菅原裕一役の岡田将生 (ヘアメイク:小林麗子(do:t)/スタイリスト:TAKURO)

菅原裕一役の岡田将生 (ヘアメイク:小林麗子(do:t)/スタイリスト:TAKURO)

【インタビュー】舞台「物語なき、こ
の世界。」岡田将生、憧れの人・峯田
和伸との共演に「これまでとは違うセ
ッションになる」

 岡田将生が主演するCOCOON PRODUCTION 2021「物語なき、この世界。」が、7月11日から上演される。本作は、映像でも脚光を浴びる三浦大輔が、3年ぶりに書き下ろした、新宿・歌舞伎町を舞台にした人間ドラマ。売れない俳優・菅原裕一を岡田が、売れないミュージシャン・今井伸二を銀杏BOYZ峯田和伸が演じ、10年ぶりに再会した2人の男の身に起きた大きな事件を描く。岡田に舞台出演への思いや本作への意気込みを聞いた。
-作・演出の三浦さんは、スキャンダラスな題材やリアルを追求した演出で知られる演出家です。そんな三浦作品への出演オファーがあったとき、どんな気持ちでしたか。
 三浦さんとは映画『何者』で、短い期間、ご一緒させていただいたのですが、そのとき三浦さんの演出を受けて信頼できるも方という印象を抱いたので、長い期間をかけてしっかりと三浦さんの演出を受けたいとずっと思っていました。なので、今回、舞台のお話を頂いて、すごくうれしかったです。普段、僕は舞台に出演する際には、台本を頂いて、それを読んでからお話を進めさせていただくのですが、今回はタイトルとプロットのみで出演することを決めたので、どんなお話になるのか、いまだに(取材当時)分かっていません(笑)。これから三浦さんと濃密な稽古ができることは楽しみではありますが、(物語の)結末が分からないことに恐怖も感じています(笑)。
-舞台出演は、2019年の「ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~」以来となりますが、約2年ぶりに舞台出演についてはどんな気持ちですか。
 2019年のときは、このコロナ禍の前だったので、単純に舞台が好きで、舞台に立ってお芝居することに生きている実感がありました。ですが、昨年からのコロナ禍で、舞台に立てることに感謝する気持ちはより強くなりました。1日1日、1公演1公演を大切にしなければいけないと、より身に染みて感じています。本作でも、最善の対策をして、皆さまに安心して見ていただけるものにしなければいけないと思っています。
-岡田さんにとって、舞台に立つことの魅力をどこに感じていますか。
 僕は、舞台の魅力を語れるほど出演しているわけではありませんが…。舞台だと果敢に、いろいろな役に挑戦できると感じています。それから、「せりふで遊ぶ」ことができるのが舞台を見ていていいなと思っていた部分でした。実際には、1カ月半の稽古で僕がそれをできているかと言われると、なかなかそこまで到達できていないとは思うのですが(笑)、到達できていなくても、なぜ僕は稽古をしているのかを自問自答したりして、自分自身と見つめ合う時間が増えるのも、僕にとってはすごく充実した時間です。そうすることで、今までやってきたものがリセットされ、新たにお芝居ときちんと向き合える時間ができるので、それがすごく好きです。
-最近は、主演以外の作品に出られることも多く、多彩な才能を発揮していますが、今回は主演という立ち位置です。主演だからこその楽しみはありますか。
 (主演に)こだわりがないと言ったらうそになりますけど、僕は、一緒にやっているチームとして支えたいし、支えられたいので、どの位置でも気持ちは変わりません。
-岡田さんが演じる菅原は主人公に憧れを持っていますが、その気持ちには共感できますか。
 それはありますよ。いまだに僕も売れたいと思っています(笑)。ですが、それは俳優なら誰でも思っていることじゃないかな? どの人にも根本的には、たくさんの人に知ってもらいたいという気持ちがあるんじゃないかなと思います。役柄に関していえば、今回は無防備さや脱力感を出して、これまでとはまた違った一面を舞台上で見せられたらというお話を三浦さんとしているので、僕なりの菅原を見せられたらと思っています。
-今井役の峯田さんとは本作が初共演になります。岡田さんは、中学生の頃から峯田さんに憧れていたそうですね。
 峯田さんの音楽がすごく好きなんです。なので、お会いできることだけでも本当にうれしかったです。その上、一緒にお芝居ができるので、これまでとは違うセッションになるだろうなと楽しみにしています。
-岡田さんが感じている峯田さんの魅力は?
 中学生のときに、初めて銀杏BOYZの音楽を聞いて衝撃を受けました。峯田さんは、音楽が鳴ると顔つきが変わるんですよ。伝えたいというエネルギーにあふれていて、あの表現は峯田さんにしかできないことだと思います。今、こうして一緒のカンパニーで、一緒に作品を届けることができることが本当にうれしいなと思っています。
-俳優デビューから15年目になりますが、ターニングポイントとなった作品は?
 お芝居が本当に楽しいなと思ったのは、ドラマ「ゆとりですがなにか」に出演したときでした。僕にとっては転換期となった作品で、皆さんと呼吸をするように会話をしている空間がそこにはあって、それはいまだに忘れられません。僕はあの作品で、いい仲間に出会って、いいチームに出会えたので、そのときの空気感に出会いたいという気持ちで今も続けているんじゃないかなと思います。
-ところで、昨年からのコロナ禍で“おうち時間”も増えたと思いますが、その時間はどのように過ごしていますか。
 昨年は、自分を見つめ直す時間も多かったので、そのときは家庭教師をつけて世界史と英語をリモートで勉強していました。週に3、4日ぐらい教えていただいて、空いた1日で宿題をして(笑)。勉強しようと思っても、作品に入ってしまうとバタバタしてしまってなかなか時間が作れなかったので、ステイホームの期間があったことでそれがかない、充実した時間になりました。
-公演を楽しみにしている人にメッセージを。
 コロナ禍の今、お芝居をすることが本当にいいことなのかどうかは正直分かりませんが、舞台の生々しいパワーやエネルギーを、この時期だからこそ感じていただきたいという思いもあります。一発本番の公演に懸ける僕たちの思いはきっと見てくださる方々に届くと思いますし、それをまた違ったエネルギーに変えて持って帰っていただけたらと思います。
(取材・文・写真/嶋田真己)
 COCOON PRODUCTION 2021「物語なき、この世界。」は、7月11日~8月3日に、都内・Bunkamuraシアターコクーンほか、京都で上演。
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