L→R yuri(Gu)、chifumi(Vo&Key)、shun(Dr)、chinatsu(Ba)

L→R yuri(Gu)、chifumi(Vo&Key)、shun(Dr)、chinatsu(Ba)

【マルシーボク インタビュー】
初の全国流通盤で迎える
第2章のスタート

表に出していなかった悲しみや
怒りも描いてみようと思った

フランス語のメルシーボクーをもじって“マルシーボク”。鍵盤エミュポップバンドの“エミュ”や、曲名にもフランス語が多いのはなぜなのでしょう?

chifumi
shunくんがL'Arc~en~Cielをめっちゃ好きなのもあって、結成当初から“フランス語って可愛い”って話になっていて(笑)。曲のタイトルも迷ったらフランス語(笑)。珍しいし可愛いし、私たちの曲にはぴったりやと思うんです。

アルバムにもその空気感がありますよね。キャッチーだけど斬新なメロディーや変拍子も入っていたり、歌詞やサウンドにもアクセントが散りばめられているし。バラエティーに富んだ10曲で、第2章に突入したことで楽曲制作に自由度も増したのではないかと思いました。

chifumi
ほんまにそうです。前のバンド名の時はポップで前向きな曲が大前提で、バンドのイメージを崩さへんようにするべきやと思っていたんですけど、第2章に進むからにはイメチェンの要素も見せたくて。作ってみたかった世界観の楽曲にチャレンジしました。yuriちゃんに加入してもらったのも、私がライヴでハンドマイクパフォーマンスができるようにしたくて、ずっとギターを探していたんです。

マルシーボクになったタイミングで、これまでやりたくてもできなかったことができるようになったんですね。

shun
「幸せを」みたいな人間味のあるバラードや、「パノラマリアル」みたいなダークな要素が入った楽曲も作れるようになって嬉しいです。改名する前の時では考えられへんような曲調なんですよ。
chinatsu
ポップな曲だけやと、ベースのプレイもだんだんワンパターンになってしまって。今回は曲調もさまざまなので、いろんなタイプのベースが弾けて楽しかったです。「ドラマ」は3rdシングル「モット」(2018年発表)の続編を描いた曲なんですけど、「モット」より断然カッコ良い曲になったと思います(笑)。
yuri
犬の気持ちになって書いた「エプン」みたいに、これまでやってきてないタイプの可愛いらしさがある曲など振り幅が広がりました。「幸せを」は胸に染みるバラードで、自分でもめっちゃいい曲やなと思います。

DTMを導入したことも幅広い音楽性が実現できた背景のひとつになっているのではないでしょうか?

chifumi
前からメンバーや先輩に“DTMやってみたら?”と勧められていたんですけど、ずっと“嫌や! ピアノの弾き語りで作ったものをみんなでアレンジして作りたい!”と思ってたんです。でも、それだと曲が完成するまでに時間がかかってしまうので、試しにiPhoneに入っていた楽曲制作アプリを触ってみたら想像していたよりも簡単だし、楽しくて! そしたらshunくんがパソコンを貸してくれて、今回の10曲は全部shunくんのパソコンで作りました(笑)。
chinatsu
DTMでデモ作りをしてくれたおかげで、どんな曲にしたいのか、みんながどんなふうに演奏していくのかが想像しやすかったです。アレンジ作りもより楽しくなりました。
shun
マルシーボクのサウンドはピアノやシンセがメインなので、ベースやギターはどんなフレーズを弾いてもあまり前に出なかったんですけど、そこで土台になるドラムが思いっきり自由に叩くことで、楽器陣を埋もれないようにしているつもりです。思いきりの良さやフレッシュさは大事にしてます。

メンバー内での楽曲のイメージ共有がうまくいったから、バラエティーに富んだサウンドが実現したということですね。また、カラフルなアルバムの中で“一生”を思わせる歌詞が多いのも印象的でした。“添い遂げる”や“生涯”、“最期”、“天国”、“この世は時間が限られてる”など。

chifumi
言われてみると確かに。全然意識してなかったです(笑)。でも、今作では今まで表に出していなかった怒りや悲しみも描いてみようと思っていました。私がシンガーソングライターやったら、実体験をそのまま色濃く曲にすればいいと思うんですけど、バンドで演奏するからには4人全員が共感できる楽曲じゃないと伝えられへんから、たくさんの人に伝わる歌詞を書きたくて。だから、ひとつの恋愛のことを歌っていても、"一生"を感じられるものが多いのかな? でも、「エプン」はすごく個人的な曲なんです。最近ワンちゃんを飼い始めたから、犬の気持ちを曲にしたいという我を通しました(笑)。

yuriさんが好きな曲だとおっしゃっていた「幸せを」は、他の曲とは違う真っ直ぐな意志や覚悟のような強いものを感じました。

shun
僕もこの曲が一番好きなんです。僕の好きなアーティストがアルバムの最後の曲をバラードにしていて、それに感銘を受けました。自分たちのアルバムでもこの感覚を出せたらいいなと思ったので、最後の曲をバラードにしたくて、自分が求めている曲の感じをchifumiにめちゃくちゃ伝えました(笑)。期待通り、いいバラードができたと思います。
chifumi
「幸せを」はアルバム唯一のバラード曲なので、歌詞に時間をかけました。私は記念日やイベントがある時にはしっかり遊びたいんですけど、レコーディングが迫っているのに曲ができてなさすぎて、昨年はクリスマスイブとクリスマスを犠牲にして家に引きこもってバラードを作らなければいけなくなって…その時の“この野郎!”って気持ちも詰まった結果、《ゴミ屑まみれ》という歌い出しになったのかな?(笑) そんな気持ちもありつつ、幸せだった過去や、きっとこれから幸せが待ってるという想像をしながら書いていきました。

“一生”を綴った歌詞が多いのは、マルシーボクが未来を見ているからかもしれないなと、お話をうかがっていて思いました。当面はメジャーデビューを目標としているそうですね。

chifumi
そうです。それで『ミュージックステーション』に出たいです!(笑) つらいことや悲しいことも、マルシーボクの曲を聴いたら少し楽になったり、楽しい気持ちになれる存在でいたい思っています。
chinatsu
うん。聴いて笑顔になってほしいね。
shun
僕はドラムの楽しさを伝えたいです。もっとたくさんの人にドラムに触れてもらいたいし、僕を見てドラムをやりたいと思ってもらえたら、めちゃくちゃ嬉しいですね。
yuri
私はマルシーボクで大きいライヴハウスをソールドできるようになりたいです。よりいい方向に進んでいけるように、4人で頑張っていきたいと思います。

取材:沖さやこ

アルバム『マルシー』2021年6月23日発売 マルシーボク
    • MALC-2106
    • ¥2,800(税込)
マルシーボク プロフィール

マルシーボク:2017年に結成された、関西出身の4人組による鍵盤エミュポップバンド。“エミュ”はフランス語で“感動”という意味で、マルシーボクの音楽で“人の心を動かしたい”“ハッピーにしたい”という想いが込められている。21年4月に“chouchou(シュシュ)”から“マルシーボク”に改名し、6月に1stフルアルバム『マルシー』を発表。 マルシーボク オフィシャルHP

「花コトバ」MV

『マルシー』

OKMusic編集部

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