満を時して『遊戯三昧』で実現した、
盟友同士の初対バンーー世界初披露さ
れた新曲、SKY-HI feat.山中拓也(T
HE ORAL CIGARETTES)の真相とは

「問答無用で楽しいを作りたい」というコンセプトのもと、多彩なアーティストをゲストに迎えて開催された、SKY-HI主宰の対バンツアー『遊戯三昧(ユゲザンマイ)』。大阪公演の対バン相手は盟友、THE ORAL CIGARETTES! プライベートでも大親友であるSKY-HIとTHE ORAL CIGARETTESのボーカル&ギター、山中拓也の2人によるスペシャル対談がライブ直前に実現。さらに、SKY-HI feat. 山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)による未発表新曲の初披露も行われた当日のライブレポートもお届け。※このライブレポートはネタバレ有り。
ーーお2人の初めての出会い、というと?
SKY-HI:初めて会ったのは『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』で、Czecho No Republicの武井(優心/Vo.Ba)くんが紹介してくれて。そこにはLiSAちゃんもいて。2002、2003年頃?
山中:ちょっと待って! 俺が中学生の時に出会って、お互い一緒に成長しました、みたいな美談になってる(笑)。2016年やった気がするな。
SKY-HI:しかも会う直前くらいに衣装が被ったかなんかもしてたんだよね。
山中:その時履いてる靴もお互いに持ってるやつやった! 僕からしたら、SKY-HI=超キラキラしてる人という感じやったから、気が合うか心配やったんです。でも最初に挨拶した時からめちゃめちゃフランクで、フラットに話してくれる人やって、それがめっちゃ好感でしたね。
SKY-HI:拓也はね、初対面の時から会話に全部突っ込んで、全部拾ってくれるんですよ(笑)。ありがたいなと感謝の気持ちでいっぱいでしたね。
ーー以降、お2人がガチで仲良しなのはそれぞれのファンもご存じだと思うんです。とはいえ、オーラル主宰のイベント『PARASITE DEJAVU〜2DAYS OPEN AIR SHOW〜』での競演はあったものの、実は「対バン」は今日が初なんですよね。
SKY-HI:ぼくりりとはやってるくせに。
山中:そんなふうに思ってたんや(笑)。
SKY-HI:Creepy Nutsともやってるくせに。
山中:あれはイベントよ(笑)。でもまぁ、満を持して感はありますね。
SKY-HI:拓也というか、オーラルとの対バンはいつか絶対やりたいと思ってたんです。コロナ禍もあってタイミングが難しかったんですけど。
山中:対バンのメンツ見たら、「全員ラッパーの中に俺らバンドが1つ入んねや」みたいな(笑)。今日は無歓声でやるわけですけど、SKY-HIも見てる中、俺らがどこまでやれるか、みたいなのも試されてる気がするので、せっかくロックバンドを呼んでくれた限り、やってやろうと思ってます。
SKY-HI:オーラルのライブは曲の繋ぎやテンポ感も含めて、ヒップホップ以降の感じですよね。今日もその気持ち良さみたいなのが楽しめると思います。
山中:SKY-HIはダークな感じで攻めてきてんちゃう?
SKY-HI:そうなんよ。
山中:その感じが今日はめっちゃ楽しみやなと思いました。
ーー普段も音楽の話はしてるんですか?
山中:してますね。2020年は電話とかで、むちゃくちゃ真剣な話を1時間半くらいずっとしてました。
SKY-HI:今、1時間半って言った? 4時間半やん。
山中:あ! そっか、朝になっとったもんな。あの頃は病んでましたね。助けてもらいました。
SKY-HI:でも、去年の下半期くらいからは割と前向きになれたかもね。やることもいろいろ決まってたし。
山中:そうそう。お互いが次にやることに対して、こうしようぜ、ああしようぜみたいな話をしたり聞いたり。最近はそういう前向きな話が多いですね。
SKY-HI :今日もね、せっかくなら新曲作りたいな、みたいな。今日はそういうライブですね。
ーーえ? 新?! 山中さんをフィーチャリングした新曲?!
山中:僕も、「新曲を作ります」と言われた時は、「ちょっと待って?! 対バンまであと1ヶ月半くらいしかねぇぞ?!」みたいな感じでした(笑)。でもだっちゃん(SKY-HI)は行動力がすごくて。そういうテンポの速さも、バンドとはまた違うカルチャーを見せてもらったというか。ラッパーとかヒップホップのレコーディングはこんな感じなんや、みたいな面でもレコーディングが楽しかったし、それを今日のライブで初披露できるのは、めちゃめちゃ楽しみですね。
ーー新曲、どんな感じの曲なんでしょうか?
SKY-HI:僕らを足して2で割らなかったらこうなるよね、みたいな感じですね。相当衝動的なものになっているというか。
山中:今までもだっちゃんの家で、酔っ払って一緒に曲作ってるんですよ。
SKY-HI:あー、作ってる作ってる! 俺のグレッチ(ギター)のセッティングとかも超適当なんだけど、そのひずみがまためっちゃ良くて。作った時は酔っ払ってたから半分くらいしか覚えてなかったんだけど、朝起きてPCみたら「拓也」というファイルがあって、聴いてみたらめっちゃ良くて。その後リビングに行ったら本物の拓也が寝てたという(笑)。
山中:「うお!」とか言ってたもんな(笑)。今回もSKY-HIの家でデモを作ったんですけど、トラックメーカーのKMさんに作ってもらった音源に俺がギターでコードを落とし込みながら、だっちゃんにメロを乗せてもらったり、「こんなんどう?」という感じで2人でやったりして。「青春感あってええやん」みたいな空気感も良かったな。
SKY-HI :その頃、拓也がオーラルのツアーをやってたり、俺が合宿してたりで、レコーディング当日とかも嵐のような感じだったね。
山中:とりあえず僕は自分のバースを録って、後はお任せしてたんですけど、1週間経っても返事が来なくて(笑)。でも出来たものが想像を全然超えてきてましたね。「だっちゃんのバース、どういう感じで来るんやろう?」とか、いろいろ無駄な心配してたんですけど、「こうやって攻めてきたんや!すご!」みたいな感じでした。
SKY-HI:(テレ隠しに唇をとがらせながら)ふぅ~~ん。
山中:ホメられ慣れてないんかよ(笑)。ホメられてテレんのやめて(笑)。
SKY-HI:今日はとにかくその新曲をやるというのがね、でかいですね。まさか新曲をやるなんて、想像した人もそんなにいないでしょうし。ジャンルもよくわからん曲になってて、閉塞感のない突き抜けた曲になってるという意味でも、満を持した感じがある。今日は服も揃ってるしね(※2人は色違いのお揃いのジャケットを着用)。
山中:いつでも一緒にやれるべ、というバイブスはあったよな、ずっと。
SKY-HI:でも危ないというか、プライベートでいくら仲良くても、タイミングがひとつ合わないだけで、一生実現出来ないこともある。それが今回は形になったというのは、人生において貴重なこと、かけがえのない財産。
山中:そうそう。「奈良に住んでて、大仏近いけど行かん」みたいな感じ。
SKY-HI:そう! 行けるんだけどね、いつでも。それが実現したのは人生においてすごく大事なことだと思うので、いい1日にしたいですね。
SKY-HI 東名阪対バンツアー『遊戯三昧』2021.6.18(FRI)Zepp Osaka Bayside 
■THE ORAL CIGARETTES
THE ORAL CIGARETTES
「SKY-HI、呼んでくれてありがとう!」
SKY-HI主宰のJoint Tour 2021『遊戯三昧』のテーマ曲(東京スカパラダイスオーケストラの演奏による『燃えよドラゴン』)に乗ってステージに登場したTHE ORAL CIGARETTESのボーカル&ギター、山中拓也が笑顔でそう叫ぶ。
そして、ステージに並んだ山中、ギターの鈴木、ベースのあきら、ドラムの中西が最初に鳴らしたのは、「DIP-BAP」。感染症予防対策のため歓声をあげられないものの、観客たちはマスクの下でこぼれんばかりの笑顔を浮かべ、両手をあげて楽しそうに飛び跳ねている。さらに間髪入れずに披露されたのは、「Naked」。攻撃力の高いバンドグルーヴと、ラップ調にたたみかける妖しい歌声でフロアを魅了した後、山中がフロアに向かって話しかける。
「地元である関西で、親友、SKY-HIと対バンがやれることを本当に誇りに思います。ヒップホップを好きでロックに興味ないとか言うてるそこの君たち、今日はロックで惚れさせます!」
THE ORAL CIGARETTES
そんなMCの直後に「Dream In Drive」を投下し、疾走感みなぎるダンサブルなロックビートを響かせて観客を煽ったかと思えば、エレクトロなシーケンス✕バンドサウンドによる「僕は夢を見る(Redone)」では、穏やかに聞き手の感情を揺さぶる。SKY-HIいわく、「ヒップホップ以降のロックバンド」の縦横無尽のグルーヴは、ジャンルを超えて確実にオーディエンスの心を鷲掴みにしていく。
THE ORAL CIGARETTES
「SKY-HIと知り合って5年経ちました。あの人、下手な関西弁を使うんです。5年教育した俺が悪いんかな(笑)。今日もMCで下手な関西弁喋ると思うんで、温かく見守ってください」
仲の良さがわかる微笑ましいエピソードに、大きな拍手で応える観客に向かって山中が続ける。
「もしSKY-HIがしんどくなったら助けに行きたいと思ってるし、一緒にシーンを盛り上げたいと思ってます。コロナ禍もあって、1人でしんどい人もおると思う。助けてくれる人はなかなかみつかるもんでもないけど、カッコいいやつにはカッコいい友達がいるし、ダサいやつにはダサい友達しかおらん。俺もクソみたいやった時はそういう友達しかおらんかったし!」
SKY-HI、THE ORAL CIGARETTES
型通りのアドバイスではないがゆえに沁みるその言葉に続いて披露されたのは、縦横無尽に動くギターリフに心躍る「狂乱 Hey Kids!!」。すっかりダンスの坩堝と化したフロアに追い討ちをかけるように、山中がステージにSKY-HIを呼び込む。もちろん次の曲は、SKY-HIも出演したオーラル主宰のイベント『PARASITE DEJAVU』以来の競演となる、「カンタンナコト feat. SKY-HI」だ。
親友同士の競演による2度目の実演、ということで、サビ前の掛け合いも見事に息ぴったり。しかも2人の衣装はなんと、黒(山中)と白(SKY-HI)という、色とバージョンが違う揃いのジャケット! さらにサビの掛け合いを、ステージ中央に置かれたお立ち台の上で仁王立ちするSKY-HIの両脚の間から山中が顔出す、という謎のフォーメーションで披露。表現する音楽のジャンルこそ違えど、助けに行きたい、なんて簡単には言えないことを共に熟知している同志による「カンタンナコト」。
THE ORAL CIGARETTES
この日のTHE ORAL CIGARETTES feat.SKY-HIによる「カンタンナコト」には、間違いなく特別な力が宿っていたと思う。
■ SKY-HI
SKY-HI
再び、『遊戯三昧』のテーマ曲(東京スカパラダイスオーケストラの演奏による『燃えよドラゴン』)が流れた後は、いよいよJoint Tourの主宰者、SKY-HIのステージだ。
「To The First」のジングルと共に、DJとドラム、ギターを従えて登場したSKY-HI。「カンタンナコト」で登場した際の山中と揃いの白/黒の衣装から、全身黒一色の衣装にチェンジし、1曲目の「何様 FIRST TAKE Ver.」から、カニエ・ウェスト「POWER」とのマッシュアップで聴かせた「illusion」まで、ダークな世界をとことんストイックに表現する。ヘヴィロックなアプローチで聴かせた「F-3」では、ハードコアバンドとしてのルーツも持つマルチ音楽家でもあるビースティボーイズの「Ch-Check It Out」のフレーズをさらりと響かせ、ヒップホップ以降のロックバンド、THE ORAL CIGARETTESという、この日の対バン相手へのリスペクトを匂わせる。
SKY-HI
「声出せないし、(緊急事態宣言中にライブに来るという)罪悪感もあるかもしれないけど、君たちが背負ってるのはエンターテインメントの未来だから」
ステージからSKY-HIがフロアにそう話しかける。自身でマネジメント/音楽レーベル「BMSG」を設立。また、自ら投資したボーイズグループ発掘オーディション『THE FIRST』を開催するなど、コロナ禍でもエンターテインメントへの情熱を絶やさなかったSKY-HI。そんな彼の行動を象徴するような言葉にフロアが大きな拍手でレスポンスした後は、エンターテイナー、SKY-HIの本領発揮の時間だ。
SKY-HI
妖しいフロウを響かせる「Mr. Psycho」を皮切りに、ダンサーチーム「BFQ」と共に、キレキレかつクールなフォーメーション・ダンスを次々と披露。ラッパーとしての卓越したスキルと音楽センスと探究心、ステージ映えする最強のルックスと、抜群の歌唱力に加えて、ボーカルグループのメンバーとしての活動を経てそのDNAに刻まれたダンス・スキル。こんなにもあらゆるエンタテインメントが表現出来るラッパー、世界中探してもSKY-HIの他にいるだろうか? 「そこにいた」など、今度は「歌」にフォーカスしたナンバーを立て続けに披露した後、SKY-HIが言う。
「あれ? 俺、ギター持って来てるっけ? 誰のだ?」
場内から沸き起こった大きな拍手からも明らかなように、これがオーラルの山中をステージに呼び込むための前振りだということは、観客も百も承知だ。
大歓迎でステージに迎えられた山中と共に披露したのは、なんと、この日のために書き下ろされた、オーラルの山中をフィーチャーした新曲「Dive To World」! 予想外の嬉しいサプライズに、割れんばかりの拍手で応えるフロア。そこに放たれたのは、ヒップホップ✕ロックの高揚感が炸裂するトラックの中、SKY-HIのラップと山中のギター&ボーカルが開放感を描く濃密なナンバーだった。まさにそれは、 ライブ直前に行われた対談時、「僕らを足して2で割らなかったらこうなる」とSKY-HIが語っていた通りの、異種格闘技みたいにスリリングな1曲だった。
SKY-HI
「久々の対バンがオーラルで、拓也で嬉しかった」
盟友との競演を経て、SKY-HIが言う。プライベートで仲が良くても、こんな風に音楽として形に出来ることは実はかなりの奇跡。「Double Down」でニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」のギターリフを響かせてみせたのは、10代の頃のような青い衝動を思い起こさせてくれた競演と、THE ORAL CIGARETTESというバンドへの想いもあったではないかと想像する。
再びダンサー陣と共にラップと歌とダンスパフォーマンスでフロアを熱狂させた後、SKY-HIがオーディエンスに告げる。
「どんだけ若くても、歳をとってても、いつでも始めることは出来る。これが俺のデビューツアーです。最高の時代を作るんで。先頭を走るのは俺だ!」
SKY-HI
最後に披露されたのは、「To The First」。<怖くても進め> <どんな過去があっても今日がスタート>と歌うその曲は、SKY-HIの新たな宣戦布告の1曲だ。自身の夢と音楽シーンの未来と人々の期待。多くのものを背負って走り出すことに不安がないはずはない。それでも前に進むことを選んだ、型破りな天才。 先頭を走ることを誓った男の新たな挑戦は、まだ始まったばかりだ。
THE ORAL CIGARETTES
取材・文=早川加奈子 撮影=ハタサトシ

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