識して、北千住で定期的にやってらっしゃると。
「そうですね。新木場とか、新宿とかプロレスをやれる場所はありますが、ずっと北千住でやろうと」
――となると地域密着型と言いますか、定期的にいらっしゃるファンの方が多くなりますか。
「常連さんは多いですね」
――なるほど。それでいて、選手の関係性などの複雑なストーリーに頼る事なく、初めて観ても解りやすいという印象も受けました。そこも考えてらっしゃいます?
「はい、興行の最後には次回に繋がるアピールなどはしてもらいますが、基本は試合内容で満足してもらえる様に意識しています」
――では、ここから、次回、7・11北千住大会の見どころを教えて頂ければと思います。
「まず第1試合。自分と、スーパー・タイガー選手(ストロングスタイルプロレス)が当たります、6人タッグですね」
<~第1試合~ 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
橋本友彦(PRO-WRESTLING A-TEAM) 伊織(二瓶組) 佐瀬昌宏(PRO-WRESTLING A-TEAM)
vs.
スーパータイガー(ストロングスタイルプロレス) 清水来人(Team Motion) 前田賢哉(iDENサービス)
――興行における第1試合の重要性が再認識されつつありますが、いきなり『WEWヘビー級王座』の前チャンピオンと現チャンピオンがぶつかるというは、他の団体では中々ないですね。
「そうですね、やはり第1試合から盛り上がる様に、意識はしています」
――同時に第19代王者だった橋本選手としては、第20代、現王者のスーパー・タイガー選手との、ベルト奪還に向けての闘いでもありますね。
「それはもちろん、取り返さないといけないという気持ちは常にあります」
――スーパー・タイガー選手も橋本代表と同じく総合格闘技の経験者ということで、シンパシーを感じている面もおありでしょうか?
「はい、同世代でもありますし、若い時からずっと意識してる選手ですね。自分が負けてしまった相手に、スーパー・タイガー選手がやはり2Rまで劣勢で、3Rにキック1発で逆転勝ちした事もありました」
――では、御自分の団体でシングルのベルトを賭けて試合をした時は万感の想いがあったんでは?
「感無量でしたね。結果としては負けてベルトを奪われて結果は付いてこなかったんですけど…またやりたい、という気持ちになれる相手ですので。スーパー・タイガー選手も、所属してる『ストロングスタイルプロレス』でのファイトスタイルとはちょっと違う、外敵としての闘いでぶつかってきてくれてると感じますね」
――では何度でも手合わせしたい好敵手という事になりますね。
「はい。でもベルトを取り返せたら、ゆくゆくはタッグで組んでみたいなとも思ってますね」
――あえて組みたいと。
「スーパー・タイガー選手とは1度タッグを組んだ事があったんですよ。そこで組んだ時に、『あ、試合がやりやすい! 』と思ったんですよ」
――以前スーパー・タイガー選手はインタビューで、「自分はシングルプレーヤーなので、タッグの時も個人個人での闘いを心がけてるのでコンビネーションの練習とかはしていません」と仰られていたんですが、そのスーパー・タイガー選手とのコンビがしっくりくるというのは相当フィーリングが合うんですね。
「ホントに相性が良かったですね。久々にしっくりきた選手というか。今まで長くやってきて、そこまでのタッグパートナーは、以前A-TEAMに所属してた守部宣孝ぐらいだったんですね。阿吽の呼吸で出来る選手は」
――それはスゴいですね。
「はい。出来れば2人でタッグのベルトを取って、色々な団体で暴れていければ最高だなと思ってます」
――では、橋本代表としては、そこを見据えての6人タッグでの対戦となるわけですね。そして今回のパートナーの伊織選手がやはり総合格闘技の経験がおありなんですね。
「そうですね、元は空手をやっていた選手です」
――もう1人のパートナー、佐瀬昌宏は怪我で1度引退(2017年12月)されてます。選手として復帰したのはいつになりますか?
「A-TEAM旗揚げの時に、レフェリーで戻ってきてくれたんです。その後レフェリーをやっているうちに怪我が非常に良くなってきて『試合も出来るかもしれない』と言うので、病院へ行かせて検査したら、『大丈夫』という事で。お医者さんのGOサインが出たので復帰して、もう2年ぐらいやってます。体調も問題無いです」
――一方でスーパー・タイガー選手のパートナーが清水来人選手ですね。
「彼も総合格闘技の出来る選手で、(総合格闘技団体の)『GRACHAN』にも出場してます」
――プライベートでは、奥様がプロレスラーのYAKO選手(藤ヶ崎矢子・AlmaLibre)ですね。お2人はどこで知り合われたんでしょうか。
「練習場じゃないですか。A-TEAMが亀有の道場(YAKO選手が所属していた女子プロレス団体PURE-J女子プロレスの亀アリーナ道場)を借りて練習をしてるので、その時に清水選手が参加した時に知り合ったんじゃないかと思います。
――前田賢哉選手は、メインイベントで登場する高岩竜一選手の「自称・弟子」というプロフィールです。
「そうですね、毎回高岩選手に怒られながら、一所懸命やってます」
<~第2試合~ シングルマッチ 30分1本勝負>
牙城(PRO-WRESTLING A-TEAM)
vs.
MIKAMI
――第2試合が、初のシングル対決となります。牙城選手vs.MIKAMI選手です。
「この牙城という選手は、新日鉄釜石(釜石シーウェイブスRFC)にいた元・プロラグビー選手になります。宮本和志選手の『和志組外伝 闘真』でデビューして3年ぐらい、荒削りなんですけど、スゴく良い選手です」
――ベテランのMIKAMI選手とのチャレンジマッチという位置づけになりますか。
「体系的には、牙城の方が全然デカいんですけど、MIKAMI選手ほどのスピードとテクニックのあるタイプとは経験がないので、どうなるか楽しみですね」
――橋本代表はそのMIKAMI選手とはDDTプロレス時代からの間柄になりますね。盟友に牙城選手を託す、というお気持ちでしょうか?
「はい、2015年にMIKAMI選手がフリーになられたので、『是非出てください』という事でまた一緒にやらせて頂いてます。牙城を一皮剥けさせてもらるんじゃないかと期待してます」
<~第3試合~ タッグマッチ 30分1本勝負>
TORU (TTTプロレスリング) HASEGAWA(PRO-WRESTLING A-TEAM)
vs.
石坂ブライアン(シアタープロレス花鳥風月) 橋之介(ウォーリー山口jr.)
――続いてがタッグマッチになります。TORU選手とHASEGAWA選手のコンビはこれまでもあったのでしょうか。
「恐らく初めてじゃないかと思います。元々、HASEGAWAがデビュー前に大阪でTORU選手にプロレスを教えてもらってたという経緯があります。かつての師弟タッグと言って良いと思います」
――対する石坂ブライアン選手と橋之介選手組が、今A-TEAMのリングを席巻しているユニット『常夏サンシャイン』のコンビになります。フリーの橋之介選手は亡くなられたウォーリー山口さんのお子さんなんですね。
「はい、彼がホンマに小さい子どもの頃、DDTプロレスに良く遊びにきてて…4~5歳頃からの付き合いです」
※ウォーリー山口。プロレス記者を経て、レフェリー、マネージャー、コメンテーター、ブッカーとして活躍。WWF(現WWE)にも悪役マネージャーの「ヤマグチ・サン」として出場。2019年3月、60歳で早逝。
――その頃からプロレスの真似ごとで遊んでたと。サラブレットですね。
「と、思ったんですけど、お父さんとはちょっと毛色が違いますね。『今時の子』って感じです」
――ウォーリー山口さんはやはりアメリカンプロレスの印象が強烈なんですが、そこは受け継いでないと?
「デビューが宮本和志選手の『和志組外伝 闘真』なので、ゴツゴツした感じの試合をしてますね。身体の割りには」
――方向性としてはアメリカンプロレスではなく、日本式のストロングスタイルを目指してらっしゃると。ちょっとお父さんとはプロレスの価値観が違ってるみたいですね。で、ありながらファンキーな印象のある『常夏サンシャイン』に入ったと。
「本人が自分から勝手にチョコチョコっと着いていって、補欠枠で強引に入ったんですよね」
――多くの場合、プロレスのユニット編成は団体の意向も含めて決まっていきますけど、そうじゃなく?
「ガチなんですよね。『常夏サンシャイン』自体がそういうユニットなんですけど。勝手に決めてやっていくので、団体としては追従せざるを得ない事が多いです(笑)」
――何をしでかすか?…という。
「解らないですね(笑)」
<~第4試合~ シングルマッチ 30分1本勝負>
下田大作(PRO-WRESTLING A-TEAM)
vs.
仁(PRO-WRESTLING A-TEAM)
――第4試合が、ベテランの下田大作選手と仁(ひとし)選手のシングルマッチです。
「下田大作選手もDDTプロレス時代の先輩で、その後は色々なところで試合をしてらっしゃいます。対戦する仁が生え抜きで、デビュー4戦目の1番の若手になります」
――仁選手が下田大作選手の胸を借りる形になりますね。仁選手はどういった選手ですか。
「柔道をベースにした選手ですね。柔道をやりながら、プロレスが好きで観てた…という事で。人づてに『面倒見てくれないか』と紹介されました。柔道で下地は出来てますので、今は蹴りの練習でキックのジムに通わせてます」
<~セミファイナル~"WEWタッグ選手権試合" 60分1本勝負>
[王者組]
雷電(PRO-WRESTLING A-TEAM) 大谷譲二(P.P.P.TOKYO)
vs.
外崎幸作(常陸プロレス) ケント・ディカプリオ(常陸プロレス)
[挑戦者組]
※第36代王者・雷電&大谷譲二組 2度目の防衛戦
――セミファイナルが、王者組の『常夏サンシャイン』コンビに『常陸プロレス』コンビが挑戦するタッグ選手権試合になります。大谷譲二選手はP.P.P.TOKYO所属という事で、『常夏サンシャイン』は団体の垣根を越えたユニットになっていますね。
「そうなんですよね。若手同士で仲良しなので」
――元々仲が良かった若手がユニットを組んだという形ですか。
「はい、元は『常夏サンシャイン』は3人だったんです。(メインで登場する)櫻井匠と石坂ブライアンに、さっき言った、橋之介が勝手に加入したので。その後、櫻井匠と大谷譲二がシングルで試合した時に、急に大谷譲二が『常夏サンシャイン』入りしまして。実はその前に団体として、雷電に大谷譲二選手と組んでタッグ戦線を活性化して欲しいと思って次の試合を組んでいたんですね。そうしたらタッグの試合後『大谷選手とコンビだから』と勝手に雷電も『常夏サンシャイン』入りして5人に増殖してしまったんです」
――組んだ以上は『常夏サンシャイン』だと?
「何が起こってるのか解らなかったですね(笑)。後でSNSにアップされた集合写真を見て、『お前らいつの間に組んで写真撮ってんねん』という状態で、事後承諾で決まってましたね」
――何をしでかすか解らない予測不能のユニットですね。
「好き勝手に暴れ回られて、ガチで困らされてます(笑)」
――挑戦者組の常陸プロレスコンビですが、かなり大型のタッグチームですね。
「2人共身体が大きいですね。定期的に参加してもらってます。以前に僕、たまたま新潟で外崎幸作選手と試合をした事がありまして。『出来る選手だな、こんな良い選手がいるんだ』と思って『1回どう?』と声を掛けてA-TEAMのリングに上がってもらったんですね。そこで良い試合をしてくれて評価も良かったので、レギュラーで参戦してもらう事になりました。その時に『もう1人大きい選手がいるんで一緒に上がらせてもらえませんか?』と売り込んで連れて来たのがケント・ディカプリオ選手だったんですよ。それでタッグで試合してもらって、遂にベルトへ挑戦するところまで来た、という感じですね」
――『常陸プロレス』は茨城を拠点に関東で活動している非営利プロレス団体ですが、そこから冬木弘道さんが始めた歴史あるWEWのベルトに挑戦するところまで来るのは、サクセスストーリーと言っていいかもしれないですね。
「そうですね、大会は年に1回あるかどうか、っていう規模なんですけど。そこから這い上がってここまで来た、インディー魂、ハングリー精神はスゴく感じますね」
――そういう勢いがあって、体格的にも挑戦者組が有利な感じはありますね。団体の代表としてはちょっと、ベルト流出の危機になりますか。
「大型コンビをいかに『常夏サンシャイン』が攪乱してベルトを守るか?あるいは挑戦者組がパワーで押しきるか?というところを注目してもらえたらと思います」
<~メインイベント~"WEWジュニアヘビー級選手権試合" 60分1本勝負>
[王者]
高岩竜一(iDENサービス)
vs.
櫻井匠(PRO-WRESTLING A-TEAM)
[挑戦者]
※第9代王者・高岩竜一 2度目の防衛戦
――そしてメインイベントではWEWジュニアヘビー級選手権試合。王者・高岩竜一選手が登場します。
「『常夏サンシャイン』のボスの櫻井匠が挑戦する試合ですね」
――2020年5月にZERO-1を退団された高岩竜一選手のA-TEAM参戦の経緯から教えて頂けますか?
「僕は以前から色々なところで試合して高岩竜一選手と一緒になった事もありました。その際に『A-TEAMのジュニア戦線活性化の為にも試合してもらえませんか?』というお話はずっとさせて頂いてたんです。高岩竜一選手がiDENサービス所属という事になって、今年3月ようやくリングに上がってもらえる事になりました。丁度、前チャンピオンの守部宣孝が退団する事になったので、挑戦してもらったら即戴冠という結果になりましたね」
――いきなりベルトを奪取して、代表の希望通りジュニア戦線も盛り上がる。流石、という印象ですか。
「以前、金本浩二選手に何回かリングに上がってもらってて、最近も試合させて頂いたんですが、あの時代、90年代の新日本プロレスを経験してきた選手っていうのはやっぱり知名度も、試合の内容もスゴいと思いますね。櫻井匠にもそのスゴさを経験して欲しいなと思ってます」
――ベルトへの挑戦でありながら、選手としてのチャレンジマッチの意味合いも強いという事になりますか。
「櫻井匠にとってはチャレンジですね」
――橋本代表は大阪の試合へ櫻井匠選手を帯同されたりしてますが、かなり期待してるのが伝わってきますね。櫻井匠選手はどんな選手ですか?
「そもそもから話すと、櫻井匠がデビューするキッカケが、さっき話した、大学の後輩の三浦広光なんです。その三浦広光がボクシングの帝拳ジムへ行ってた事があったんですが、そこでWBA世界スーパーバンタム級のチャンピオンだった下田昭文君と知り合いまして。櫻井匠が下田昭文君と仲が良かったので、『プロレスラーになりたい子が居るんですが、プロレスラーの先輩を紹介してもらえませんか?』と三浦広光に声を掛けてきたのが始まりなんです。それで僕が会いに行って、櫻井匠が『プロレスラーになりたいです、デビューしたいです』という事だったので、『じゃあ、ウチで預かるよ』と」
――人づての人づてを手繰って、どうしてもプロレスラーになりたい! という執念を感じますね。体力的にはジムへ通って、問題は無かったという事ですか。
「そうですね。色々な団体のテストを受けたりして全部落ちたそうです。僕がいたDDTプロレスを落ちたのは、体力的にはともかくキャラが立ってないと判断されたんだと思います。会った頃は何しろ華が無かったので」
――今の『常夏サンシャイン』でのハジけたファイトスタイルからは想像もつかないですね。
「考えられないですね、今からは(笑)」
――紹介されて会った橋本代表としては可能性を感じて入団を認めたられたわけですよね?
「まあ、WBAの世界チャンピオンから頼まれたら断りづらいですよね(笑)」
――なるほど(笑)とは言え、いざ預かってみたら潜在能力を開花させた、という事になりますか。
「ホントに急成長しましたね。コロナ禍で1番成長した選手だと思います。身体もデカくなりましたし」
――では会った当初の印象が覆って、驚かれてますね。
「ホントにここ最近は驚いてますね。タッグを組んでても、動きに付いていくのが精一杯、ぐらいになってきてます。メチャクチャ良い選手に育ってくれました」
――もう、高岩竜一選手のベルトに挑戦する資格は充分あると。
「メインを任せられる選手になりましたね」
――高岩竜一選手が、A-TEAMへの参戦経験もある間下隼人選手のUWAアジアパシフィックヘビーのベルトに挑戦した時(ストロングスタイルプロレス2021・3・3後楽園大会)、試合後自らの手で王者の腰にベルトを巻いて、健闘を認めた事がありました。櫻井匠選手にも、勝って、高岩竜一選手の手でベルトを巻いてもらえるぐらいの試合をして、認めてもらって欲しいというお気持ちはありますか。
「そうですね…ただ、団体の代表という立場としては、櫻井匠に限らず、誰かしらベルトを奪還して欲しいという気持ちもありますね」
――WEWのシングルのベルト、ジュニアヘビー級とヘビー級両方共に「外敵」に奪われたままでは困る、という団体にとっての切実な状況も打開してほしいと。
「そうですね。今回のメインイベント、ジュニアヘビーに関しては結果と内容両方を期待してます。また、櫻井匠には今それだけの力もあると思っています。まあ、ヘビー級のベルトは自分が向かっていくしかないので、スーパー・タイガー選手へ挑戦するタイミングは見極めてますが…」
――では、最後、『A-TEAM』をまだ見た事がない方へ向けてメッセージをお願いします。
「とにかく一度大会を観てください! という事ですね。媒体に名前の出てる選手は少ないですけれど、試合内容では決して負けてないと思ってます。私もプロデビューして20年超、色々な団体や興行でプロレスをやってきていますが、そこは自信をもって言えます。『PRO-WRESTLING A-TEAM(プロレスリングAチーム)』をよろしくお願いします」
――ありがとうございました。
「ありがとうございました」
(聞き手:SPICE編集部)
ー全対戦カードー
<~メインイベント~ "WEWジュニアヘビー級選手権試合" 60分1本勝負>
[王者]
高岩竜一(iDENサービス)
vs.
櫻井匠(PRO-WRESTLING A-TEAM)
[挑戦者]
※第9代王者・高岩竜一 2度目の防衛戦
<~セミファイナル~ "WEWタッグ選手権試合" 60分1本勝負>
[王者組]
雷電(PRO-WRESTLING A-TEAM) 大谷譲二(P.P.P.TOKYO)
vs.
外崎幸作(常陸プロレス) ケント・ディカプリオ(常陸プロレス)
[挑戦者組]
※第36代王者・雷電&大谷譲二組 2度目の防衛戦
<~第4試合~ シングルマッチ 30分1本勝負>
下田大作(PRO-WRESTLING A-TEAM)
vs.
仁(PRO-WRESTLING A-TEAM)
<~第3試合~ タッグマッチ 30分1本勝負>
TORU(TTTプロレスリング) HASEGAWA(PRO-WRESTLING A-TEAM)
vs.
石坂ブライアン(シアタープロレス花鳥風月) 橋之介
<~第2試合~ シングルマッチ 30分1本勝負>
牙城(PRO-WRESTLING A-TEAM)
vs.
MIKAMI
<~第1試合~ 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
橋本友彦(PRO-WRESTLING A-TEAM) 伊織(二瓶組) 佐瀬昌宏(PRO-WRESTLING A-TEAM)
vs.
スーパータイガー(ストロングスタイルプロレス) 清水来人(Team Motion) 前田賢哉(iDENサービス)

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