May’n、15年間の思いと新たな幕開け
に想いを馳せた5ヶ月連続配信ライブ
「1 to 5 -MUSIC-」レポート

2021.05.30.(Sun)May’ n 15th Anniversary Monthly Concert「1 to 5 -MUSIC-」for Streaming+
アーティストデビュー15周年を記念したライブ『May’ n 15th Anniversary Monthly Concert「1 to 5 -MUSIC-」』が5月30日に開催された。本公演は5ヶ月連続で開催され、「POP」「DANCE」「ROCK」「ACOUSTIC」「MUSIC」と毎月異なるコンセプトを立て、May’ nの様々な歌声を楽しめるのが魅力のライブとなっている。今回は「MUSIC」がコンセプトの公演となり、記念ライブの最後を締めくくるステージとなった。
カウントダウンが終わると映像が切り替わり、中野サンプラザのステージが映し出される。ライブ開始を待つワクワク感をオンライン・オフライン関係なく、ライブを観てくれている皆で共有したいというMay’ nの気持ちが最大限に反映された演出だ。
定刻になると虹色の照明が輝き、ステージ中央の巨大モニターが分割してMay’ nが登場。「キミシニタモウコトナカレ」からライブがスタートした。本楽曲はMay’ n名義での初のリリース曲だ。イントロからこの15年が一気に頭の中を駆け巡り始める。実に1年3ヶ月振りとなった有観客ライブに思わず熱いものがこみ上げてくるのだろう。そんな思いをグッと堪えて歌を届けてくれる姿にこちらも熱くなる。
キレのあるダンスと力強い歌声で「Crazy Crazy Crazy -May'n Ver.-」、「今日は声を出せないけど、その分私の歌を聞けー!」と心の叫びを観客へと投げかけ「射手座☆午後九時Don't be late」と最初からアクセル全開で歌っていく。歌唱後のMCでは「それ以上拍手しないで、泣いちゃうから!」と思わず本音が漏れる。これまでのライブでもオンラインでしか楽しめない演出を仕掛けてくれたが、やはり目の前にオーディエンスがいるという幸せは何にも変えがたいのだろう。
だが、家でライブを楽しんでくれている人たちの思いも忘れない。オンライン、オフライン、どちらにいる方も関係なく”あなた”に届くように歌うと宣言し「ライオン -May'n Ver.-」を歌唱。これまで堪えてきた思いを開放するように両手を広げ、その思いを歌声に変えて客席に向かって叫ぶ。
その後は「ViViD」でボルテージを高めて、タオル回し曲の「サマー・スライダー」で皆と一緒に盛り上がる。声は出せないものの、拍手なら客席から思いを届けることができる。手を叩いて全員でライブを創り上げる感動を共有した。<きっと来年もここで会えるでしょう>という歌詞を確信に変えるように「全部大丈夫」を歌い、皆の不安や辛さを受け止めるMay’ n。本ライブも1月の雪が降る日から始まり気がつけばもう夏だ。それだけの長い時間を共有でき、最後は実際に出会うことができた喜びがステージに現れた。普段は<Wooh Wooh Wooh>部分は皆に任せているため歌っていないが、今回は自分で歌ったため、何百倍もパワーが必要だと感じ、思わず「もうこれで最後にしたい(笑)」とこぼす一幕も。それだけいつもみんなに助けられていると語り、観客ありきで自身のライブが成り立っていると感じたことを改めて明かした。
さらに本日もMay’ nの”雨女”パワーが炸裂。「晴れの予報だったのに局地的大雨になったよね……」とポツリ。しかもリハーサルを始めたタイミングで中野近辺だけが豪雨となったことを後に聞いて認めざるを得ないのかと吐露し、「今後も雨とのお付き合いよろしくお願いします」と締め括った。
本マンスリーライブでは全てセットリストを変えて、15周年に因んで15曲にこだわりセットリストを組んでいたと明かす。これを機に久々に歌えた曲もたくさんあり、15年間を感じながら歌うことができたという。そんな各公演で歌ってきた思い入れのある曲を選び、今回のセットリストにも追加したと語った。思いの詰まった曲はたくさんあるが、その中でも音楽人生を語る上で欠かせない曲だという「BLUE」を披露。自身で作詞作曲を務めた本楽曲。作ったときは独り言のような気持ちで制作したが、今は待ってくれている人がいる気持ちを込めて歌っているという。静かに光がさす中をゆっくりと歩き、思いを一人ひとりに伝えるように歌う。そして「ダイアモンド クレバス」、「Shine A Light」と心の中に響く楽曲が続いた。
声が出せないライブに不安があったが、逆にそんな状態を楽しもうと今しかできないライブを考え抜き作り上げたという。初めてのワンマンライブから10年以上経ち、その中でもライブ自体が変化していき、変化させていったのだからできるはずだと「かわりゆくもの」を披露。ステージ上のあちこちを駆け巡り、オンライン、オフラインどちらでも楽しめるように様々なカメラにウインクを飛ばしたり、バンドメンバーにちょっかいを出したり、おちゃめな姿で楽しませてくれた。
今回のライブではテーマに沿った演出が見所だったように思う。「graphite/diamond」ではMVを彷彿とさせる青一色になったり、「AMICITIA」ではアクティブに動き周り、下方のカメラに向かい叫んだかと思うと唇に指をあてて音楽を止めて、アカペラで会場に向けて歌ってくれたりと止まらない。
そんな楽しい時間はあっという間に過ぎていく。大事な時まで取っておこうと考えていたという「May’ n☆Space」を15周年の節目という今日に披露。「どんなにライブが変わったとしてもこの”May’ n☆Space”に集まりましょう!」と皆と約束を交わして、15周年の感謝と16周年の決意を込めて16曲目に「未来ノート」を歌う。その後は本ライブでは恒例の「部長コール」を経て「Phonic Nation」をアンコールで披露しライブの幕を下ろした。
「活動の軸はライブです!」と高らかに宣言したMay’ n。初の試みとなったオンラインライブも不安だからと逃げるのではなく、この特殊な状況だから出会えたと前向きに受け取り、自分らしく昇華していく力強さを魅せてもらったと思う。
レポート・文:波多野彩花 撮影:平野哲郎

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