水谷千重子、2年ぶり2度目の『50周年
記念公演』に「バカ言ってる」ーー因
縁の再会をはたした浜ローズへの想い
を明かす

友近の友人で演歌歌手の大御所・水谷千重子が、2019年、芝居と歌謡ショーの2部構成と劇場をいろんな意味で揺るがした初座長公演から再び、明治座にて6月4日(金)から『水谷千重子 50周年記念公演』を行う。さらに加えて今年は6月25日(金)より福岡、博多座でも初公演。大いなる茶番と言われようとも、パラレルワードが出現! と評されようとも、エンタテインメントにタブーなし。そんな舞台を愛しすぎる水谷千重子に、今回の公演への意気込みを訊いた。
水谷千重子 50周年記念公演
ーー2年ぶりの開催となります。今の素直なお気持ちをお聞かせください。
またあの舞台に立てるこというのは本当に、嬉しいわけですよ。前回、びっくりしちゃったんですけど、明治座に来てくださるお客様が千重子の舞台をどう見てくださるんだろうかと内心不安だったのね。1,400人くらい入る劇場で2週間公演とか、もうお客さん来てくださるの? って。でも蓋を開けたらありがたいことに、大入り満員で……。千重子に対して、皆さん認知というか、興味を皆持ってくださったんだなぁって。そうなっちゃうと、千重子も明治座さんを1回では終わりたくないなと思って、今回の公演となりました。
ーー前回50周年公演でしたが、今回、また50周年公演と銘打っておられますが。
もう、ほんとバカ言ってる! とにかくね、50周年なんです(笑)。ちょっと前に水谷豊さんとお仕事した時に「水谷千重子さん、今年も50周年なんですよね」と言ってくださったのね。あぁ水谷豊さんがそれを知ってくださってるって! しかも「今年も」って。ちゃんとそういうとこ、踏み込まずにわかってくださってるんだなって嬉しくなっちゃったのね。だから、とにかく50周年と言えば、水谷千重子でいいじゃないですか(笑)。
八公太郎
ーーではそんな50周年を振り返ってみると?
子役からスタートして、芝居もやって、歌もやって、いろんなことやってきたのね。もちろん苦労もあったけれど、基本、千重子は「陽」でずっと歩んできた前向きな人ではあるので、そういう苦労話なんかをあまり表に出さないのね。もちろんそれで何かが溜まって爆発するというでもなく。ま、酒豪番付で1位になってるくらいだから、お酒で憂さを晴らすっていうのはあるんだけど……。
倉たけし
そうねぇ、50周年、八(公太郎)と倉(たけし)そして六条(たかや)とかそういう仲間に支えられてきたことが、こうやって一線でやってこれたんじゃないかなって思います。
ーーそんな個性あふれる仲間をまとめるうえで、特に気をつけていることはあるんでしょうか。
あ、千重子ファミリーね。みんな憎まれ口を叩きながらもやってきましたけど、やっぱりね、ちょっと病気になったらすぐ電話して、すぐお見舞いに行くということかしら。みんなお互い身体だけは気遣いながらやってるというのはありますね。そこは敏感。体調には本当に敏感。自分も含めて、ファミリーには凄く敏感!
六条たかや
ーー千重子ファミリーの活躍も素晴らしかった前回の芝居『とんち尼将軍一休ねえさん』、手応えはいかがでしたか?
もうね、千重子の好きないろんなものを取り入れて、1つにギュッと凝縮できたのは嬉しかったわね。明治座さんみたいな舞台での、お芝居の定番として、1人2役はやらせていただきたいなぁって思ったのね。お客様もわかっていながら、「わぁ、やってくれた」というね。お約束みたいなのを全部入れこみたかったの。だからお笑い好きなお客さんが笑ってくださる部分、そして商業演劇や大衆演劇が好きなお客さんが共感してくださる部分て言ったいろんな方に喜んでいただける要素をとにかく千重子は入れ込みたいなって。実際、そういう部分はちゃんとお客さんも笑ってくださったりしてたので、今回にも取り入れたいなって思ってます。
ーーでは、今回の芝居『神社にラブソングを』はどんなお話に?
これは、前作に引き続き、二葉菖仁先生の原案で、二葉森乃介先生が今一生懸命、書いてくださってるんですけど。千重子からは「先生、やっぱり1人2役はやりたいわぁ」とお願いさせていただきました! それと前回、見た目に派手な演出がお客様、お好きでらっしゃったみたいで、桜の花がワーって咲いてるようなとか、セットの盆が回ったりとかすると、見に来た価値あるって思っていただけるみたいなので、そういうものも取り入れてくださいなぁって先生に追加で言っちゃおうかなと思ってます。タイトルに「ラブソング」と入ってるじゃない、だったらやっぱり歌を入れ込みたいなぁって。阿佐ヶ谷姉妹 (木村美穂 渡辺江里子)
それで、今回は阿佐ヶ谷姉妹ちゃん、どぶろっくちゃんというお2組に出て欲しいなってお願いしました。だから具体的にこれを歌ってっていうのはまだ未定なんですけど、きっと素敵なお芝居になるはずです。
どぶろっく (森慎太郎 江口直人)
ーー阿佐ヶ谷姉妹さん、どぶろっくさんの他に、今回新たに武田真治さん、野村将希さん、はいだしょうこさん、生駒里奈さんが参加されますね。
武田真治
真治ちゃんはちょうど、この3月まで時代劇を一緒に撮影してたのね。そう言えば和のテイストの真治ちゃんをあんまり見たことなかったんですけど、撮影現場で見たらすごくお似合いで。凛々しい部分、可愛らしい部分、マッチョな部分、おどけた部分とか、いろんな面を持ってらっしゃったので、今回、ぜひ出てくださいって。
野村将希
そして野村将希ちゃんもベテランちゃんで、ちょっと悪役もコメディタッチもできるような方で。それに真治ちゃんもそうだけどマッチョでしょ。アクションもなさるし。真治ちゃんと新旧合わせたマッチョ対決もできたらなって話してました。
生駒里奈
生駒里奈ちゃんは、友人の友近ちゃんが以前、『逃げるは恥だが役に立つ』の朗読劇で共演したそうで、私に「彼女はいいわよ~」と推薦してくれたの。そして、はいだしょうこちゃんは、元タカラジェンヌで、歌のおねえさんでお歌はもちろんだし、声がチャーミングで印象的でしょ。どの方も素敵な方たちで一緒に舞台に立てるのが今から本当に楽しみなの!

はいだしょうこ
ーー2部の歌謡ショーも楽しみです。八公太郎さん、倉たけしさん、六条たかやさんに加えて、今回は因縁の再会と浜ローズさんが出演されるそうですね。

そうね。大きな出来事があったというよりは長年の積み重ねで。千重子が「陽」なら浜ローズは「陰」というか、千重子の明るさ、前向きさに浜ローズが耐えられなくなったっていう感じがあったのね。それで浜ローズの方から離れていったということで、お互い違う道を歩んでいったわけで、意識をしてなかったっていうのは嘘になるけど、一緒になることはなかった。でも今回は八(公太郎)と倉(たけし)が私たちの間を取り持ってくれたの。嬉しかったなぁ。だから今回、明治座で6月4日(金)の初日、博多座は7月3日(土)に3人が揃うんですけど、それまでの経緯をきっとお話しすると思います。それに浜ローズの歌ね、彼女の歌を聴くのも何十年ぶりだろ。それは今からとっても楽しみ。やっぱり50周年を迎えるって、こういう奇跡が起きるんだなって。
浜ローズ
ーーそして今回、初の博多座の舞台への意気込みを。
福岡は友近ちゃんがライブをした時もすごいお客さんの反応がいいって言ってたし、私もリサイタルで行かせていただいて本当に素敵なお客さんばかりで絶対に欠かせない土地なのね。今回は、2年前の明治座公演を、博多座の方が見に来てくださって興味を持ってくださったの。フフ嬉しいわね。千重子の舞台って、こちらから「やらせてください」と営業するんじゃないものだと思ってるんです。無理やり押し付けるんじゃなく、千重子の世界観をわかってくださらないと……。だからそういう意味では博多座さん側は、しっかり理解してくださって公演させていただけるので、すごくありがたいですね。先日も八(公太郎)とふたりで太宰府天満宮に公演ヒット祈願に行かせてもらったの。やだプライベートじゃないわよ!(笑)。八(公太郎)とはキャンペーンですよ、勘違いしないでね! してないか!(笑)。それで、博多座さんの完璧な計らいと太宰府天満宮にいらっしゃる方全員が協力して、人力車を用意してくださったり。もう俄然やる気が出ちゃって! 博多座の公演も待ちどうしいなぁって。せっかくだから福岡ならではのサプライズもできたらいいなぁって。ただ、千重子ファミリーの楽しみって、舞台はもちろんいちばん楽しいですけど、舞台が跳ねてからの、博多でのご飯も楽しみなわけじゃない。それがこのご時世ですから、きっと公演が終わったらまっすぐホテルに帰らなきゃいけないんだと思うと残念なわけ。だから本当にテイクアウトしてないお店も、今からテイクアウト始めて欲しいなと切に思います。
ーー劇場からのオファーだったのですね。では改めて、明治座と博多座へのアピールをお願いします。
明治座はお客さんは2年ぶりで、このコロナ禍でちょっと見に行くのも不安だわって方もいらっしゃると思うんですね。もちろん、その気持ち凄くわかります。そう思われる方は絶対に家にいらっしゃった方がいいと思います。とは言え、こちらも感染症対策もバッチリしておりますから、笑顔になりたいわっていう方にお芝居や、歌謡ショーでちょっとでもその助けになって明日また楽しく過ごせそうだわって気持ちになっていただけるよう、千重子ファミリー頑張りますので!あと、博多座は今回初めてなので、千重子ってどんなことするのかしら?って興味をね、持っていただいた方は、一度見ていただいて、その世界観を知っていただきたいなと思います。ぜひ、千重子の舞台をナマで見ていただきたいですね。
取材・文=仲谷暢之

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着