【she9 インタビュー】
元気を届けられるような
曲をやっていきたい
私たちにできるのは
楽しい気持ちになってもらうこと
では、ここまでの話を踏まえて配信シングルの「最強★ピース」と「BPM」について訊いていきましょう。まず「最強★ピース」はTVドラマ『結婚できないにはワケがある。』の主題歌ですが、曲を作るにあたってドラマサイドから曲調や歌詞などの要望はありました?
じゅり
なかったです。“お任せします”ということだったので、ドラマの原作の漫画を読ませていただいたんですね。そうしたら個性が爆裂しているところが多かったので、“全部曝け出していこうよ”という歌詞を書こうと決めました。曲調に関してはコミカルな感じの作品だから“楽しい曲になるといいね”という話をみんなでして、私がそれを持ち帰ってメロディーと歌詞を書いて、ピアノでコードをつけたものを、みんなに投げてアレンジしてもらいました。
苑
じゅりが作ったデモを聴いた時、疾走感だったり盛り上がる感じのリズムがいいと思ったんです。なので、8ビートじゃないと思っていろいろやってみた結果、4つ打ちでいくことにしました。Bメロのキックと16分のハットだけになるところとかは、まず基本となるリズムを決めてyuzuとAMIに投げて、返ってきたのを聴いてスネアは抜いたほうがいいと思ったんです。
苑さんは曲中の場面転換を際立たせることを大事にするドラマーと言えますね。ギターソロのバックでタム回しを入れて、楽曲の盛り上がりに拍車をかけているのも絶妙です。
苑
ありがとうございます。この曲の間奏は、みんなのお気に入りなんです。それぞれの個性を出そうということで、こういうアレンジになりました。個性が炸裂してますよね(笑)。聴いてくださった方に楽しんでもらえると思いますし、自分たちも演奏していて楽しいです。
yuzu
ベースは最初にみんなで“こんな感じかな?”と話し合った時から、こういうベースにしようというイメージがありました。この曲は絶対にスラップを入れようと思ったんです。なので、ベースのフレーズ作りはスムーズでしたね。間奏はみんなワチャワチャしているので、私もスラップでグイグイいく…みたいな(笑)。楽しい感じのベースにしたかったので、そういうものにはできたかなと思います。
AMI
昨年からずっとコロナ禍が続いていて、不安とか閉塞感とかに覆われた世の中になっていますよね。そういう中でドラマの主題歌というお話をいただいて、私たちにできるのはshe9の音楽でみんなに楽しい気持ちになってもらうことだと思ったんです。なので、「最強★ピース」は本当にワチャワチャやろうと思って取り組みました。ギターはどんどん重ねていったんです。それも“ここはギターを重ねると勢いが増すな”と思ったところに入れていった結果、ずっとフレーズが入っているみたいなギターになったという(笑)。ギターソロにフランジャーをかけたのも、よりワチャワチャした感じにしたかったからだし。で、ギターソロを入れたらベースもスラップを入れてきて、ドラムもソロみたいになって、みんながどんどん詰め込んでいった結果、かなりすごいことになりました(笑)。でも、それがこの曲には合っているんじゃないかと思います。
じゅり
歌は悪戯っぽさみたいなものを出したくて、ニヤニヤしながら歌った感じです。あと、Bメロの《SA SA 最強 SA SA SA最強 ★ピース》というところは3回歌うので、それぞれニュアンスを変えたいと思って、それぞれ違うキャラクターを演じる感覚で歌いました。この曲は歌の表情に命を懸けましたね。みんなと同じように私もこの曲を歌うのは楽しかったです。