(左から)荒川良々、皆川猿時、細川徹

(左から)荒川良々、皆川猿時、細川徹

【インタビュー】「3年B組 皆川先
生~2.5時幻目~」皆川猿時&荒川良
々&演出・細川徹が送る学園もの「お
客さんを笑わすことだけを考えて作っ
ています」

 皆川猿時と荒川良々が3年振りにタッグを組む舞台「3年B組 皆川先生~2.5時幻目~」が、6月17日から本多劇場で上演される。本作は、2016年上演の舞台「あぶない刑事にヨロシク」、18年上演の舞台「さらば!あぶない刑事にヨロシク」に続く、皆川・荒川コンビによる作品。作・演出を“見た後に何も残さないばか”にこだわったコントユニット「男子はだまってなさいよ!」を主宰する細川徹が務める。皆川と荒川、そして演出の細川に、本作の見どころを聞いた。
-今回は、学園ものということですが、学園を舞台にしようと思ったきっかけを教えてください。
細川 僕は、劇団に所属しているわけではないので、同じメンバーで違う作品をやるということがないんですが、それをやってみたかったというのがまずありました。学園を舞台にしたのは、プロデューサーの長坂(まき子)さんからのアイデアです。
-「学園もの」を提案されたときには、違和感なくやってみようと?
細川 自分だけだと絶対やらないことですが(笑)。
皆川 絶対やろうとは思わないですよね。まあ、言われたからやるかって感じ?(笑)。
荒川 嫌々なんですか(笑)?
細川 (笑)。自分の発想にないから新鮮ですよね。
-今回はどのような作品になりそうですか。
細川 稽古場でストーリーが変わっていくので、きっと今回も大きく変わっていくと思いますし、僕の頭の中のものを具現化しようという発想は、全くないんです。なるべく、どうでもよくて面白いことをやりたいので、稽古場でも雑談をしたり、みんなでアイデアを出しながら、面白いかどうかで作っていく形になると思います。
-ビジュアルはどんなイメージで撮影したのですか。
細川 タイトルに「2.5時幻目」とありますが、まさに2.5次元っぽい感じで作りました。このキャストたちがあまりやらないことをやろうと思って、それでとりあえず、2.5の芝居だろう、と。そこで、2.5っぽいチラシがいいなと思ってこうなりました。多分、普通にやったらダサくなると思うんですが、皆川さんと荒川くんが真ん中にいることで、わざとやっているんだということが伝わると思います(笑)。
皆川 細川さん、2.5次元の舞台をちゃんと見たことあるんですか。
細川 ほとんどないんですよ(笑)。この芝居を見に来る人はきっと見ている人が少ないと思うんで、興味がない人でも楽しめる、何となくの2.5らしさを追求したいと思います。おじさんたちが、わりと真面目に2.5をやるシーンは楽しめると思います。
-皆川さん、荒川さんも、「なんとなく2.5次元」をイメージして撮影したのですか。
荒川 僕も見たことはないので、イメージで。
皆川 撮影のときは、2.5次元のチラシを見せてもらいながら「これで」と言われてやりました。
細川 でも、それらしくなっていますよね。チラシが一緒に並んでいたら、遠目には分からないと思います(笑)。
-今回、新メンバーとして乃木坂46の清宮レイさんが出演しますが、清宮さんをキャスティングした理由は?
細川 学生らしい人がいないので、1人ぐらい強烈に学生らしい人を入れようということでお願いしました。優等生っぽい子がいるといいなと思ったんですが、バランスがあまりにも…ですね(笑)。
荒川 おじさんとおばさんだけだからね(笑)。
-清宮さんにはどんなことを期待していますか。
細川 学園ドラマの雰囲気を表現できるのは清宮さんしかいないので、期待は大きいです。このままでは、おじさんばかりで学園ドラマに見えないですから。清宮さんがドラマの空気を作らなければいけないので負担は大きいとは思いますが、その空気感には期待しています。
-出演者は先生役も生徒役もやるのですか。
細川 基本は皆川さんが先生で、荒川くんやほかのメンバーは生徒が多いかと思います。生徒たちが、皆川先生を振り回す感じですが、振り回し過ぎないよう気をつけつつやります。毎回、皆川さんは熱を出したり、肉離れを起こしたり、何かがあるんですよ。前回は肉離れでしたね。
皆川 演出で「走れ」とも言われてないのに走って肉離れです(笑)。自分でも良くないと思うのですが、動いて間(ま)を埋めてしまうんですよね。どこかに負荷をかけないと、ばかなものが成立しないんじゃないかと思って、ついやってしまうのですが、もう50歳になるので、そういうのもやめようと思います。
荒川 でも、本番が始まったらやっちゃうんでしょ。運動会のお父さんのリレーと一緒ですね(笑)。
-やり過ぎてはしまうけれど、この舞台に参加するのは楽しみですか。
荒川 もちろん楽しみですよ。
皆川 やっぱり、お客さんの盛り上がり方が全然違うんです。これは細川さんの作品じゃないと経験できないと思います。
荒川 稽古場だとお客さんがいないから、虚無感がある(笑)。お客さんの前でやらないと分からないところがありますよね。
皆川 うん。どうなるんだろうと思いながら稽古をするけど、本番では本当にお客さんが笑うんで、細川さんはすごいと思います。
細川 お客さんを笑わすことだけを考えて作っていますから。なので、これが配信になったら難しいと思います。絶対に客前でやらないといけない作品です。
-では、舞台を楽しみにしている皆さんに一言お願いします。
細川 コロナ禍になって、客席数制限などもあり、舞台のチケット代が高くなっています。ですが、この作品は7千円です。これは本当に安いと思うので、ぜひ、7千円で笑いに来てください。劇場でみんなで笑うというあの気持ち良さを皆さん忘れていらっしゃるかもしれませんが、やはり最高に気持ちいいと思います。
皆川 今回は、清宮さんが出るので、僕の息子や娘の同級生が見に来たいと言っていました。若いお客さんが増えたらすごく面白いと思いますし、そういう方に刺激を与えられたらと思います。
荒川 こんなおじさんたちが何の意味もないことをやっているところを若い人に見てもらいたいですよね(笑)。
細川 演劇ってマイナーで難しいというイメージがあると思うので、こういうのもあるというのを知っていただけたらうれしいです。
(取材・文・写真/嶋田真己)
 「3年B組 皆川先生~2.5時幻目~」は、6月17日~7月4日に都内・本多劇場で上演。

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