KOGREY DONUTS

KOGREY DONUTS

【KOGREY DONUTS インタビュー】
ちょっとでも好きって曲があれば
俺と波長が合うと思う

のちに振り返ったときに
後悔しないものができたと思う

あと、今回こだわった部分はどんなところですか?

自分はドラマーだし、生ドラムでやるというのが今回のメインテーマだったんです。…と言いながら、1曲目から全然生ドラムじゃないんですけどね(笑)。で、リメイクする時に一番苦戦したのが「So Good 2020」でした。原曲はクラウドラップみたいな感じで、リズムが808の音だったんです。でも、生ドラムで作り直したら曲として成立しなくなっちゃって、生ドラムのほうへ無理やり寄せていったらまったく違うアレンジになっていきました(笑)。

打ち込みと生ドラムで曲のアレンジ全体が変化したと。あと、「鎮守の森ミュージアム」もかなり不思議なビート感のナンバーですね。

昔、『箱根 彫刻の森美術館』のCMってよくやってたじゃないですか。

あのCMは、何とも言えない感じですごく印象に残ってますね。

シュールでちょっと怖いけどノスタルジックでもある、あの微妙な感じを音楽に変換してみたいと思ったんです。『箱根 彫刻の森美術館』のCMの妙なムードが、自分の中でおじいちゃんの家に行った時のことと結びついたんですよね。近くに鎮守の森があって、木が生えすぎていて、中に入ると暗くて怖かったっていう幼少期の思い出と、CMの感じが結びついて曲にしていきました。5連譜のちょっとつんのめったビートの上に、使いたい音色でフレーズ作っていって、ある程度できた時に村田シゲ(□□□(クチロロ))にベースを好きなように弾いてもらうように頼んだんです。そしたらベースのフレーズをたくさん送ってきてくれたので、ベースのトラックを何本か入れました。

最後に収録されている「春夏秋冬」はピアノをフィーチャーしたメランコリックなポップソングで、木暮さんが初ヴォーカルを務めているという。

ソロアルバムだし、一曲くらい歌ってもいいかなって。これ、最初はバンアパ用のデモとしてピアノの打ち込みで作ったんです。でも、ピアノをギターに変換したら全然良くなくて、バンドのネタとしてはボツになったんで、そのピアノをもとに構成とメロディーをつけて作ったんです。ムード的にもあまりバンアパにない感じになりましたね。

歌詞はどんなイメージですか?

ネイキッドの「夢太郎」(『3』収録)でも話した、無鉄砲な子供と遊んでる時に感じたこと、記憶に残ってる何気ない風景を書いた感じですね。人に自分の想いを100パーセント正確に伝えるのって難しいじゃないですか。その微妙な気持ちを歌詞にしたんです。

なるほど。では、今回ソロアルバムを作っていく中でどんなことを感じられましたか?

普段いかにバンドメンバーに助けてもらってるかが分かりました。例えばネイキッドの「夢太郎」も僕が作った曲だけど、もしひとりでやったらあんな仕上がりにはならない。アウトプットが違うとまったく違うものになるんだなって。だから、やっぱり『NIKKI』は自分の趣味だと思います。作ってる時は夢中だったし、自分の中で完結してる作業って感じがしました。これを世に出して否定されたら、バンアパの時よりも落ち込むかもなって(笑)。趣味が合わないのはいいけど、これが嫌いと言われたら自分の全人格を否定されてる気持ちになるのかも…とは思いましたね(笑)。

それだけ、木暮ネイキッドの作品であると。

そうだと思います(笑)。2020年までのものはうまくまとまったし、のちに振り返った時に後悔しないものができたと思います。“次はこういうのも作りたい”とかも出てきましたね。これがどういうふうに響くのかまったく分からないんですけど、ちょっとでも好きって曲があったら俺と波長が合うと思うんです。相当“俺”って曲ばかりなので。

これ聴いて木暮さんと仲良くなろうと(笑)。

そうっすね(笑)。アルバムを聴いて、俺と仲良くなりましょう!

ソロでの活動でこれからやってみたいことはありますか?

音楽は好きなので、ソロはソロで永久にやると思うんです。バンドもですけどね。あと、昨年何個か違う畑の仕事をしたんですよ。さまぁ〜ずのライヴとDVD用のオープニングとエンディングを作ったり、サンドリオンって声優アイドルグループに楽曲提供をしたんです。人から注文されたものに自分が持ってるものをフィットさせて作っていくっていうのが結構面白かったんですよね。それは自分でも意外でした。そういうのもガンガンやっていこうかなと思ってます。

取材:土屋恵介

アルバム『NIKKI』2021年5月19日発売 HKWDI Soundz
    • HKWDI-001
    • ¥2,200(税込)
    • ※CDはタワーレコード渋谷・新宿店、FLAKE  RECORDS、物販オンラインストア『Donut Jazz』にて販売
KOGREY DONUTS プロフィール

コグレドーナツ:the band apartのドラマー・木暮栄一のソロプロジェクト。the band apart ではリーダーとして、ドラムの他に作詞作曲、アートワーク・デザインなどを担い、近年ではDJ としての活動や、外部への楽曲提供・リミックス(さまぁ~ず、東方神起、amiinA etc)などでも活躍。21年5月に初のアルバム『NIKKI』をリリースした。KOGREY DONUTS オフィシャルTwitter

OKMusic編集部

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