【May'n インタビュー】
変わらない私のまま、
ずっとずっと変わり続けていく
どんな瞬間も全部今に繋がっているし、
どんな選択も全部を肯定してあげたい
そして、最後の「未来ノート」が本当にいい曲で。作詞作曲は大石昌良さんですが、この曲は文具・事務用品メーカーであるナカバヤシ株式会社とのタイアップ曲なんですよね。
もともとは3年くらい前、ファンの方がナカバヤシさんのTwitterアカウントに、私の本名が中林であること伝えてくださったんです。それで“いつかコラボしたいです!”って絡んだら、私が15周年のタイミングにナカバヤシさんも70周年を迎えるということで、コラボさせていただいたという流れですね。で、ナカバヤシさんが企業として掲げているキーメッセージが“思い悩め 立ち止まれ それが君の前進だから”なんですよ。
ええ!? サビに使われているから、てっきりこの曲用に作られたフレーズだと!
逆なんです。私も大石さんもこの言葉に感銘を受けて、そのまま歌詞に使ったり、そこから曲を膨らませていったんです。結果、大石さんの素晴らしいポジティブメッセージを私もいただけたことで、より自分の15年間を認めてあげられたというか。1曲目の「Walk with moments」でも歌っているように、どんな瞬間も全部が今の自分につながっていると心から思えたんです。いろいろ人生の選択をしていくと、時には“あっちにしといたほうが良かったんじゃないか?”と後悔することって誰もがあるじゃないですか。でも、私は“いや、だからこそ今、こうして歌を歌えている”とか“だからこそ今、すごく大切な仲間に出会えている”って感じることで、“これから先もいろんなことがあるだろうけど、きっと大丈夫!”って信じられるんですよね。若い時って夢が無限大な分、どの道を進めばいいのか迷うだろうけど、どんな選択も私は“大丈夫だよ”って言ってあげたいし、立ち止まってる時も走ってる瞬間も全部を肯定してあげたいんです。
アニメーションMVでも大きな夢ばかり応援するのではなく、毎朝通勤電車に揺られる日常をちゃんと肯定してくれているのがとてもいいですよね。
やさしいメッセージですよね。日常に寄り添って、みんなを抱きしめてあげられるような曲になってます。私自身、この曲をいただけたことで自分がアーティストとして何を伝えるべきかに改めて気づくことができたので、この「未来ノート」を聴いてくださったみなさんが少しでも“いろんなことがあったけど、でも、頑張ろう!”って思ってもらえたら、私はすごく嬉しいです。
本当にメッセージ性が強くて、今までの作品とはまた意味合いの違うアルバムになりましたよね。
そうですね。「Walk with moments」で始まり「未来ノート」を最後に置いているのが自分自身の強いこだわりで、“これからもっともっと前に進んでいくぞ!”っていう気持ちが強いアルバムだとは感じます。これまでの15年間、別に“変わるぞ!”って意識していなくても自然と変わってきた気がするし、そうやって今後も変わりながら、その時々の感情を大切に感じたり見つめつつ音楽を届けていきたいので。変わらない私のまま、ずっとずっと変わり続けていくっていう、そんな決意を込めることができたアルバムになったんじゃないかと思います。
15周年にやる予定だったことが叶わず、悔しい想いもしたでしょうから、16周年や17周年でリベンジしたいという気持ちもありませんか?
ツアーに関してはありますね。日々状況が変わる中で、海外や地方に行きづらい世の中になってしまったのは、やっぱりすごく残念です。でも、“必ず行きたい!”っていう想いはありますし、逆にオンラインに出会えたのは、私にとってすごく大きなことだったんですよ。今までオンラインライヴってあんまりしたことなかったですけど、オンラインを通して“初めてMay’nのライヴを観れました”っていう人もたくさんいてくださって。より映像のことを考えたステージングだったり、いろいろクリエイティブな脳を使ったりすることによる発見もあったので、今後もオンラインライヴは続けていきたいですね。
例えば上からのアングルとかはオンラインライヴならではですもんね。
そうなんですよね。普段のライヴではあまり見せられない足元の振りにこだわったこともできたし、私から見た景色を見せることもできたし。音楽作りの面でも、例えば「Walk with moments」でクラップだとか足踏みだとかっていう、身体の動きで完成させられる曲を作れたのは、今後しばらくは思い切り声を出せるライヴをやるのは難しいと思ったからなんです。そうやって幅広い音楽作りができたのも、普段とは違う状況があったからこそですし、仮に普通にライヴができるとしても、より深くて広いものができるんじゃないかという期待があるんです。15周年を経て、ここからまた新たな10年、15年が始まりますけど、私自身の新しい音楽というものをみなさんにたくさん届けられる予感がするので、ぜひ楽しみにしていただきたいですね。
取材:清水素子
「Walk with moments」
Official Lyric Video
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