ノンストップで届けた濃密なライブ『
Peaky P-key・Photon Maiden 合同LI
VE Ultimate Melodies』夜公演レポー

2021.4.30(Fri)『Peaky P-key・Photon Maiden 合同LIVE Ultimate Melodies』夜公演:Zepp Haneda(TOKYO)
2021年4月30日(金)にZepp Haneda(TOKYO)で『Peaky P-key・Photon Maiden 合同LIVE Ultimate Melodies』が開催された。直前に発令された緊急事態宣言の影響を受けて急遽無観客配信となってしまったが、2ユニットの合同ライブということもあり、まるでお互いが鼓舞しあうように盛り上げあったステージが繰り広げられた。アニメでは絶対王者として君臨していたPeaky P-keyと、圧倒的な存在感と世界観が魅力のPhoton Maiden。2つのカリスマがしのぎを削りあった本ライブの夜公演のレポートをお届けする。
■Photon Maidenからライブはスタート
ライブが開演するとステージ上にはPhoton Maidenのメンバーの姿が映し出される。今回のライブはPhoton MaidenとPeaky P-keyがそれぞれのパートに分かれ、互いの世界観をぶつけ合う構成となっており、先行はPhoton Maidenのターン。1曲目の「Here’ s the light」はアニメ「D4DJ First Mix」第9話でも披露されているのでPhoton Maidenといえばこの曲、というファンも多いのではないだろうか。
実際、ライブでも定番曲になりつつある同曲で一曲目から一気に彼女たちの世界観へと引きずり込まれる。
続く2曲目は、これまたアニメ第10話で放送された「暁」とファンとしては嬉しい選曲が続き、最新シングルの「Be with the world」まで、Photon Maidenらしいダンサブルなエレクトロナンバーがノンストップで繰り広げられていく。
楽曲が次から次へとめくるめく展開されていくような構成や、会場の装飾などもまるでクラブさながらのDJライブとなっており、画面の前でも思わず身体が踊り出してしまう。
また、D4DJと言えばスマートフォン向けリズムゲーム「D4DJ Groovy Mix」内にて展開される多彩なカバー楽曲も魅力のひとつだが、続く4曲目はライブ初披露となる「アンドロイドガール」からカバー楽曲の流れが続いていく。キーワードとして”宇宙”や”ミステリアス”のような単語がぴったり当てはまるPhoton Maiden。続いて披露されたカバー楽曲「sakura」は、原曲よりもマッシヴなクラブミュージックアレンジが加えられており、無機質で正確無比なイメージの彼女らが、静かに熱を帯びていくのが伝わってくる。

そんな彼女らが隠し持っているアツい情熱はカバー曲「Synchrogazer」でピークを迎え、これまたライブの定番曲のオリジナル曲「Photon Melodies」で原点回帰。曲のドロップと共に会場はスモークが焚かれ、クラブさながらの雰囲気で、大爆音でこの楽曲が聴けなかったことが改めて悔やまれる。
■Peaky P-key・Photon MaidenのDJタイムからバトンタッチ

その他にも今回、D4DJならではのライブパフォーマンスとして、Photon MaidenでDJを担当している出雲咲姫役の紡木吏佐と、同じくPeaky P-keyのDJである犬寄しのぶ役の高木美佑が披露するDJタイムパートも見所のひとつだろう。
前半のPhoton Maidenパート後に設けられたDJタイムに登場したのは紡木吏佐だ。「一緒に歌うよ〜!」と無観客のアウェイ感をもろともしない煽りでコメント欄は大盛り上がり。Happy Around!の「Dig Delight!」からDJをスタートさせ、燐舞曲がカバーする「名前のない怪物」と歌詞コメントがものすごい勢いで流れ、現地観覧があったとしても大声が出せない分、無観客配信となったコメント欄では全力でシンガロングしている光景はファンとアーティストのたくましさを垣間見た。
続くMerm4idの「round and round」では公式も絵文字を使ったコメントで「回れ〜!」と流れに加勢し、紡木をサポート。3曲続いた所でピキピキの高木にバトンタッチ。「Journey through the Decade」から「Climax Jump」の仮面ライダー繋ぎなど、ライブのみならずDJプレイでも魅せてきた。
さてライブも後半戦へ突入し、ここからはPeaky P-keyのパートへ。山手響子役の愛美や笹子・ジェニファー・由香役の小泉萌香、清水絵空役の倉知玲鳳らが颯爽と登場すると、ピンスポットライトに照らされた愛美が「電乱★カウントダウン」とだけ呟き、再びライブがスタート。DJを担当する高木が随所でスクラッチを挟むなど、王者にふさわしいスキルの高さを見せつけてくる。
「CYBER CYBER」や「JUST COMMUNICATION」のカバーでユーロビートをベースとした2曲の流れがあり、ライブ初披露の「仮面ライダーBLACK」や「Over Soul」と、ここまでアツいアニソン/特撮カバーが続いた。
6曲目の「Ultimate Vista」でガラッと雰囲気を切り替え、一気にエモーショナルな展開に持ち込むと「ABSOLUTE」で究極から絶対へ。アニメのライブパートと全く同じカメラワークや、キャラとステージ上の振り付けがシンクロしている様子がバックモニターへと映し出され、絶対王者の王者たるパフォーマンスを見せつけられる。
最後に披露した「Let's do the 'Big-Bang!'」まで、もちろんPeaky P-keyもノンストップで駆け抜けてPhoton Maidenに応戦した。
再びDJパートとなるが、今度はピキピキの高木が先行してミニアニメ「ぷっちみく♪ D4DJ Petit Mix」の主題歌「ぷっちみくパーチナィ!」からスタート。Photon Maidenがカバーする「READY STEADY GO」、そしてMerm4idがカバーする「HONEY」とカバー元アーティストを意識した繋ぎの選曲の妙もさながら、間奏で一気にBPMを上げてフロアを盛り上げるなど、やはりDJスキルの高さが目立つ。
ここまで3曲続いた流れを紡木が「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント~」で受けて、Happy Around!の「Happy Music♪」へ。曲中「イエーイ!」のセリフに合わせてカメラ目線で高木と紡木がピースするなど、楽しそうにプレイする様子が非常に印象深かった。
最後にPeaky P-keyとPhoton Maidenがコラボレーションして、ピキピキの「Gonna be right」を披露し、合同ライブは大団円でクライマックスを迎えた。
2ユニットの共通点も見えたライブ
終演後のMCパートで愛美も語っていたが、DJパートのみならずライブパートもノンストップだったが故にあっという間に時間が過ぎた印象だったが、それは濃密な体験だったという何よりの証拠だろう。また”役者”としてパフォーマンス中の彼女らと、MC中の彼女らの言わば”素”な部分とのオン/オフのギャップを楽しめるのもライブならではだろう。各ユニットともにキャラクターとは違った柔和な感じであったり、フザケあったりする姿も垣間見えて「やはり無観客は寂しい」と本音が溢れる場面もあったが、直前までどうなるか分からなかった逆境下の中でもエンターテイメントを届けてくれたことに感謝を感じた。
また、一見お互いに違ったベクトルで人々を惹きつけるカリスマ性を持った2ユニットのようにも思えるが、方向性は違えど、目指す高みは近しいのか、実は意外と共通点も多かったりと非常に意義あるコラボライブだったようにも感じた。加えてグルミク内でもライブ後にPeaky P-keyとPhoton Maidenのバトル企画が開催されるなど、リアルと密に連動したコンテンツの楽しみ方もD4DJならではだ。
まだ先々の見通しが立たない時勢ではあるが、来たる5月29日(土)には富士急ハイランド・コニファーフォレストで6ユニット・全24キャストが出演する初の大型野外ライブ「 D4DJ D4 FES. -Be Happy- REMIX」も開催される予定だ。
まるで海外の大型フェスのような開放感あふれるライブ体験を1コンテンツだけで行ってしまうのだから驚きだが、間違いなく楽しい空間になるのは言わずもがな。単独ライブや合同ライブなどステージを重ねていくごとに進化と発見を見せてくれるD4DJプロジェクトのひとつの集大成とも言える大舞台が無事に開催されることを祈るばかりだ。
レポート・文=前田勇介 写真=福岡諒祠・池上夢貢(GEKKO)
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