BBHF Galileo Galilei時代の曲も披
露、“過去・現在・未来”全てが一直
線に繋がった新体制初ワンマン『BAC
K TO THE FUTURE』をレポート

BBHF BACK TO THE FUTURE

2021.6.10(Thu) USEN STUDIO COAST
バンドの過去と現在、そして未来がすべて一直線につながるようなライブだった。BBHFの約1年半ぶりとなるワンマンライブ『BACK TO THE FUTRE』だ。遊び心溢れる今回のライブのタイトルについて、尾崎雄貴(Vo)は、MCで「コロナがなかったら、存在していたであろう未来に行こうという意味でつけた」と言っていた。ライブハウスで音楽が鳴り、お客さんが集まる。それが当たり前だったはずの本来の世界線にみんなで戻していこう、ということだろう。また、この日は事前に「びっくりするようなライブになる」と予告されていたとおり、セットリストには、前身バンド・Galileo Galilei時代の楽曲が初めて4曲も組み込まれていた。過去から未来へ、時を超えて颯爽と駆け抜けていくようなライブは、BBHF史上最も外向きのエネルギーが溢れていた。
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USEN STUDIO COASTのステージがブルーの照明で染まると、浮遊感のある音像のなか、雄貴の柔らかなボーカルがライブの始まりを告げた。1曲目は、5月に配信リリースされたばかりの最新シングル「黒い翼の間を」だ。次第に加わるバンドサウンド。どこかGalileo Galilei時代を彷彿とさせる爽やかな曲調で綴られる、<どう強く描いても 別の何かにはなれない>というフレーズは、いまの彼らの心境が投影されたものだろうか。雄貴、DAIKI(Gt)に加えて、サポートで様々な楽器を担当する岩ヰ郁人と共に奏でる3本のエレキギターが、ダンサブルなグルーヴに重なった「僕らの生活」。凍える心とは裏腹に、燃えるような赤いライティングがステージを照らした「ページ」では、情熱的な演奏にのる雄貴の歌唱も熱を帯びていく。尾崎和樹(Dr)が大きく打ち鳴らすドラムがフロアの手拍子をさそった「流氷」から、サポートの岡崎真耀(Ba)が奏でる柔らかなベースの起伏が透明度の高いメロディに寄り添った「Sive」へと、序盤は新しい曲を中心にライブは進んだ。スタジオで映像美を追求した無観客の配信ライブとは違い、いたってシンプルなステージで、真っすぐにお客さんと向き合うライブは、まさに「本来の姿に戻っていく」というライブの理想を体現するものであると同時に、BBHFのロックバンドとしての存在感も強く際立たせていた。
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和樹が叩き出す軽やかなリズムにのせ、雄貴が「BACK TO THE FUTREということで、ここからは懐かしい曲を何曲かやります」と言うと、たっぷりと助走をつけて、Galileo Galilei時代のナンバー「恋の寿命」が披露された。ステージからは瑞々しい光が溢れ出す。間髪入れずに、同じくGalileo Galilei時代の「鳥と鳥」「星を落とす」が続いた。リズム隊が力強い推進力を持って壮大に展開していく楽曲で、時折、雄貴と岡崎が向き合い、お互いの存在を感じ合いながら演奏をしていた。2016年の武道館ライブを最後に、BBHFとして活動してきた彼らが、ライブでGalileo Galilei時代の楽曲をこんなにもたくさん演奏したのは初めてだと思う。いずれも、いまならではのかたちにアップデートされた過去の楽曲たちからは、バンドが時間を重ねると共に、楽曲もまた健全に年をとっていく美しさを感じたし、何か分断されていた時間がつながるような感動があった。
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『Family』を携えた全国ツアー以来、1年半ぶりの有観客ライブということで、MCでは雄貴が「どれだけ待ったか、僕はとってもうれしいです」と、集まったお客さんに感謝を伝えた。さらに、新体制になったことにも触れ、「いろいろあったけど、バンドがいい状態であることを伝えたい。いままででいちばんエネルギーに溢れている」と言っていた。それは決して言葉だけではなかった。1曲目が始まった瞬間から、彼らが並々ならぬパワーを蓄えてステージに立っていることは、すでに十分伝わっていた。
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いよいよライブがクライマックスに向かうなか、「N30E17」のあとに「太陽」を聴かせた流れは素晴らしかった。憂鬱なサウンドスケープが、やがて偉大な一歩を踏み出す夜明けの高揚感へと移り変わっていく「N30E17」。その陽性の漲るパワーを受け継いだ「太陽」では、和樹が生命力に満ちたリズムを打ち鳴らし、巨大なミラーボールが会場に無数の光の粒を放っていた。この曲のラストのフレーズは、<前の時代の氷河を溶かして>。それもまた、この日のBBHFの姿そのものを表すようだった。
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「1年半ぶりのアンコールです」。本当に久々となったワンマンライブの感触を噛みしめるように雄貴が言うと、アンコールの1曲目には、Galileo Galilei時代の代表曲「青い栞」が披露された。清涼感のある女性コーラス、青春の眩しさといった約10年前の原曲の趣を残しながら、奥行きの広がった新しい「青い栞」を歌い終えたあと、「過去を感じながら、新しい未来に向かっていることを感じています」と、雄貴は確かな手応えを伝えた。90分間におよぶワンマンライブを締めくくったのは、「黄金」と「なにもしらない」だった。軽快に転がるアイリッシュなバンドサウンドにのせて、日々汗を流し、涙を流して走り続ける私たちにポジティブなメッセージを伝える晴れやかなフィナーレ。最後に「ありがとう、BBHFでした」とだけ残して、メンバーはステージを去っていった。
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この日のライブでは、11月から開催する新たな全国ワンマンツアーも発表された。「ライブ1本1本も楽しいですけど、ツアーもやりたかった。また今日みたいに開催できることを願って、新しい試みをやってみようと思っています」と意欲をのぞかせた雄貴は、「もちろん曲も作ってます」とも言っていた。自分たちの過去も引き連れ、この場所から新体制として本格始動していくBBHFは、ここから、さらに大きな進化を遂げてゆきそうな予感がする。

文=秦理絵 撮影=鳥居洋介

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