L→R 白井達也(Ba&Cho)、GIMA☆KENTA(Vo&Gu)、金城昌秀(Gu&Vo)、富永遼右(Dr)

L→R 白井達也(Ba&Cho)、GIMA☆KENTA(Vo&Gu)、金城昌秀(Gu&Vo)、富永遼右(Dr)

【愛はズボーン インタビュー】
自由を謳歌する
痛快なニューアルバム

愛はズボーン以前に、
俺は俺でしかない

シーケンスを多用することでサウンドとしても大きく変わった印象ですが、この4年間でバンドとして何が変わったと思いますか?

白井
僕は技術的なことが好きで、楽器が上手下手とか、歌の良し悪しを考えることが多かったんです。めっちゃ鬱陶しかったと思うんですけど、昔は“もっとピッチを合わせて”とかふたりに言ってたし。

今は変わったんですか?

白井
どっかのタイミングで、GIMAくんも金城くんも急に歌がうまくなったんですよ。そこから演奏するのも楽しくなりましたし、そうなってから初めてのフルアルバムなんです。

おふたりはなんで歌に目覚めたんですか?

金城
ヴォイストレーニングに行ったからですね。
GIMA
僕はそれが大きいですね。夏の3カ月間、通っていたんですけど、ずっとレミオロメンの「粉雪」を練習していて、僕が誰よりも先に雪を降らしてました。

あははは。

金城
僕も歌がうまくなったのはヴォイトレに行ったおかげですけど…めっちゃ嫌やったんですよ。歌を練習するっていうことが嫌すぎた。
GIMA
分かるわー。
白井
(笑)。

嫌だった練習に行くようになったのは、責任感が増したからですか?

金城
それもあるんですけど、ヴォイトレに通うようになって1カ月くらい経った時、GIMAちゃんが弾き語りしているライヴを観に行ったんです。何回も彼の弾き語りを見てるんですけど、その日のライヴを観て“俺もう弾き語りせんでええやん”って思うくらい良かったんですよね。僕が変わったのはそのへんからかもしれないです。ヴォイトレに通い始めた時はそこまで伸びなかったんですけど、自分がどう歌いたいかを考えるようになって、毎週カラオケに通い始めました。

金城さんは、この4年でご自身やバンドにどんな変化があったと思いますか?

金城
この4年間が一番走っていたと思います。がむしゃらに走ってみて、僕が20代の頃に求めていたバンド像になるのは無理かもしれんって思ったのが、前作のアルバムを出すくらいの頃だったんですよ。それまでは青春映画のサクセスストーリーみたいなものを求めてバンドをやっていたんですけど、やっぱり年齢やキャリアを重ねていくうちに現実がドン!って入ってきて…例えばメンバー4人で“死ぬまでバンドやろうぜ”と言って、夜な夜なスタジオに入ってできた曲がこれだと言えたらカッコ良かったんですけど…4年前くらいからひとりでパソコンに向かって音楽を吹き込んで、メンバーにURLで送って、スタジオに行って合わせる…みたいな感じなんで。“俺はこれをやりたかったんやっけ?”って雰囲気になってきた時に、だんだんバンドの見方が変わったんですよね。で、そういう流れがあった中、最後の最後にコロナ禍ですよ。

誰もが自分自身の環境を見つめたと思います。

金城
それこそ“ぼくらのために”じゃないですけど、バンド以前のことを直視した。4人それぞれ自分の生活を守らなあかんし、トミちゃんはトミちゃん、白井くんは白井くん、GIMAちゃんはGIMAちゃんやし、俺は俺なんですよね。俺は愛はズボーンの俺やけど、それ以前に金城でしかないって思いました。もしかしたらそういう連中が集まったから青春みたいなバンドが始まるんかなって期待もありつつ、まずは自分の足元をどう固めるかを考えるようになりました。

生活あっての音楽だと。

金城
そうです、そうです。コロナがバーンって入ってきてから、俺は俺でしかないと思い直して。ハンドル切るの早すぎて、昨年結婚しましたから(笑)。良く言えば音楽はライフワークやし、逆に言ったら愛はズボーンはお仕事としてのバンドでもあるってことをちゃんと考えたいと思ってます。その中に“ぼくらのために”とか“DO IT MYSELF”って言葉があって、愛はズボーンは自分の表現の場でもあるし、それがちゃんとお仕事になったらいいなと。そうやって自分自身のことを見つめ直したからこそ、歌う内容も自然と変わっているかもしれないです。GIMAちゃんが言っていた“カッコつけなくなった”というのと近いかもしれないけど、夢見心地じゃなくなった分、人に夢を見せれるようになればいいですね。

愛はズボーンとしては『TECHNO BLUES』をリリースして以降、どんな活動をしていきたいですか?

富永
幅広い人に聴いてもらえるようなバンドになっていきたいと思います。
白井
コロナ禍なので今後のことは読みにくいですけど、愛はズボーンは今ライヴがめっちゃ良いんですよ。コロナが収まって、以前のようにいっぱいお客さんを入れてライヴができるようになる時に備えて、もっと良くしていけたらなと思ってます。
金城
よくぞ10年もメンバーが変わらずできたなと。このままできれば一番いいですし、みんな愛はズボーンやない時もあるってことを意識することができたので、協力し合いながらいい音楽を作っていきたいです。
GIMA
僕はこのアルバムで愛はズボーンは“どこにも属していないところに行く”っていう意思表示ができたのと思っているので、これから出す音源やライヴを通して、“このバンドめちゃめちゃ自由やねんな”ってことを表現していきたいです。あと、存在としてはすごくポップでキャッチーだと思うので、自分らの番組を持ったり、ラジオをしたり、メディア露出もやっていきたいですね。僕らの音楽を聴いて“私も何かやってみよう”とか、“枠にはまらず生きていこう”って思ってもらえたら嬉しいです。

今作でも一歩踏み出すことを歌っていますしね。

GIMA
タイトルからして“READY GO”とか、「FLASH BEATS & JUMP」では《飛び込む覚悟を決めろ!》って歌詞に書いてますね。僕らのライヴって“こっちのほうが楽しくなるよね”ってほうに旗を振っている感じなので、それが愛はズボーンらしさなのかなと思います。

取材:黒田隆太朗

アルバム『TECHNO BLUES』2021年5月19日発売 TOUGH&GUY RECORDS
    • TGUY-013
    • ¥2,750(税込)
愛はズボーン プロフィール

アイハズボーン:2011年7月に結成、大阪・アメリカ村を中心に活動。高揚感を生み出すシーケンサーによるトランストラックと、ディストーションギターのロックサウンドによるアッパーなサウンドを奏でる。結成10周年を迎えた21年5月に2ndアルバム『TECHNO BLUES』をリリースし、24年1月には4thアルバム『MIRACLE MILK』を発表。また、メンバーは音楽のみならず、アート、ファッション、ゲーム配信など多岐にわたる発信をしている。 愛はズボーン オフィシャルHP

「ぼくらのために part 1」MV

「BEAUTIFUL LIE」MV

OKMusic編集部

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