大原櫻子「こんなに愛おしく寂しいツ
アーは無いんじゃないかなって思いま
す」全国ツアーファイナル公演の公式
レポート到着

大原櫻子が6月18日(金)に東京ガーデンシアターにて全国ツアー『大原櫻子 CONCERT TOUR 2021 “Which?“』のファイナル公演を開催した。本記事では、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

なお、今回のツアーを記念して、主要ストリーミングサービスでライブセットリストを再現したプレイリストが公開された。そしてファイナル公演にスペシャルインタビューが追加される放送が8月8日にテレ朝チャンネル1にて決定している。

音楽活動に加えて、役者としても映画やドラマ、舞台やミュージカルなど幅広いフィールドで活躍中の大原櫻子が6月18日(金)に東京ガーデンシアターにて、全国ツアー『大原櫻子 CONCERT TOUR 2021 “Which?“』のファイナル公演を迎えた。
大原が全国ツアーを開催するのは、全編に渡ってカバー曲にチャレンジした東名阪ツアー『大原櫻子Premium Concert 2020 “ I am not I“』を挟み、2019年5〜7月にかけて行われたデビュー5周年を記念した全国ツアー『⼤原櫻⼦ 5th Anniversaryコンサート“ CAM-ON! ~FROM NOW ON!~“』以来、約2年ぶり。さらに、本ツアーは、2020年2月にリリースした4thアルバム『Passion』の楽曲を中心に構成された「P version」と、今年3月にリリースした最新アルバム『l(エル)』に紐づいた「L version」のダブルコンセプトを掲げ、各会場で1日に2つの異なる公演を行うという新たな試みに挑んだツアーとなっていた。
16時開演の「P Version」は、草刈浩司(Gt)、前田逸平(Ba)、髭白健(Dr)、小名川高弘(Key)というバンドメンバーによる明るく軽快なリズムで幕を開けた。オーディエンスのクラップに迎えられた大原は、ポニーテールに赤いリボンと赤い手袋をつけた “赤”をイメージした衣装で登場。キャッチーなダンスポップ「Amazing!」「Shine On Me」で女性ダンサー二人を従えてエネルギッシュに踊り、いきなり観客の視線を釘付けにすると、最初のMCでは本ツアーを振り返り、「ほんっとに感慨深いです。最終日を迎えることができて夢のようです」と実感を込めて語った。
大原櫻子
そして、歓声が出せないオーディエンスとはペンライトやメッセージボードでコミュニケーションを図り、ファンのリクエストに応えて鶏の鳴き声も披露して場内の空気を和ませると、届きそうで届かない恋心を描いた「未完成のストーリー」ではタンバリンを叩いて盛り上げ、自身が作詞作曲を手がけた片想いソング「Special Lovers」では心地よいハイトーンを響かせた。さらに、デビューのきっかけとなった主演映画『カノジョは嘘を愛し過ぎてる』の劇中歌「明日も」はアカペラで歌った後、アコギを力強く鳴らして勢いを上げていくと、高校サッカー応援歌として制作されてヒットした2ndシングル応援歌「瞳」を観客一人一人の心に届けるように真っ直ぐに歌い上げた。
大原櫻子
初の主演ドラマ『びしょ濡れ探偵 水野羽衣』の主題歌で自分を信じる強さを込めたメッセージソング「I am I」から後半戦に突入。ファンキーなR&B「Sing Sing Sing」ではダイナミックなダンスと速いパッセージの歌い回しで熱気を上昇させると、オーデェンスは<ナナナ>の大合唱の代わりにペンライトを大きく振り、事前にダンスレクチャー動画をアップしていた「REALITY SHOW」で観客が1つとなって踊って盛り上がった。しかし、ここで空気は一転。バンドのインストを挟み、一青窈が作詞したバラード「電話出て」では、白いワンピースに替えした大原が、自身の明るく元気なイメージとは正反対の低音の効いた歌声を繰り出し、心の奥底から湧き上がってきたようなダークな思いを吐露。弱々しい呟きから次第に激情へと歌声とちょっとした仕草でドラマを紡いで切迫したシリアスな空気感を醸し出し、ミュージカルなどでも活躍している彼女ならでわの表現力をアピールする一方で、会場に集まったファンに向けて、「あなたと繋がっていることがわかれば、私はどんなことがあって歌い続ける」という強い意思を表明した。
大原櫻子
20時開演の「L version」公演は、緑黄色社会の長屋晴子が書き下ろしたアップテンポのポップロック「透ケルトン」でアグレッシブにスタート。パープルのノースリーブ姿でエレキギターをかき鳴らし、自立した女性の心をパワフルに歌った彼女は、<あなたは一人じゃない>というメッセージも込めたライブの人気曲「踊ろう」で会場に一体感をもたらすと、「こういうご時世の中、足を運んでいただきまして本当にありがとうございます」と挨拶。続けて、「今日は1番の笑顔を生み出したいと思います」と意気込みを語ったあと、「STARTLINE」では堂々とした歌いっぷりで観客を圧倒したかと思いきや、ロマンチックな大人の恋愛ソング「Love Letter」では息遣いを繊細に使いながら色香を漂わせ、デビュー映画の人気曲「ちっぽけな愛のうた」では思春期の葛藤や迷いを繊細かつ伸びやかに歌い上げるなど、楽曲ごとに声色と表情を変えていった。
続くブロックでは、「miss you tonight」や「Carnival!」といったダンスナンバーで会場に集まった大勢の観客の笑顔とクラップを引き起こし、ライブならではのオーディエンスとの一体感を生み出すと、一青窈が作詞した「#やっぱもっと」では<菜の花揺れてる高台>という歌詞に合わせて、フロアがイエローのペンライトで埋め尽くされる場面もあった。そして、彼女が作詞した男性目線のラブソング「抱きしめる日まで」では、コンテンポラリーダンスに合わせて、遠く離れた君とまた会える日まで生きていくんだという思いを切々とドラマチックに歌唱。ここで、彼女はファイナル公演のみのサプライズとして、本ツアーのオープニングSEとて流していたアリシア・キーズ「Underdock」をカバー。<好きなことを諦めないで/絶対に這い上がれるから>というエールソングを真っ直ぐに前を見据えて凛とした姿勢で熱唱し、同じ時代に日々を生きるオーディエンスに生きる情熱と勇気を届けた。
大原櫻子
そして、2公演ともエンディングナンバーは彼女自身が作詞作曲した「チューリップ」であった。全く異なるセトリの中で唯一の共通曲について、彼女は「昨年、大切な友人を亡くしました。その友人へのメッセージを歌にしようと思って作った曲です」と明かし、ギターと歌だけの弾き語りで披露。最後はマイクを外して、生声のみで<今日のあなたがいちばんです>と歌い、「皆さんの明日に少しでも笑顔の花が咲きますように」というメッセージを明るく優しく伝え、会場中を温かい気持ちで満たした。
全国13カ所14公演ながら、ひとつの会場でふたつの全く異なる色のツアーを並行して行い、合計28公演にも及んだダブルコンセプトツアーを見事にやり遂げた彼女は、最後のMCで「こんなに愛おしく寂しいツアーは無いんじゃないかなって思います。歌うことが大好きで、歌ってる時に幸せを感じる私ですが、プレッシャーや不安な気持ちも大きかったです。でも、毎回会場でみんなやスタッフさんが見せてくれる笑顔で乗り越えることができました」と感謝の気持ちを述べ、天に手を高く掲げて「やったー!!」と絶叫すると、観客からは賛辞のこもった割れんばかりの拍手がわき起こるなかで大団円を迎えた。

文=永堀アツオ 撮影=竹中圭樹

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