「かくしごと」神谷浩史インタビュー!

「かくしごと」神谷浩史インタビュー!

神谷浩史、「さよなら絶望先生」から
約11年を経て「かくしごと」に挑んだ
意味

「かくしごと」神谷浩史インタビュー! 久米田康治氏の人気漫画が原作のテレビアニメ「かくしごと」に新規カットを追加した、「劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか」が7月9日に公開される。主人公・後藤可久士を演じたのは神谷浩史。「久米田康治作品で主演が神谷浩史」といえば、2007~09年に放送された「さよなら絶望先生」以来となるが、約11年ぶりの再タッグはどのようにして実現したのか。「かくしごと」は「久米田作品の集大成」と話す神谷に、久米田作品との縁や本作への思いを聞いた。(取材・文・写真/編集部)
 「月刊少年マガジン」(講談社刊)で2016~20年に連載された原作漫画「かくしごと」は、ちょっと下品な作品を連載している漫画家・後藤可久士が、愛する娘・姫に嫌われたくないあまり、自分の職業を隠そうと暴走するコメディ。劇場編集版は、20年4~6月に放送されたテレビアニメ版をベースに新規カットを追加し、姫の視点で物語が展開。テレビシリーズで語られなかった“もうひとつのラスト”が描かれる。
「かくしごと」アニメ化に抱いたいくつもの思い
「『絶望先生』で果たせなかったことを…」
(c)久米田康治・講談社/劇場編集版かくしごと製作委員会――原作漫画の印象はいかがでしたか。
過去の久米田作品にも目を通してきましたが、「かくしごと」に関しては久米田先生の集大成のような作品だと感じました。
――どういった点から、そう思われたのでしょう?
久米田作品は、シンプルな線で描かれているのに情報量が非常に多いんですね。わかりやすいところでいうと文字の情報量。それから、一見「日常もの」のようで、実は毒のある内容。シンプルな線で描かれたキャラクターなのに、「表で流れている感情」と「裏の感情」が感じとれるなど、非常に複雑なものをはらんでいます。
また久米田先生が、ご自身の過去の作品を、否定しながらある意味全肯定しているような内容だとも思いました。これまで歩いてきた道のりをネタにしつつ、新しい日常系漫画の体で表現している。久米田イズムが充満しているけれど、それを今までと違うアプローチで表現していると感じました。
――集大成とまで感じた作品の主演に決まった時は、感慨深かったのでは? 出演の経緯はどういったものだったのでしょうか。
後藤可久士(CV:神谷浩史)(c)久米田康治・講談社/劇場編集版かくしごと製作委員会うれしかったですよ。そもそも最初は、「かくしごと」の単行本のテレビCMで可久士の声をやったんです。テレビCMは、シャフトがアニメを作って、新房(昭之)さんがコンテをきって、演出を宮本(幸裕)さんがやるという座組でした。音響監督は亀山(俊樹)さんで、まさに「絶望先生」と同じ座組。そこから何年か経って「アニメ化します」と。でも「アニメーション制作会社は違います」「監督も新房さんではありません」「CMとはまったく違うところでアニメ化が動いています」と聞いたので、「じゃあそれは僕じゃなくてもいいや」と思ったところからのスタートでした。僕は、作品は監督のものだと考えているので、監督がどういうものを思い描いているかによると感じたんです。だからこそ、オーディションを受けてくださいと言われた時は「もちろん受けさせてください」と。そこで選んでいただけたら、すごく前向きにアプローチできる。別な人が選ばれたら、それはそれで仕方ないとも思っていました。
ただ、ある種「絶望先生」の延長線上にある役どころだったので、もしこの役を任せてもらえるのであれば、絶対的な自信はありました。また、オーディションに受かってから「原作漫画の最後まで映像化します。原作と同時に終わらせることを目標にしています」と言われた時に、3期で終わってしまった「絶望先生」で果たせなかったことを、「かくしごと」でかなえることができるかもしれないと思い、ありがたかったです。
――結果的には、劇場編集版へと続くことになりましたね。
「かくしごと」テレビアニメ版ビジュアル(c)久米田康治・講談社/かくしごと製作委員会久米田先生が最終回を描くのが1カ月遅れたので(笑)。計画通りにはなりませんでしたが、当初の予定通りいっていたら、もしかしたら劇場編集版はなかったかもしれません。今回、久米田康治先生の作品がすごく好きな人たちが集まりました。まず村野(佑太)監督が久米田作品をすごく好きで、僕も久米田作品が好きですし「絶望先生」をやってきたという自負もあります。そういった思いが良い形で組み合わさってアニメーションができて、久米田先生がアニメとは違うエンディングを用意する機会もできました。だからこそ劇場編集版というところまでたどりつけてるので、最初から最後までよかったなと感じています。
(可久士役を)僕に決めてくださってすごくありがたかったし、コロナ禍の厳しい状況のなかで、村野監督はスタッフをひっぱって、あのクオリティで最後まで仕上げて、「かくしごと」を最後まで届けることができました。本当に、みんな久米田先生のことが好きなんだなと感じています。

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